江戸時代の大阪、堂島の米相場で負け知らずの相場師だった本間宗久が考案した「酒田五法」(宗久が出羽酒田の出身であったためつけられた相場鉄則の五法)は、現在の株式相場でも相場の転機を知る手法として、株式のテクニカル・アナリスト達に利用されている。相場急騰を暗示する「赤三兵」逆の「三羽カラス」、天井や底を暗示する「三尊天井または三尊底」などはよく知られている。(仏像が三体並ぶ様子から、名付けられた)
今、日経平均の「日足」(1日ごとの値動きをローソク足ー白の陽線、黒の陰線ーであらわした株価チャート)に株価反転を暗示する「逆三尊」と「明けの明星」が出現しようとしている。明けの明星は酒田五法の「三川(さんせん)」の1つで相場の上昇を暗示するサインとして知られる。日経平均、5月24日の9,406円、6月7日の9,358円、6月17日の6,318円で三点(三尊)底を形成し上昇を開始した。6月28日の終値は9,648円で、6/10日の9,618円をクリアーした。一両日中に6/1日の9,720円を突破すれば(終値ベースで)いわゆる「明けの明星」が完成することになる。詳細は省くが、要は9,720円の突破ができれば相場の長期、短期の上昇を暗示する三尊底と明けの明星が揃うことになる。7月に入れば、主要企業の前3月期決算、3~6月の第一四半期決算、今期見通しが発表される。前期の減益はかなり織り込み済みであり、むしろ、第一四半期決算及び今期見通しが注目されるだろう。これ等が市場の想定以上であればマーケットはポジティブ(好材料視すること)に反応するのではないか。”明けの明星”が完成するかどうかと共に注目したい。