tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

slowly -32

2018-03-13 00:39:53 | slowly

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まただと苦笑いしかない・・・湯の中でも膝に乗せられた自分だった。
椎堂の顔を掴み 目を会わせようとして気づいた・・・赤い水玉でも作ったような痕が自分の腕に出来上がっていたのだ。

体が温まるとソレはうっすらと消えた気もしたが、即座に彼が腕を湯の中に落とした事で分からなくなった。
『(笑)布団に戻るぞ』
『 ・・・』
『朝飯パスしていいか?』

なんだか分からないが頷くルナに苦笑いをして湯から出すとバスタオルをかけた。
自分用にも取ると彼女を促しながら中へと入り、丁寧に全部を閉めきって布団に潜り込んだ椎堂だった事に驚いた。

今度は何をしたのかと考える・・・自分と同じように面倒は手にしないのに、丁寧に遮断する行為・・・水の入ったボトル・・・それは椎堂も飲み込んでいた。

喉の渇きを潤す・・・
敷かれた布団のある部屋は、他の場所より高く襖で囲われる作りになっていた。
腰かける容易さに笑みながら水を飲み込んだ。

まただと苦笑いする・・・ボトルのキャップをしながら考えていたが、背から抱き込み自分を中へ引く・・・そして襖は綺麗に閉められていく・・・。

自分を抱き込む彼を眺める・・・それでも心地いい布団の温かさは、物凄い睡魔と共に自分を襲う・・・気付きも早い彼が笑み、それを塞き止め邪魔をする・・・
やっと芽生えた睡魔が目の前にあると気付け嬉しくて目をとじた。

全部を連れ出せと、力を抜いていく・・・ふわりと身が軽くなる・・・睡魔に抱かれ包まれた・・・そんな心地好さがルナを覆った。

はぁっ・・・
息苦しさのような気がして唸る・・・自分の置かれた現実に引き戻された・・・
高鳴る心臓の音はリズムよく響き出す・・・吸い付かれたような張り付きの気がして、思わず逃げたが浸り続け蠢く何かがジワジワとルナを責め込んでいた。
フッと緩む吐息・・・その間に両手で彼の顔を掴み目を合わせた。


『照明の明るさじゃないのよね(笑)これ』
『 ・・・』
『眠って(笑)』
捕まれた頬の手に添えて笑み返す椎堂だった。

『全部に中途半端な会話で止まってるのは知ってた?』
『逃げたい話もあった(笑)』
『全部を話す時間が無くなりそうだけど・・・』
『な(笑)。爆睡したから暇すぎた・・・』

抜かりなく呟く椎堂は、離さなかった足首にある手を眺め支えてキスを落としていった。

添いながら巡らせていく彼に苦笑いしかない・・・目を閉じて試す・・・寝れそうな自分に笑うしかない・・・今なら大丈夫かと睡魔を手繰り寄せルナは眠り始めたのだった。


思い切り寝たからか全身がすっきりした自分に嬉しくなった。
湯が流れ落ちる音が近いと覗けばルナもいた事に笑み、自分の服を脱ぎ捨てて露天風呂に向かった。

寝ているのかは気にならず全身へ熱さは一気に込み上げ始めた。
疼く身は止められなかった・・・一息の間は視線を外すが、少しの音さえ気になりルナが欲しくなった。

拒否もない・・・疲れは分かるが昂りは止められずルナを感じながら求めた。
空が白み始めた事で、この先を拒否されそうな気もしてきた自分に苦笑いだ・・・

何より奥底から足りないとルナを求め離したくない感情は途切れることなく沸き出ている気がして止められなかった。

何を言っても自分だけにと触れる・・・ルナからも求める事は知るのに、何故か今日は足りなさを感じルナに浸りたくて仕方なかった。

抱き込まれルナへ張りついても、微かな物足りなさが自分に起こる・・・堪能するように焦らしに似た動きで少しずつ味わうような状態でも・・・満たされないと思えてしまった。

だから丁寧に時間を忘れさせ、深く浸り より奥底へ連れ出した。
自分だけのはずが、返る疼きは余計に昂り心地好さを味わった。

小さな囁きは自分の名だけ・・・自分が熱く燃えていく・・・ほんのりした場所から少しずつ熱く変えていく気もした。

一つ一つが奥底から呼び起こすからか、深く沈むたびに長く浸れる事も嬉しかった。


今は腕の中にいる・・・飛び出ていく気もないルナのようでも出るなと祈った。
声にしていないのに、気づくのか微かに笑み返す気もした・・・

ルナの笑みは自分を温める・・・足りないと思えた時は離さずに引き寄せてもくれる。

それを知るのに今回はダメだった事に自分自身で知った・・・激しく昂ったのに奥底は足りないとルナへ向かう・・・それも無意識に・・・何故という理由さえ考えるのも億劫で彼女とひたすら浸るだけに求めた。

