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ユケスキュルと クリサートの 「生物から見た世界」を読む
年をとると 時の流れが早い
理由のヒントが欲しいと思った
ベタと言う闘魚の実験
白と黒に塗り分けた円盤を回転する
灰色にみえた時に 餌にありつけるようにした
秒速30回転では 近寄らなかった
50回転になった時 餌を求めて近づいた
毎秒50コマで灰色になったようだ
50コマ以内なら白黒を識別できる
カタツムリに橋を渡らせた
1秒に3回の振動までは警戒して渡らなかった
4回以上の振動を橋に与えたら 渡り始めた
つまり 静止していると認識したためだ
4回以上の振動は静止と区別できない
人間は普通毎秒18コマ以上は連続した画像と認識する
つまり 人の一瞬は18分の1秒 それ以下はコマ送りとして見える
ベタの一瞬は50分の1秒
カタツムリの一瞬は 3分の1秒
一瞬の長さはそれぞれ異なる
絶対1秒は1秒だが それぞれにとって感じる長さが異なる
自分にとってカタツムリはのろい
自分の6秒が カタツムリの1秒と同値
カタツムリの時間は自分の6倍の速度で過ぎて行く
カタツムリは カタツムリの感覚では6倍の速度で移動している
多分カタツムリに思考があれば 自分は遅いとは思わないだろう
また ベタから見れば 人間は とても遅く見えるだろう
地球での時間は絶対基準があるが それぞれの生物の持つ時間は相対的である
年をとると 一瞬の認識速度が落ちて行く
生命体であれば経年劣化は当然である
昔 交通事故で死にそうになった時
急に 景色がスローモーションになる
後から考えれば数秒の事が 1分にも感じる
ブレーキ操作 ハンドル操作 奇妙に落ち着いて対処している
100kmから衝突して停止するまで
横からぶつかる車の車種や ドライバーの顔
後部にぶつかり 車体が回転し始め 是はまずいと カウンターを当て
車輪をロックさせないように ポンピングブレーキを
時間が元に戻ったのは
横断歩道橋の柱の1m手前で停止した時だった
事故にあった時 一瞬でわけがわからない人と スローモーションになる人と二通りいる
同僚は わけがわからなかったと言う
自分の知り合いはほとんどスローモーションだ
バイクで90kmでトラックに接触して 脇の土手に吹っ飛ばされた奴
ジープで坂道でカーブを曲がり切れず 田んぼに飛び込み 田んぼのトーテムポールになった奴
是は動物的感覚なのだろうか
原始的な人間と 進化した人間
自分は進化しきれていないのでこの様な感覚が残っているのだろう
昔 喧嘩した時 相手の動きがスローモーションになる時があった
拳がゆっくりで 余裕でよける事が出来た
でも これは 自分が危険な状態になった時しかならない
年をとると言う事は
カタツムリになって行くと言う事かな
本人は何時もの通りに動いているつもりでも
カタツムリになっている
昔は1年が10年に感じたが
今は10年が1年に感じる
今夜は
ワンプレート
朝の残りご飯の人参玉ねぎのピラフとハンバーグ
スローモーションにならない日々がいい
最近 家に着いて 鍵を開けて
なんかいいなと思うようになった
自宅が安らぐなんて
初めての経験かも知れない