春が来た

　　あっという間に雪が融け、隣の空き地に蛍光かと思えるほどにまぶしいフキノトウが顔を出した。

　盛岡訪問時、内丸の阿部魚屋で買い求めた「ばっけみそ（フキノトウの味噌炒め）」はうまかった。　
東北の人々は山菜の料理に長けている。

　そのばっけみそと日本酒が良く合い、酒が進みすぎ。抑制が効かないのだが、これも春！とか理由をつけて、そのうち理由なぞどうでもよく杯を干す。

　つい十日ほど前、向かい合って杯を交わした同窓の、まだ若い同業の仲間の訃報が少し前に入る。
　これもまた春。

三陸の現況は未だショック

３月１９，２０，２１日、所属していた大学講座の教授退官記念パーティー出席のため岩手県盛岡市に行く。
　懐かしい先輩たちと杯を交わし昔話。
　隣席が福島県いわき市で認定NPO法人 いわき放射能市民測定室 たらちねhttp://www.iwakisokuteishitu.com/代表のＯ先輩で、ホットスポットの話、放射能の現況などの話を聞かせていただき、会に出席してよかったと。

　翌日妻の従兄に会いに三陸は釜石市までレンタカーで向かう。
　東日本大震災の話を聞き、帰途は是非見ていったほうがとの勧めで津波被害の大きかった鵜住居地区まで北上。五年も経過しているのにまだまだ更地が多く、国道の脇には津波到達を示す看板がびっくりするような所に見える。
　笛吹峠を通り内陸に向かうが、山間の狭い土地に仮設住宅が多数ある。
　界隈もなく、どのように生活されているのか。
　カメラは持参していたが、写真を撮る気にはならないまま。

　前日に続いて墓参り。
　夜はガンを患い、幸い生き延びた旧友と食を共にする。