ボスが退院すると、家では社員達が待っていて 庭に出されたテーブルにはデリバリーで頼んだ物や飲み物の準備をし、持ってきた皆が並べ始めた。
それは長い間・・・皆が待っていた事でもあったので、一段落が出来たと喜んだ。
退院祝いは表向きで大宴会となった。
眺め見るフユキが微笑んだ。
楽しそうに笑うボスや社員に安堵し、会社を回してくれている彼に笑み酒を進めた。
ハルキを囲み楽しそうに食べている彼らを眺める。
ボスが隣に座り並ぶとフユキを見つめ笑み手を握った。
「フユキは頑張った(笑)。とりあえず終了だ・・・恐らくとしか言えんがな。
フユキだけ(笑)を見る奴と前へ進め。エル達なら大丈夫だ、フユキを見て成長したんだ・・・曲がりはない(笑)安心しなさい」
「あの後ろの工事はなに?」
「(笑)部屋を増やした、ハルヒの家族を住まわす為にな。終われば改築しお前らもだ・・・」
フユキはボスをみた・・・
「驚くな(笑) エル達はまだ出れん、巣立つまで後少しだが見張りはいるだろ・・・。
フユキが住んで見張るしかない(笑)ならば奴が住むしかないだろう?
ハルキは既にココに慣れて引っ越しは しないはず(笑)」
「だから・・・(笑)」
「新たに作らねばワシの部屋も無くなってしまう(笑)暫くは我慢せい・・・」
笑みながらボスに抱きつき、ボスの肩に顔をのせる。
「ありがとね・・・」
「フユキには・・・してやれる事が少なすぎる(笑)少しはワシの為に残せ・・・。店は続けてるだろ?」
「彼らは学生だし・・・周りの学園長達が辞めるなと(笑)言われたわ・・・なぜか増えたし・・・。
危険はあったけど、警察に見回りを頼んだからって。(笑)ボスが手を回したんでしょ・・・」
体を揺らし笑うボスに笑む。
「役立てる店なら、利用して貰えばいい(笑) 。それで学校にも行かせる事が出来るんだからな」
頷くフユキを優しく撫でた。
ハルキがボスに よじ登り二人を抱き締めた。
「悲しい? 大丈夫だよ、僕がいるからね・・・(笑)もうちょっと待っててね、おっきくなるから・・・。
そしたら、お店も手伝えるし(笑)ふーちゃんと結婚出来るよ」
二人はハルキを見つめ、ハルをみた・・・。
笑うボスはハルキを抱きしめた。
「ん(笑)お前にフユキを任す」
「任せといて(笑)」
そう言ってジウ達の所へ戻っていった。
隣に座るハルは呟く。
「シキのライバル出現だわ(笑)」
楽しい時間は流れていった。
隣の店舗が改装を始め、客が危なくならないように仕切りを作る。
「フユ・・・隣に何が入る?」
「さぁ・・・聞いてない」
「1週間後にオープンって聞いたよ(笑)」
言った客は笑み彼らを眺めた
「服屋さんって聞きましたよ(笑)。可愛い服を置くから来てねって、お店の人が(笑)」
「言ってた(笑)」
「ねー楽しみ(笑)」
ケーキを頬張りながら、嬉しそうに言った。
店内が落ち着き、手があく彼らは学生に教えながら休憩していた。
『久しぶりぃ~(笑)』
一人の派手な男が店に入ってきた。
『私よぉ(笑)ユキちゃんいるぅ?。中かな・・・』
と言いながら勝手に奥へ入ってしまった。
「お客さーん!駄目だよ(怒)」
カウンターまで出した彼を見てジウが言った。
『ユキちゃんは?』
『出てますけど・・・』
ムスッっと言うジウに笑み返した。
『じゃ待つからラテ一つ(笑)』
と支払いを済ませ席に座る。
「誰だった?」
ジニが聞くが皆は首をかしげ彼を眺めた。
「あんな奴が知り合いか?」
黙って飲む姿は、イケメンの男で・・・
会話の聞いていない学生は目を輝かせ見つめていた。
「モデルさんですか?」
客が聞いたが、ただ苦笑いする彼らに肩をすくめた。
「ノン?」
店に戻ったフユキが声をかけると、立ち上がった彼は黙ってフユキを抱きしめた。
『消えないでよ・・・凄く寂しかったんだから』
フユキより少し背が高いが、体をまるめ泣く彼に微笑んだ。
『ナツに聞いた?(笑)』
『ん・・・』
涙を拭きながら、ラテを飲み頷いた。
