米経済は欧州や中国に比べてよくやっている」。バフェット氏は
今週、米メディアとのインタビューでこう語った。
商務省が26日発表した7~9月の実質国内総生産(GDP)は、そんな
米国への楽観論を裏付けるような内容だった。季節調整済の年率換算で2%増。
高い伸びではないが市場予想を上回る。内需の柱である個人消費と住宅投資で
1.75%分と成長の大半を稼いだ。
これに対し米経済のアキレス腱の一つが外需の低迷である。特に債務
危機下の欧州でモノが売れない。赤字の欧州事業から撤退するグローバル
企業が相次いでいる。グローバルであることが弱点になったかのような、
手のひらを返した米企業の動き。世界経済に連動しやすい企業を避け、米内需
依存型の企業に投資するのが安全という見方に行き着く。
地味だが必ず必要とされる企業に投資するのがバフェット流。同氏率いる
バークシャー・ハザウエイ株の上昇率が14%とダウ平均の7%を上回るのは、
その投資姿勢と無縁ではない。米内需の力強さは、米国復活を信じるバフェット氏
の勝利でもある。東京市場でも内需型の食品関連株、カルビー、キッコーマン、
味の素などの高値更新が続く。ここは安値圏にある出遅れの内需型企業への投資を
考える好機かもしれない。