心理カウンセラーの眼!

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吉本隆明「言語にとって美とは何か」自己表出の本質へ!

2012-04-13 16:07:25 | 現代日本および世界


こんにちは、のほせんです。

この近所の並木道は、今をかぎりのように桜の花が舞いちり染まり、まるで一場の舞台のようにみえます。

みなさんのところは、どのような風景が見られるのでしょう?

いにしえの人たちが、このような光景から幻覚や夢想をひろげたことに共感するセンチメンタリズムとは、

かつて吉本氏と共著 『時代の病理』をだされた田原先生にいわせれば、

わたしたちがこの国の文化に芯から染まったゆえの、負の刻印そのものなのでしょうが。・・

それにしても、福島のツイッター詩人といわれる和合亮一氏の詩の言葉は、まるで

浅瀬の潮干狩りで採るアサリのように お手軽で、どうやら

福島をとおして、この時代を切り裂くほどの言葉がこの先も期待できそうになさそうである。・・

なかよし詩壇などでもてはやされているかれの詩が、

文学の水準にあるのか首をかしげてしまうのはわたしだけでしょうか。

「ギリギリのところを這い回って、自分だけのものが見える。
自分だけのものが見えるから、それがまた万人のものとなる。」

坂口安吾が芸術とはそういうものだといっている意味をかみしめてほしいものである。

この和合氏程度のセンチメンタリズムでは、

それこそ田原氏にかかれば、鴨ネギのごとくバッサリ切り捨てられるものとおもわれます。・・

せめて、「灼熱の砂漠に去った ランボーの全き沈黙」について、

その魂の壮絶なることに思いを馳せてみてから、

みずからの詩を、言葉をつむいでもおそくはないだろうとおもう。

- ひとはいざ、なにをも知らぬまに かかえおり! というぐあいに、

この国の負の文化の根底にある甘ったるいセンチメンタリズム、

「恣意的(独り善がり)な対人意識」からひきおこされる依存(甘え)と、それと真逆の強迫的排他意識が

結果的にたがいの関係に支障や不都合をもたらしているという田原先生の指摘に誤りはないであろう。


たしかにこの国のエライ人たちは、とりわけ普遍社会の言語意識から発言すべきなのに、回避逃亡して

言葉遣いだけは社会性をよそおっているものの、内実は対人依存の独善によりかかり、 またあるときは

孤立意識にさいなまれては暴言を吐いたりと典型的な日本人的支障をあらわにしている。

まったく それどころか さらに病んでいて、

朝令暮改は朝飯し前だし、慇懃無礼に詭弁を弄して先送り、

また等閑視してサボタージュといった具合で、支離滅裂な分裂症状をみせている。
(自分たちはこれをイッパシの手練手管だとかん違いしているが。・・)

おまけに御用マスメディアも同調して省みないという体たらくで、

同様の病理をしめして無自覚でさえある。

病理とまで言うのは、

たとえば北朝鮮のミサイルが落下するからといって、

東京にまで迎撃ミサイルを準備した異常な行動をみせたことにある。

仮に戦争行為であれば、発射時期と落下位置を事前に公表するわけがあるまいし、

このような「迎撃」準備が何の意味ももたない茶番劇以下の行動であるのはだれの眼にもあきらかである。

どう贔屓目にみても、こんな馬鹿げたことを本気でおこなえる異常な連中が「ほんとうに戦える」とはとうていおもわれない。

だから、米国の武器セールスPRとしての日朝合作のマッチポンプ喜劇といわれても仕方があるまい。


こうした現象からも、

この国特有の了解意識と関係意識の不全そのものである無自覚な非社会的恣意的対人意識は

度しがたいといえるところまできているようで、

バイアスのかかった主観に満ちた独善的依存意識と、そのためにおちいる孤立化と排他意識、

これがもたらす心的な不都合は、田原先生のいうようにもはやこの国の全体におよんでいるといえるかもしれない。・・


だが田原氏の、これらの普遍社会の言語意識の欠落による日本人特有の対人関係の不一致や病理性の指摘は、

故・吉本隆明氏の主著『言語にとって美とはなにか』の主概念である「指示表出」に偏った提起であって、

もう一つの主概念たる「自己表出」にかかわる見解が意図的に触れられていないのは残念に思える。

吉本氏があらわされている「自己表出」とは、じつのところ非常にとらえがたい概念にはちがいないが、

「自己表出」の言葉を捉えられないようでは片手落ちのそしりをまぬがれない。

ひょっとしたら、この自己表出の概念をも、

主観的、恣意的という見立ての中に入れ込んで済ましているつもりなのかもしれないが、

それでは文学の言語について、渾身の力をふりしぼって論じられた

『言語にとって美とはなにか』の著者である吉本氏が浮かばれまい。・・・

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