たそがれ株屋のひとりごと

昔とった杵柄で、今の相場を懐メロ感覚で分析 時代遅れもまた楽し
リタイヤされた方に一服の清涼剤となれば望外の幸せ

ブログへの想い

証券会社の社長を最後に引退してからはや幾年、ボケ防止にネット取引を始めたが、隔世の感ある状況に戸惑う毎日。掲示板を覗くと何とも品格のかけらもない投稿だらけ。そこで一念発起、懐メロ感覚で今の相場を分析し、たとえ時代遅れといわれようと、同じ思いを抱くかたがたに過ぎ去りし良き時代に思いを馳せていただければ幸甚。

逆三尊と明けの明星

2011-06-29 08:20:10 | 日記
江戸時代の大阪、堂島の米相場で負け知らずの相場師だった本間宗久が考案した「酒田五法」(宗久が出羽酒田の出身であったためつけられた相場鉄則の五法)は、現在の株式相場でも相場の転機を知る手法として、株式のテクニカル・アナリスト達に利用されている。相場急騰を暗示する「赤三兵」逆の「三羽カラス」、天井や底を暗示する「三尊天井または三尊底」などはよく知られている。(仏像が三体並ぶ様子から、名付けられた)
今、日経平均の「日足」(1日ごとの値動きをローソク足ー白の陽線、黒の陰線ーであらわした株価チャート)に株価反転を暗示する「逆三尊」と「明けの明星」が出現しようとしている。明けの明星は酒田五法の「三川(さんせん)」の1つで相場の上昇を暗示するサインとして知られる。日経平均、5月24日の9,406円、6月7日の9,358円、6月17日の6,318円で三点(三尊)底を形成し上昇を開始した。6月28日の終値は9,648円で、6/10日の9,618円をクリアーした。一両日中に6/1日の9,720円を突破すれば(終値ベースで)いわゆる「明けの明星」が完成することになる。詳細は省くが、要は9,720円の突破ができれば相場の長期、短期の上昇を暗示する三尊底と明けの明星が揃うことになる。7月に入れば、主要企業の前3月期決算、3~6月の第一四半期決算、今期見通しが発表される。前期の減益はかなり織り込み済みであり、むしろ、第一四半期決算及び今期見通しが注目されるだろう。これ等が市場の想定以上であればマーケットはポジティブ(好材料視すること)に反応するのではないか。”明けの明星”が完成するかどうかと共に注目したい。

  

夜目遠目笠の内

2011-06-19 10:02:48 | 日記
  今年の夏は節電のため簾(すだれ)が持て囃されそうだ。電気などなかった頃の夏の夜、行燈(あんどん)の薄明かりで簾越しに見る女房の姿はそこはかとなく魅力的に見えた。また、笠を身に着けた女性も普段より美しく見えたことから「夜目遠目笠の内」と言われるようになった。(江戸時代に生まれた言葉)
  日本の投資家には見慣れた老妻のように見える日本株も、外国人投資家からは”夜目遠目笠の内美人”に見えるようだ。企業の株式持ち合い解消が加速化、ピーク時の20%から6%に激減、外人持株比率は過去最高の30%に達している。中には50%近くに達した企業も散見される。機関投資家や個人の株離れが目立つが、純資産倍率の1倍割れは、企業の解散価値を株価が下回っていることを示す。
  不振続きの日本の株式市場だが、もう一度「夜目遠目笠の内」で見直してみる必要があるのではないだろうか。日頃、見慣れた老妻も、浴衣(ゆかた)姿、夏の行燈、簾越しに見れば意外と魅力的に見えるかもしれない。日経平均の9、400円はそんなことを感じる水準ではないだろうか。
  梅雨空に飛び交う源氏、平家蛍に思いを馳せて、「日本株の魅力」に再注目することも有益と思われるのだが・・・。


散りぬべき時を知る

2011-06-06 08:42:35 | 日記
  明智光秀の娘として生まれた玉は父の主君である信長の仲介で名門、細川忠興の妻となる。本能寺の変後、数奇な運命をたどる。美人の誉れ高く、信長の後を襲った秀吉から側室を乞われる。玉は夫ある身であり、かつ秀吉の主君信長を殺害した父を持つ身であったため、これを拒絶、キリシタンの洗礼を受け「細川ガラシヤ」と改名、秀吉の望みを絶った。
  その後、夫忠興が関ヶ原の戦いで東軍(家康側)に参戦、元父の主君信長の後を襲った秀吉に反旗を翻すこととなった。ガラシヤは忠興の戦意が自分のために鈍ることを恐れ、家老に命じて槍で胸を突かせこの世を去った。キリスト教では自害を神に背くものとして認めていなかったからである。ガラシヤの忠興に残した辞世の句
「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」がある。どこかの国のトップに贈りたい句だ。
  後継首班に民主党から前原、原口、仙石、小沢の名が・・・。他に自民党の石破茂、国民新党の亀井静香、小泉純一郎、阿部普三、麻生太郎の名が。(日経、電子版「次の総理に相応しいのは・・・のアンケート調査)。 1位は石破、2位小沢、3位前原、4位仙石、5位亀井静香と続く。なんとも意外な結果だ。どうやら世論は「大連立」を視野に入れだしたのかも。また谷垣総裁は石破の1/4。”瓢箪から駒”で亀井静香もありうる情勢。また剛腕小沢の出番か?いずれにしても選挙管理内閣だろう。
 「買う(売る)べき時知りてこそ 株は株なり」 なかなか実行出来ないが・・・。


紫式部の欲望

2011-06-05 08:44:44 | 日記
  平安時代中期の女流文学者、歌人。三十六歌仙の一人、「紫式部日記」「源氏物語」の作者。百人一首に「有馬山 いなのささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする。」が選歌されている。漢文学に精通した才女で、今や世界文学である源氏物語の作者、紫式部は「素敵な男性に”お姫様抱っこ”をされて連れ去られたい。」と欲望していたのではないか?かりそめにも式部を連れ去ってくれる男性がいたとしたら、それは時の最高権力者であり、仕える主人でもあった藤原道長ぐらいであっただろうが、さすがの道長も式部の知性と情念の重さでは「お姫様抱っこ」には至らなかったのではないか?だからこそ式部は源氏に連れ去られてはかない死を迎える夕顔の美しさや、同じく連れ去られて妻として添い遂げたものの、この上ない苦悩に包まれて死ぬ紫上の悲しみを羨望と嫉妬をこめて書き上げることができたのかも知れない。
  零落した宮家の姫君で、高貴な魂を持ちながら、異様な容姿と浮世離れした立ち居振る舞いから、笑いの対象となる「末摘花」は源氏物語随一のアンチ・ヒロインと言えよう。この偉大なアンチ・ヒロインの存在によって、他の美しい女君たちがヒロインとして輝くのである。「欲望ですって?そんな下々の心はございませんわ。」紫式部はにこりともせず、こう言うかもしれないが。
  米国の経済指標の悪化、新興国のインフレ懸念、中国の景気後退懸念など四面楚歌の東京株式市場。上場株の今期予想平均純資産倍率(PBR)は、1.0倍で昭和40年の日経平均、1,020円時の0.9倍に次ぐ低さ。(60%は1.0倍以下)大震災による工場の生産再開も夏場には8割程度に復旧しそうだ。日銀の低金利政策も継続される見通し。また、日銀の「指数連動型上場投資信託」(ETF)の買いも継続されよう。政局が落ち着けば下値不安は乏しいのでは?ソニーや東電のような”末摘花”の存在が「美しいお姫様株」を浮上させるのではないだろうか?特に、省エネ、代替エネルギー、復興需要関連に注目したい。