シスターリトルと子猫劇団

超ミステリー架空空間・子猫劇団

ウフッ。

2023年03月12日 | Weblog
天より与えられた寿命はみな違う。
でも、途中で落としそうになっている命を救えるものなら助ける。
これ、人間の務めかも。
問答無用に助ける。
あとの運命はそこから始めればいいのでは?
出来ない理由を探すより。
しのごの言わずに、せめて助けている人を助ける人になれば良いと思います。

それでは。
みなさま、本当にこれにてお別れ申し上げます。
子猫劇団とスタッフ一同、天界より厚くご贔屓の御礼申し上げます。
さようならー
「きゃはっ!あたしったら」



ライオンのように

2023年03月12日 | Weblog
写真は在りし日のどてら嬢。
どてらちゃんは元気に暮らし、14歳の生涯を全うしました。
あたりまえの、どこにでもいる平凡な家猫になるのが彼女の目標でした。
自分はノラネコでは生きていけないと、若くして本来の力を見限ったからでしょうか。
ライオンのように弱肉強食でサバンナに暮らすのは理想です。
が、そこも密猟者がウジャウジャいて生き抜くのは難しいようです。
とりあえず家猫として生きてみて、どうだったかな。
平凡に暮らせる。
最上級ぐらいに難しい要求だよね。
平穏はあたりまえじゃないのよ。
ね、どてらちゃん。

灯火

2023年03月12日 | Weblog
それぞれ生き方が違い、信条は異なります。
困難にぶつかったとき、堪えきれぬ衝撃に流されるとき。
どうやって己を保てばよいのでしょうか。
わたしは保てたのかどうかわからないのですが、
大きな障壁が立ちはだかるといつもこなす作業があります。
一冊、本を選びます。
外国語にて書かれた文章です。
その一冊を翻訳します。
まったく理解しておらぬ言語の場合もありますし、中世期英語や古英語を選ぶこともあります。
辞書とテキストを購入し、わからない単語を書き出した単語帳を作り、電子辞書で発音を確かめながら、
1行ずつ、段落ずつ、ノロノロとでも休まずに進みます。
不明な箇所はカラーペンで印を付け、それにかかわる研究をされている論文をCNiなど検索システムを利用して取り寄せます。
もはや、この時点で忙しい。
何のために自分がそれをしているのか。よく考えぬうちに、考えられぬままに没頭する。
そうこう過ごしているうちに現実の哀しみや葛藤をよそに、解けぬ課題に挑む自分の背中が見えてくる。
「書いた人が書けたのだから、翻訳ぐらいでけるわい!」などと開き直りもできる。
意味はあまりなくても、文豪のできたことをなぞるうちにわたしの心は文豪とひとつに……
とは、あいにくなれませんが。
ひとつにはなりませんが、何故このひと言が、どうしてこの1行がこの部分に配置されたのかが判明する。
それが愉快で、わたしは楽しい。
至上のよろこびと言ってもいい。
甘いオペラケーキを口に運ぶように、書見台に向かって文豪の後を追う。
それが、わたしの「越え方」です。
現実の世界で解決を見つけられぬならば、他者の思考を身につける。
案外、シンプルな答えが出ます。
写経の効果と似ているかもしれません。
写経は文字が学べるので良いし、翻訳は語学力増強に訳に立ちます。
泣いているひまはありません。
人生の時間はとても短い。
しかし、先日訳したD・H・ロレンスによる評論は「おっさん。結局、何を言うてんねん」と思いました。
知性とは、小難しいこと言うたらええっちうもんではありません。
わかりやすく言うて、納得してもらう。
それが賢さではないでしょうか。
まだまだわたしの理解力が及ばぬもので、ロレンス先生の真価を計りかねております。
修行はつづく。

追伸:写真の謎の物体の正体は、サクランボです。
いっしょに映るのは、初代・志津江さまであります。始祖ちびちゃんの娘にて、現党首ミニーメイのお祖母さまです。
このご一党をお守りするために人生を棒に振ったわたくしであります。
これで良かったのだと、振り返ることの出来る生涯にしたいと強く強く願う次第でございます。

