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CA110 (Cabin Crew Project)

CAの健康と安全を守るための情報交換やお役立ち情報

FRM(疲労リスク管理)にかかわる疲労調査 始まる

2025年02月21日 21時23分36秒 | つぶやき・コメント

そら子 今月から、航空局の疲労調査が始まったわね。

星奈  JALでは、2~3月で国内線と国際線の80路線で疲労調査するそうだけど、他社でもやるのかな?

そら子 他に、ANA や ZIPAIR、JAC など7社が対象だそうよ。

星奈  反応をチェックする測定機器で、フライト前後に行うそうだけど、職場からきついという声の出ているパターンでしっかり調べてほしいわね。

そら子 JALでは、1H(単休)がきついという問題があるわ。

星奈  地上職でも2H(連休)が基本なのに、客室乗務員が1Hというのでは、疲れが取れないわよね。

    ただでさえ低酸素、低気圧、低湿度という空中勤務の特殊性や、立ち仕事、緊張を伴うといった、

    客室乗務員の労働負荷からすると、1Hは問題ね。

そら子 ANAでも同じ1オフ(単休)の問題があるわ。その他、JALにはない 1日4レグや、6日連続勤務、

    バンコク0泊3日、ロサンゼルス1泊4日パターンなど、労働負荷の高い勤務が多く、改善してほしいわ。

星奈  FRMの考え方は、「乗務員の疲労は安全に直結する」ということよね。

そら子 そう、だから客室乗務員だけの問題ではなく、お客様にも関わる課題でもある・・

星奈  航空局の疲労調査だけでは、本当に調べてほしい勤務パターンが対象になるかどうか不安もあるわね。

そら子 だから、各社の客室乗務員も積極的に自分たちで疲労度を計ったり、アンケートを取ったりしなくちゃね。そこは労働組合の出番だと思うわ。

星奈  客室乗務員の働き方改革は待ったなしの状態だと思うので、これからも皆で声を出していきましょうね。

【注:航空局の疲労調査は2025年2月~3月、対象会社は、ANA・JAL・ZIPAIR・JAC・ORC・スプリングJPN・天草エアライン】

                                          2025年2月 


謹賀新年🎍(2025年1月)

2025年01月03日 20時24分02秒 | つぶやき・コメント

謹賀新年🎍

皆様、新年あけましておめでとうございます。

念頭にあたり、昨年1年を振り返りながら今年の課題を綴ってみたいと思います。

1月2日羽田衝突事故の教訓 】

2024年1月2日に発生した羽田空港での衝突事故で、客室乗務員が乗客全員を脱出させたことに国内外から称賛の声が出され、あらためて日本でも「客室乗務員は保安要員」との認識が広がりました。

 この事故の教訓として各ドアへの客室乗務員の配置の重要性が認識され、JALでは2024年7月から、これまでドア数に満たない編成数だったB787型機で、全ドアに客室乗務員を配置することになりました。(これにより、現在ドア数に満たない編成数で中型機を運航している航空会社は、ANAとZIPAIRだけになりました)

 また、これを契機に、日本の客室乗務員に「保安要員としての国家ライセンス」を求める国土交通省宛の署名が取り組まれ、2万筆を超えました。

2025年は、引き続き各ドアへの客室乗務員の配置と、(諸外国並みの)国家ライセンスの付与が課題になっていると言えます。

客室乗務員にも「働き方改革」を

2024年9月2日、東京都労働委員会(都労委)はANAに対し、休憩問題をめぐる個人加盟組合との団交で不当労働行為があったとの認識を示し、誠実に交渉を行うよう命令を出しました。(その後、ANAはこの命令に従わず、中央労働委員会に再審査を申し立てました)

どの航空会社の客室乗務員も、国内線と国際線近距離において休憩時間、または休憩に代わる休息時間が必要であり、そのことは安全にも直結します。2025年はますます、「客室乗務員の職場における働き方改革」が課題となっています。

声を上げ始めた客室乗務員たち

2024年は、いくつかの客室乗務員の職場で労働組合への加入が広がり、有休取得率のUPや一方的な勤務変更の改善を求める交渉が始まりました。この結果、目に見える改善につながった職場もあります。

2025年も多くの客室乗務員で声を上げ、健康で長く働き続けられる職場の実現に向け頑張っていきましょう。

皆様、今年もよろしくお願い致します

2025年1月3日

NPO法人「航空の安全・いのちと人権を守る会」

Cabin Crew Project  


ANAの不当労働行為って何?

2024年09月30日 21時14分13秒 | つぶやき・コメント

C子) ANAが、ジャパンキャビンクルーユニオン(JCU)という個人加盟組合に『不当労働行為』を行ったことが問題になっているわね。どういう事なの?

A美) ANAの客室乗務員が、国内線と近距離国際線を乗務するときに休憩がほとんど取れないことを問題にして、JCUがANAと団体交渉を行った時に、ANAが質問にまともに答えなかったことが不誠実だったとされたのよ。

C子) そういえば休憩って取れないわよね。で、どういうことになったの?

A美) 東京都労働委員会(都労委)がANAに対し、今後は不誠実な交渉はしませんという貼り紙を、社内に貼りだすよう命令したのよ。

C子) そうだったのね。で、ANAは貼り出したのかしら?

