チャチャが退院して
お兄さんのお家へ行く日が来ました。
チャチャとたくとはな
あの公園で再会です。
「たく、はな、助けてくれてありがとう」
「治ってよかったね」
「うん」
・・・
・・・
沢山話したいのに言葉が出てきません。
たくもはなもせっかく決心した気持ちが
少し揺れていました。
だって、やっぱり別れるのはさみしい。
でも、何か云ってあげなくちゃ・・・。
たくは、はなは、同じ事を考えていました。
「チャチャ、元気になったらまた遊ぼうね」
「きっと遊ぼうね！」
ふたりは頑張りました。
チャチャも嬉しそうに答えます。
「うん！絶対だよ！」
きっとその日は訪れます。
だって三人は友達だもの。
忘れるなんてないもの。
三人を見つめていたお兄さんは車を降りて
「もう行こうか」
とチャチャを抱き上げました。
「たくちゃん、はなちゃん、ありがとう。」
「いつかきっとチャチャを連れて来るからね」
お兄さんはやさしく微笑んで云いました。
もうすぐお別れ
チャチャが乗った車の窓に
ふたりは背伸びして手を掛けます。
ー 名残惜しいね ー
すると、二人はそこにある物を見つけました。
それはチャチャの座席に敷いてあるタオルです。
チャチャの大事な思い出の
赤いタオル。
「チャチャのタオルだぁ・・・」
その時たくもはなも感じたのです。
お兄さんはきっとチャチャを
大事にしてくれると。
三人の再会の時が終わりを告げます。
チャチャを乗せた車はゆっくりと動き出し
新しいお家へと向かって行きました。