むかし話

2023年03月11日 | Weblog
写真は、在りし日のさつきちゃん。
公園で散歩していた高齢犬のむくちゃんが、突然大型犬に襲われ、さつきちゃんが助けに入りました。
大型犬の飼い主は「そんなちっこい雑種、うちのに殺されるで」と嗤って眺めておりました。
「きゃん!」
犬の悲鳴がしました。
四肢を宙に泳がせ、地面に転がる大型犬の姿がありました。
大型犬の胴体にさつきちゃんがのしかかり、首筋に牙をかけてうなっていました。
一瞬でした。
わたしの手から、ロープごと走り去ったさつきちゃんは一飛びで大型犬の背中に飛びつき、
真っ黒な巨体をひっくり返したのです。
まったく一瞬の出来事でした。
犬はオシッコをちびり、きゃんきゃん悲痛な声をあげて泣きわめいています。
ガブッ。「それ以上音をたてたら、ころす」と、さつきちゃんが言ったかどうか。
犬はよたよたと飼い主のほうへ戻って行きました。
父とわたしはあまりの驚きに、あ然としたまま立ち尽くしました。
さつきちゃんはね。
実を言えば、狼だったのです。
犬として暮らしましたが、獣医師が「この子、犬じゃない」と診断したのです。
その老獣医曰く「紀伊半島のあるところに絶滅したと言われているニホンオオカミの群れが隠れ住むらしい」
ふふふ、紀州の山奥で保護された白い子犬。
でも、犬にはない。さつきちゃんには、狼にしか見られない特徴がありました。
さつきちゃんの驚くべき身体能力が披露されたのは、その時一度きりでした。ですが、その一度で十分でした。
地味な腰元だと思っていたお女中が、実はくノ一だった。そんな感じです。
誰に教わったでもなく身に備わる力。
仲間を守るため、死に面した際にのみ現れる必死の技。
あれは、犬のものではない。そう信ずるに十分な、ただ一撃の跳躍でした。
しかしながら。もう、昔の話ですから。
ないしょ、ないしょ。

犬として生きた白いオオカミ。
さつきちゃんは父に看取られ、14歳で息をひきとりました。
晩年、父は彼女に「生涯心に残る犬だった」と心を寄せていました。
さつきちゃんもまた、心より父を愛していたように思います。
犬と飼い主というよりも、ひたすら城主を慕うくノ一、それがさつきちゃんの姿でした。

くノ一のたしなみ

2023年03月11日 | Weblog
後日談
大型犬の飼い主は鮨屋さんだったのですが。
店でさつきちゃんのことを「最後の最凶・紀州犬」と呼び、如何に強かったかを吹聴していたらしいです。
「自分ちの黒いヤツもけっこうヤるけど、もっと強いヤツおってん。最強やねん」
いや、ちゃうし。
紀州犬、まだおるし。保存会、がんばってはるし。
さつきちゃん、犬とちゃうし。
それに、さつきちゃん、女の子やし。喧嘩せーへん。人間やったらな、茶道とかたしなむタイプやで。
あれは仲間を救うために抜いた竹光やがな。こん棒振り回すヤンキーみたいに言わんといて。
本気出してたら死んどるで、ほんま。
せやけど、普段はおしとやかなんや。知らんの、あんた?

彼女が生きていた事

2023年03月07日 | Weblog
保護活動者から預けられた山犬・にきちちゃん。
イノシシ罠にかかり、人を信じない。
「それはあたりまえだな。人はひどいからな」と、言ったかどうか。うちの犬連と意気投合しました。
たのしげに暮らしたけど、決して外へ出ようとしなかった。
5年間、庭だけで暮らしました。
にきちちゃんは、獣医夫妻に診てもらえたから、5年も生き延びたのだと思います。
注射はむろん、手術もして下さった。
良い獣医医院にたどり着けてよかったです。
特に奥さま。あなたがいなければ、にきちちゃんは生きることさえ叶わなかった。感謝します。
ありがとうございました。

しかし、預かるとは、実質上の責任者になるということです。
特に譲渡が不可能なケースでは、里親になるということです。
許容範囲を超えて活動し、ボランティアも許容範囲を無視して預かる。
某男性に「ずさんな生活だから猫が不幸だ」と指摘されて、何も言い返せなかった。
まさに真実、わたしは不幸でずさんな暮らしをしているのが本当のことだから。
言い返す法便が見つかりませんでした。おっしゃる通りです。
うちの猫もきっと不幸です。
でも、誰かが勝手に決めたルールの下にすべておさまるのが正しいとは、わたしは思っていない。
はみ出しを許さない、絶対的目線はどこから来るのかな。

あなたは神様?