A美) それがね、ANAは都労委の命令を不服として、中央労働委員会(中労委)に再審査を申し立てて、反省文は貼りださなかったそうよ。

C子) 反省しなかったということね。で、休憩は取れるようになったの?

A美) 全然変わらないそうよ。ANAが言うには、飛行機が到着してから次の便の出発の為にドアを閉める間の時間、つまりステイタイムが休憩に代わる時間だそうよ。だから今の状態でも問題ないんですって・・!

C子) え~~~!? ステイタイムってめちゃくちゃ忙しい時間じゃないの!?

A美) そうよね。お客様の降機や次の便の準備、セキュリティチェック、その後、次の便のお客様が乗ってきて、お弁当をゆっくり食べる時間もないわ!

C子) 結局ANAは、国内線と近距離国際線の客室乗務員に、きちんと休憩を取らせてないってことね。

安全面でも問題じゃないのかしら。で、JALはどうなの?

A美) JALでは FRM教育で『国内線でも休憩取りましょう』『食事はしっかりとりましょう』と啓発したそうよ。

C子) 会社がそう言ってくれると、上空の空いた時間で堂々と休憩が取れるわね。

A美) ANAは 休憩なしで4便飛んだり、10時間以上の勤務もあって、FRMの観点でも問題になりそうね。

C子) 本当に・・。少しでも改善してほしいわ 

 


風化させてはいけない JAL123便事故

2024年08月12日 21時34分40秒 | つぶやき・コメント

あの日 ・ ・ ・  1985年8月12日から39年が経ちました。

あらためて 犠牲になられた方々のご冥福を 心よりお祈り申し上げます。

520名が犠牲になった史上最悪の航空機事故を機に、航空各社はあらためて『絶対安全』を誓いました。

その航空の現場は、今どのようになっているのでしょうか。

「客室乗務員の疲労は、安全に直結する」ため、疲労リスク管理(FRM)が 国際的に必要とされています。

しかし、国内線や短距離国際線では、相変わらず 休憩やレスト(休息)が取れず、疲労を蓄積したまま1日3〜4便を乗務しています。

拘束10数時間にもなる米国西海岸へは 1泊のみの折り返し乗務、その後の休日もわずか2日、という航空会社もあります。

また、上司による個人評価により乗務手当にまで差がつくという制度は、欧米では人権侵害とされていますが、日本では2005年にANAが初めて客室乗務員に対し、導入しました。

この評価賃金制度が、職場でものが言えない根源となっているのではないでしょうか。

安全文化の構築のために重要なことは、「職場で自由に本音や意見を言い合えること」とされています。 この観点からも、評価賃金制度の見直しが必要ではないでしょうか。

今日、8月12日は、安全をあらためて考える日 ・ ・ ・

職場からの切実な声を受け止め、客室乗務員が使い捨てではなく保安任務をしっかり遂行できる環境をつくることが求められています。


増加するタービュランスへの対策は?

2024年07月12日 22時03分59秒 | つぶやき・コメント

タービュランス対策で 『サービスを20分早く終える』

大韓航空は、今後の乱気流の増加を考慮し、以下を発表しました。

~ 客室サービス手順を更新し、すべての中長距離便で、『今までより20分早く、着陸40分前に機内サービスを終了』する ~ 

この20分間の変更により、航空機が着陸に向けて降下を開始する前に機内サービスを終了でき、乗客と乗務員の乱気流のリスクを最小限に抑えることができるとしています。

声明では「乱気流は近年、持続的かつ増大する問題となっており、2024年第1四半期の事故件数は2019年第1四半期と比較して倍増している」と述べています。

2024 年 5 月から 6 月にかけて、フライト中に激しい乱気流に遭遇し、負傷者が出たり、乗客 1 人が死亡したりする事故が多数発生しました。

 シンガポール航空

2024年5月20日、ロンドン・ヒースロー空港(LHR)発シンガポール・チャンギ空港(SIN)行きのシンガポール航空便が、激しい乱気流に遭遇し、バンコクのスワンナプーム国際空港(BKK)で迂回し、緊急着陸を余儀なくされました。この事故により、乗客1人が死亡し、30人以上が負傷しました。

 カタール航空

それから1週間も経たない2024年5月26日、カタール航空のフライトがドーハからダブリンへのルートでトルコ上空を飛行中に激しい乱気流に遭遇し、12人の乗客が負傷しました。

 エア・ヨーロッパ

2024年6月30日、マドリード発ウルグアイ行きのエア・ヨーロッパ便が激しい乱気流に遭遇し、乗客1人が客室の天井を突き破り、さらに30人の乗客が負傷しました。

 

温暖化でジェット気流のウィンドシアが増加 

イギリスのレディング大学の研究者が2023年6月に実施した研究によると、地球温暖化により 飛行の乱気流はますます強くなることがわかっています。

この研究では、CO2排出による暖かい空気がジェット気流のウィンドシアを増加させ、各国の飛行ルートで晴天乱気流(clear-air turbulence)を強めていることがわかりました。(aerotime.aero.より引用)

2050年までに全世界で、晴天乱気流の発生頻度が 現在の2倍になるとの予測も出されています。

 

日本でも、『サービス後は客室乗務員も着席し、シートベルトを着用しタービュランスに備える』という対策をとっている航空会社もあります。

温暖化でますますタービュランスが増えている中、こうした対策が各社で必要になっているのではないでしょうか