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漫画家・つげ義春氏 日本芸術院会員に

2022年04月26日 | その他
日本芸術院
日本芸術院は、美術・文芸・音楽・演劇など芸術各分野の優れた芸術家を優遇顕彰するために設けられた国の栄誉機関
院長1人と会員120人以内で構成され会員は、芸術上の功績顕著な芸術家について会員からなる部会の推薦(部会における選挙)と総会の承認によって選ばれ、文部科学大臣により任命されています。

今回は指揮者の小澤征爾さん、狂言師の野村万作さん、
作家の五木寛之さん、日本画家の千住博さん、
彫刻家の宮瀬富之さん、書家の星弘道さん、建築家の伊東豊雄さん
などと並んで漫画家として初めて「あしたのジョー」で著名な ちばてつやさんつげ義春さんが選ばれました。

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2022年03月05日19時00分 JCASTトレンド
   日本芸術院の新会員に、漫画界から初めて、つげ義春さん(84)とちばてつやさん(83)が決まった。
   ちばさんは「あしたのジョー」などで有名だが、つげさんはどんな人なのか。『ねじ式』『紅い花』『無能の人』などの作品で一部に熱狂的なファンを持つことは知られているが、なぜ「芸術家の殿堂」とされる芸術院会員に選ばれたのだろうか。
日本芸術院ウェブサイトより

「不条理」「疎外」を表現
   日本芸術院は、美術・文芸・音楽・演劇など芸術各分野の優れた芸術家を優遇顕彰するために設けられた国の栄誉機関だ。院長1人と会員120人以内で構成されている。会員は、芸術上の功績顕著な芸術家について、会員からなる部会の推薦(部会における選挙)と総会の承認によって選ばれ、文部科学大臣により任命されてきた。

   しかし、今回から外部有識者も関与する選考方法に改められ、新たに「マンガ」などの新分野が設けられて、2人が選ばれた。2022年2月22日の朝日新聞のデジタルによると、文化庁は、つげさんが推薦された理由について、発表資料で以下のように記している。
「人間存在の不条理や世界からの疎外を垣間見せる『文学的な』表現によって、自己表現としてマンガを捉える青年たちに絶大な影響を与えた」
「美術と文学の世界からも高い評価を集め、その作品を読み解く試みを誘発してマンガ評論の発展にも影響を及ぼした」
「まさに『芸術』としてのマンガ表現において日本を代表する作家」
   つまり、日本にたくさんいる漫画家の中で最高位の人、だとしている。
推薦に関わった外部有識者の中に、かなり強烈につげさんを推す声があったことをうかがえる。

「天才」としか言いようがない
   もはや漫画家というよりも「思想家」「文学者」という感じの推薦理由――たしかにつげさんの作品は、知識人、文化人と言われた人たちに特に衝撃を与えてきた。
1967年、漫画批評誌「漫画主義」で特集が組まれたのを皮切りに、しばしば雑誌などで「つげ義春論」が交わされた。「不条理マンガ」「シュール漫画」などとも呼ばれ、心理学者の福島章さんや河合隼雄さんらが分析に加わった。
   作品に魅せられ、映像化に取り組んだ人も目立った。1976年にはNHKでは敏腕ドラマディレクターの佐々木昭一郎さんが「紅い花」を制作、国際エミー賞優秀作品賞を受賞した。
 俳優の竹中直人さんは91年、監督・主演で「無能の人」を映画化、ヴェネツィア国際映画祭で 国際批評家連盟賞を受賞した。
 俳優の豊川悦司さんはテレビの「つげ義春シリーズ」で「退屈な部屋」などを監督、ギャラクシー賞を受賞した。
 「網走番外地」シリーズで大ヒットを飛ばしたベテラン映画監督の石井輝男さんも晩年、つげ作品に入れ込み、「ゲンセンカン主人」「ねじ式」を撮っている。

   漫画界では特に影響を受けた人が多かった。『美味しんぼ』原作者の雁屋哲さんは「つげ義春を一言で表現したいと思ったら『天才』という言葉以外は思い浮かばない」「大学生の時に、つげ義春の『ねじ式』を読んで、天地がひっくり返るような衝撃を受けた」(「つげ義春と私」)と語っている。

伝説的な名作を残す
   つげさんは1937年、東京都生まれ。極貧家庭で育ち、小学生のころはアイスキャンデー売りなどで家計を支えた。中学には行かず、メッキ工場などを転々。貸本漫画の世界を経て1954年にデビューした。
 白土三平さんらが64年に創刊した漫画雑誌「ガロ」を舞台に、個性的な作品を立て続けに発表、「今までに読んだことがないタイプの漫画」として注目され、67年には『山椒魚』『李さん一家』『紅い花』など。68年には『オンドル小屋』『ほんやら洞のべんさん』『ねじ式』『ゲンセンカン主人』『もっきり屋の少女』などの伝説的な名作を残した。一時期、水木しげるさんのアシスタントも務めていた。