モンちゃん、ちゃんミン

2023年03月06日 | Weblog
20年以上になりますかな。
MARUさんとわたし。
真冬の夜。車中へ、シャムちゃんしろちゃんへ湯たんぽをせっせっと運んでいる時から、
わたしが5ちびやらなんやら拾ってしまった頃から、
いやいや、その以前にたぷん某集いに彼女がいて、わたしが連絡した。
まだ彼女が猫と暮らす環境になかった頃、シャムちゃんしろちゃんを守るのに懸命だった。
知り合ってから、いろいろ人々や猫たちが間に入った。でも関係性は変わらなかった。
5ちび全員を家に迎えると決めたときも、「リトルさんは必ずそうすると思ってました」とMARUさんは笑った。
MARUさんからときおり届く直筆絵はがきに安堵する。
元気でいるのね。
わたしも元気、まぁまぁだけれども。
タケさんとわたし。
MARUさんとわたし。
そして、タケさんとモンちゃんとMARUさん。
MARUさんはモンちゃんとタケさんがつながる橋渡しを務めた。
そこに細くてもつなげようとするリレーがあったから、つづいた道がある。
ほのかに感じる。
見えないもの、口に出せない言葉こそ、美しい。

タケさんからの便り

2023年03月04日 | Weblog
タケさんがヒゲちゃんに温かな眼差しを向けて下さるのは、
「あ、あの子に似てるからだ」と気がついたのはわりとこの頃の事でした。
モンちゃんにおくちのあたりとか、似てます。
ヒゲちゃんが亡くなったこと、どうしても書けなかったのはまさに書けなかったからです。
ヒゲちゃんが亡くなる前後に兄弟(人ノ類)が亡くなり、その後家族を亡くしつづけました。
どうにかこまちゃんと二人、猫ノ類と人ノ類の二匹で暮らしを建て直しました。
つらい日々でした。
ですが、「死を看取れる人間になれ」という言葉を胸に生きています。
逃げないという覚悟は人を変えます。
根性という言葉を実行した気もします。
根性です。
こまちゃんも額に穴が開き膿を吹き出しつつ、自力でまた穴を閉じ、根性踏んばり長生きしました。
見事な精神力でした。
実はこまちゃんが今際の際、志津江さんというノラ猫さんを枕にしていまして。踏んづけていたと表現してもよいでしょう。
その折に「後は託した」とでも申したのでしょうか。
今は志津江さんwith茶丸&藤丸・母娘3catsが張り番を務めておられます。
もう、猫と暮らすつもりはなかったのですが。
押しかけ親子に負けてしまったようです。
送り迎えをしてくれるのが、家族がいるみたいでうれしいです。物の怪家族みたいですけどね。
志津江さん、小柄で奥ゆかしく上品なんですが、「シャーッ」と一声で他の猫を黙らせる威嚇力を持っています。
おとなしく見える人ほど強いということでしょうか。
嫌われるを怖れぬ者は、結果迎え入れられる。
ありのまま、猫のままでおられる志津江さんを観ていると、そういった心持ちになります。
受けとめる度量も必要ですがね、エヘン。…うふっ。

思いがけないあなたからの手紙に、ひさしぶりに笑いました。
硬くなっていた心がゆるく溶け出したみたいです。
黄色のチョコレート、デスクのよく見える場所に飾っています。
暖かくなるまで、春になるまで、そこで見守って下さい。
タケさん、どうもありがとう。
あなたにしか出来ない贈り物、心が届きました。