『歸國』を観て…

帰省した時に会った２０歳の姪っ子が、「俳優の向井理さんが好きなので、１４日のドラマ『歸國』を観るんだ。もう録画の予約もしてある。」と言っていた。
私は、向井理さんを知らなかったので、「どんな子やろ？」と思って、姪っ子の好きな人を見たい気持ちもあって（笑）、ドラマ『歸國』を観た。

『歸國』は、あの戦争で、母国のために亡くなった英霊たちが、今の日本を見て、どう思うか？…がテーマとなっている終戦ドラマだった。

あの時、あの戦争でお亡くなりになった方々に、もしも、本当に、今のこの日本を見て頂くことができたら…。
「平和で豊かになって、良かったな。毎日が楽しいか？」と、目を細めて、微笑みながら、そう言って頂けるのだろうか？
「何をやってんだ！お前たちは！」と、叱責されてしまうのだろうか？

このドラマに出て来た、”貧幸”（貧しくとも幸せ）と言う言葉と、現代を生きる人として描かれていた人が、「必死で頑張って生きて来た。でも、僕はどこで間違ってしまったのでしょう？」と英霊となった人に尋ねる場面が印象に残った。
また、「現代を生きている者たちは、豊かになることは、便利になることだと勘違いしているようだ。自分の身体を使って動かなくてもいいことを、自分は楽をできることを、便利さだと思っているのではないか」と言ったような英霊の言葉にも、なんだかうなずけた。

明日は終戦の日。
今の日本は、果たして、あの戦争でお亡くなりになった方々に対して、胸を張れる日本になれているのだろうか？
戦後６０年余りで日本は大きな変貌を遂げた。
この変貌を目の当たりにして頂けたなら、嬉しい驚愕ではなく、悲しい驚愕をされてしまうのではないか？
と、そんなことを思ってしまった、ドラマ『歸國』だった。

２０歳の姪っ子は、このドラマを観て、どんなことを思っただろうか？
「向井理くんカッコいい～」だけで終わっていなければ良いなと思う。

…ちなみに、このドラマを観て、私が良いなと思った俳優さんは、ＡＲＡＴＡさんでした（笑）。