もっきり屋の少女
  

李さん一家
  

■ つげ義春さんの推薦理由
 1960年代後半に「ガロ」誌上に発表した短編作品群以降、紀行文学的、あるいは私小説的な、小さなエピソードの中に人間存在の不条理や世界からの疎外を垣間見せる「文学的な」表現によって、自己表現としてマンガを捉える青年たちに絶大な影響を与えただけでなく、マンガの世界を越えて、美術と文学の世界からも高い評価を集め、その作品を読み解く試みを誘発してマンガ評論の発展にも影響を及ぼした。
 1970年代から80年代にかけても、ユーモアを含んだ独自の作品を発表し、その生き方がトータルに注目される唯一無二の存在となっている。
 今日もなお文庫や全集の形で作品が読まれ続け、海外からも高い評価を得ている、まさに「芸術」としてのマンガ表現において日本を代表する作家である。 

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神宮桃子、黒田健朗2022年3月1日 19時30分
 日本芸術院の新会員9人の会員辞令伝達式が1日、東京・上野の日本芸術院会館であった。選考方法を改めて初めての選考で、新分野の「マンガ」で選ばれたつげ義春さん(84)らが出席し、感想や抱負を述べた。

 つげさんは「私は一介の漫画家でしかありませんから、教養も何もなくて、先生方の前では緊張しちゃって何も申し上げることもできない状態でございます。それでもこうして皆さま方にお会いできて本当にありがたい、うれしいと思っております。どうぞ今後とも……こんな短いごあいさつで申し訳ありません、どうぞよろしくお願いいたします」と話した。

 会員は非常勤の国家公務員で、年250万円の年金が支給される。任期は終身。芸術院は「美術」「文芸」「音楽・演劇・舞踊」の三つの部があり、その下の分科は、対象分野の拡充に伴い計18となった。
 新会員の選考は、これまで現会員のみが候補を推薦していたが、「選考が閉鎖的」などと指摘され、今回から外部有識者が候補の推薦や絞り込みに加わり、投票は従来どおり会員のみが行った。
「マンガ」と同じく新たに対象分野になった「写真・映像」「デザイン」や、アニメや放送も加えて「演劇」から独立分科になった「映画」では、新会員が決まらなかった。(神宮桃子、黒田健朗)

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子供のころに貸本屋で、つげ義春さんのマンガを読んで【見てかな?】宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』 などと同じような不思議な感覚を覚えていました。
 図書館に行って職員さんに探してもらうと「マンガは置いてありませんよ」という返事。
「日本芸術院の方のマンガですが・・・」と問い直すとパソコンで検索し直してくれ、「数冊あります」との回答でした。

図書館の蔵書 「マンガ・紅い花」

図書館の蔵書 「読み物・貧困旅行記」
母親が千葉県の夷隅郡大原町の出身だったようで、母親自身は嫌っていたらしい大原町の実家を嫁さんと長男を連れて訪ねたり、周辺の出来事をマンガに描いています。
精神病院が多かった房総地区。当時の精神病院は金属格子入りの病室に閉じ込めておくことが一般的で、この物語は患者が「病室から逃走した」ときのお話。
「おめ」とか「にし」とかは、「お前」ということ。房総の方言です。
場合を「ばやい」と言っていたり母親も使っていたのかもしれません。
消防団が出動し、「まきだっぽう」や「こん棒」を持ち、患者を挟み撃ちに山狩りして「その時の調子で殺す」という当時のことを包み隠さず描いています。 今では書きたくとも書けない描写です。



そのほかにも少女が学校にも行かず茶屋で働いて、地元の若者の酔客に靴を買って貰いたいために身体を触らせても買ってもらえないという地元住人の狡猾さ・嫌らしさを描いたり
  
少し卑猥な画像も出てきますが、暗くて狭い一室で僅かなお金で性器を見せる商売など当時の一般的な状況を正直に描いたものと思われます。

私の好きな物語は、古本屋にあった千円の値がついた古本が欲しくて何度も何度も見に来るお金の無い学生が たまたま本に挟まっていた千円札を発見することから始まる心の葛藤と 売った古本を買い戻しに来た元の所有者古本屋のオヤジ店番のの心温まるお話『古本と少女』です。街の何処にでもありそうな、でも底辺の人々でないと理解しにくいオハナシでした。

極貧で小学校卒業後、メッキ工や新聞配達・そば屋の出前持ちなどを転々として俗世間の底辺を見たことのある人だからこそ感じて、描ける作品だったのかもしれません。
 ※読み物の「貧困旅行記」につげ義春先生が妻子とともに千葉県の養老渓谷を訪れた際の旅館が今も在るようなので行ってみようと考えています。



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