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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

ボウリング・フォー・コロンバイン

2004-04-01 18:30:00 | 映画-2004年

「サイコーだ!」

 コロンバイン高校で起きた、銃乱射事件を出発点として、アメリカ銃社会の矛盾について考える、というドキュメンタリー。
 ちなみに『ボウリング・フォー・コロンバイン』という題名は、乱射事件を起こした学生二人が、事件前にボウリングをしていた、ということかららしい。

 とにかく、いろいろなことを考えさせられる映画だった。

 恐怖に支配された資本主義経済。
 これって今の日本に見事に当てはまってる。

 恐怖の対象を黒人……見知らぬナニかに仮託する。
 これも日本に当てはまってる。

 ゲーム脳が凶悪事件を起こすわけではない。
 ヘンな本を読むより、こっちの方が説得力がある。

 こういった事象を解明するために、毒々しい突撃取材を敢行し、血祭りに上げられる人々の姿には、同情を禁じ得ない部分もあるが。
(たとえばミサイル工場の職員とか)
 しかし、毒々しさだけが際立つのではなく、監督マイケル・ムーアのユーモアも冴えており、知らず知らずのうちに映画に引き込まれる。
 このへんのバランス感覚って、スゴイと思った。

 さらに付け加えるなら。
 メディアってのは、銃以上に凶悪な武器になるってこと。
 この映画では、病んだ銃社会の象徴の一つとしてライフル協会を吊し上げ、そのシンボルたるチャールトン・ヘストンをこき下ろそうとする。
 もう、これを観ているだけで、ヘストンがキライになる。

 こうやって嫌ヘストン感を増幅させ、クライマックスでヘストンへの突撃取材を敢行。
 明言を避け、逃げようとするヘストンの姿は、悪の象徴のように見える。
 ……でも、この突撃取材は、もの言えぬ老人をなぶっているように見えなくもない。
 カメラの前では、人は本音を語れない。
 この作品で一貫して描かれているだけに、なおヘストンの姿が哀れに見える。

 なんかヘストンに偏った見方になってしまったが。
 他にも見所はたくさんあり、考えることはたくさんあった。
 とにかくオモシロイ映画だった。

『ボウリング・フォー・コロンバイン』(CATV)
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア
評価:文句無しの10点!


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