十分に応え耐えて自分を待った・・・分かるのに次は待てずに先にいく・・・その間に自分に触れる・・・自分を抱くように包む気もして嬉しくなった。

自分だけに来るルナと声にも出来るのに自分の中は違うのかという思いは苦笑いしかない。

彼女の言葉で確かにと思えたが、今は嫌だと無へ落とせと抱いた。
荒い吐息は互いで吐き出す・・・それでも温泉の湯が流れ込む音しか聞こえていない気がした。

ふと首もとが温まりだした・・・彼女の手が寄り添うように触れて止まったのだ。
それだけで自分も穏やかになり、奥底からホッとし始めた。


笑みさえ浮かべ自分を感じる・・・手枕を小さくしたルナの反対の手は自分に触れていた・・・凭れ優しい笑みで見つめる椎堂もまた睡魔が包み・・・二人は眠りへ吸い込まれていった。



爆睡・・・その域から脱け出していないように思えた。
予定していた連絡の時間は過ぎ、椎堂の携帯へかけて確認もしたが返事はない・・・

恐る恐る入り込む・・・開けられた形跡はなく、全部を休ませられた事にホッとした長谷部だった。
緊張はする・・・時間さえ構わずにルナとの時間を温める彼と知るからだ。


溺れ始めた気もして幸野へ連絡をする事も増えた・・・確かに彼がいうように執着という言葉が交ざれば追って手にする椎堂は分かる。
一人の女へ向ける感情は、ルナと会うまでは無かった気もした。

その場限り・・・その瞬間の椎堂が連れ出す・・・それで終わりだった・・・より近くへ留め置く女は作らなかった。

今は、危険は容易く逃れ予測も細かくし観察させておく・・・その間にルナの場所へ向かうようになっていた。

惚れ込む・・・椎堂がと思うが、惚れるという言葉が正しいのかさえ疑問に思ってしまう。
単にルナとの体の相性がよく、始めの頃は抱きに・・・探しに来ているだけの気もしていた。

少しずつ他へ目も向けなくなった椎堂だったが、比べる為に別へ伸びる事はあった。
それが最近はない・・・途中で戻ると連絡は入り迎えに行けば女が泣いてすがる姿があり驚く事もあった。

岡崎は迷わず遠慮なく聞く・・・足りねぇと平気で呟く椎堂の照れた笑みで終わる。
だからか岡崎や、その下に抱かせ置いてくる事もあった・・・ルナ以外で落とす事は無くなった椎堂・・・手で触れ確認している気もしてきた。

今回も変わらずに眺め、静かに待つ・・・ライバル視している白井という男に会うと、細かくルナの様子を探る・・・確認しホッとして迎えに出る。


部屋へ入り食べ始めた事にホッとした長谷部だった・・・寝かせる為に飲ませるルナにも感謝した。

寝室へ椎堂を運ぶ・・・本格的に寝込んだ状態に気づき、酒の力でも休めて良かったとホッとした。

だから今かと、そっと奥へ入る長谷部だった・・・閉ざされた状態に苦笑いだ・・・。
一人、本当に寝に入る椎堂の行動は幸野から聞いていたが今迄は一度もなかった。

だから寝入った頃に扉を閉めに長谷部は入りこんでいたが一番奥の襖が閉じられていた状態を確認すると静かに戻る長谷部だった。

予定をキャンセルした・・・連絡をしておき彼は部下へ呟く。
『直ぐに連絡が取れる状態にはしておく事(笑)、それまで遊べ』

楽し気に離れていく部下の姿に笑み、次へと長谷部は一人用を済ませる事にした。



携帯を確認すると椎堂は笑みながら彼女を抱き込んだ。
肌に触れた状態には苦笑いだが、電源さえ切ってあるルナの携帯に笑って自分へ寄せた。

寝ろと促すのかと笑う・・・ゆっくりした動きはヤバいと自分で首もとへ運び寄り添うように凭れたルナに笑み眠りへ自分を落としたのだった。


今迄にない張り付きに仕方ないと諦めた自分に笑った。
いいかとも思え 彼との温かさは、本当に心地いいのだと・・・自分の今も必要だとも思えた事に理由を考える・・・それでも激しい睡魔は襲い込む・・・起きたら考えようと、彼女もまた誘われていった。