「元気そうで良かった(笑)。エル、同じのちょうだい・・・」
「あっ!ハインだ!」
エルが叫んだ。
「今頃気づいたし・・・(怒)」
「綺麗になったよ(笑)」
「ありがと(笑)頑張ったし。そばに居たかったからね・・・」
「・・・・隣か(笑)」
「あたり(笑)女の子メインのよ。ジンさんに頼んで、共同経営にしたの(笑)
店長はサキちゃんに頼んだ。向こうとは違うコンセプトだから私は忙しいしね。しっかり来るわよ(笑) 」
「店を出す気になったか(笑)」
「怖かったから・・・
でも(笑)頑張った、ユキに会えなくて死にそうだったけど、会えるまで頑張れたら出せると思って・・・」
「ノンさん・・・ギャップが激しくて女の子が驚いてる・・・」
「やーね女よ!(怒)。ねぇなんで英語だけよ・・・面倒くさいわ」
「・・・(笑)楽しいから」
またフユキを抱き締めて呟く。
「明日オープンだから来てね。ついでにディスプレイしにも」
「ノンがやりな(笑)可愛い服をたくさんね・・・」
何度も頷くと帰っていった。
当日に・・・・
いつもより混みあう店内に驚いたハルは、フユキを手伝い忙しなく動いた。ケーキをケースに並べ一段落する。
「ジウ、学校は?」
「あと少しで出るよ(笑)」
「ジェインは?」
「俺は午後に一つ(笑)。エルと入れ替わる・・・大丈夫だよ」
「隣の反響凄いね(笑)」
「学生の着れる服屋は少なかったらしいから(笑)」
「へぇ~」
ノンが駆け込んできて、にやけ顔をするとフユキを連れていった。
「あーらら(笑)やっぱりねぇ」
ハルが呟く。
「なんで連れてった?」
「マネキンで利用して、接客させる気だわ(笑)」
「アレを着るの?」
「てか・・・フユなら逃げるさ」
声を出して笑うハルを眺め見合う
「ノンの頼みだから着て出るわよ。お初だね・・・楽しみだわ」
店先に出て、隣を眺め始めたハル達・・・・
暫くするとハルの言う通り、服を着込み客に選んでいるフユキに驚いた。
「女だ・・・」
「レースのスカートを履いてるぞ・・・」
「でもフユっぽい(笑)可愛くて・・・アレなら学生じゃなくても着れるし。狙ったな(笑)ほら・・・」
ハルの視線の先を見ると、通る女性客は足を止めて眺め、店内へ吸い込まれていった。
店先にまで服は並び、選び聞いている女性客に対応していたフユキを見つめ微笑んだハルだった。
ジウとジェインは驚き見つめ動けなかった。
「ジウ!学校~(笑)」
フユキに叫ばれて急ぎ出て行く姿に笑う。
トウキ達が来て、立ち止まり眺めていた。
その姿に笑み、ハルはジェインと店へ戻っていった。
フユキは接客し客と会話をしていると、ノンが後ろから抱きつき肩越しに客と話をする・・・
『シキ(笑)アレは許せるんだな』
トウキが呟くと苦笑いした。
ノンは気づき手をふる・・・すると、そっとフユキを押し出した。
笑みノンをみやるフユキは、シキのそばへいった。
『人気が出そうね・・・』
『学生メインにしてたのに(笑)』
『それは勿体ない(笑)』
『だよな・・・』
と言いつつフユキを眺めみた。
シキが抱きつき微笑んだ。
『奴は良くて俺は駄目なんだ』
笑うトウキはハルの店へ向かう。
カフェの店先でトウキが振り向き二人を見つめていた。
『いつものフユの顔だ(笑)』
エルが来て呟いた。
『アレを守りたかったんだろ』
『へへっ・・・』
笑うエルはジェインと交代した。
『中身もアレに近いと有難い』
ジェインは呟き店を出ていった。
笑むトウキの隣にハルが立つと、肩を抱き二人をまた眺めた。
『ハルさん(笑)旦那様ですか?』
小さく頷くハルに客は
『素敵な人には素敵な人が来るんですね。ユキさんの人も格好いいし(笑)店員さんも素敵・・・』
『貴女もなれるわよ(笑) 今はお勉強頑張って・・・』
『近くテストがあって・・・(笑)聞きに来たんです。今日はボムさん来ますか? 一番分かり易く教えてくれるんです(笑)』
『えっとね・・・夕方かな(笑)』
『自習だ(笑)』
「頑張って」
「はーい」
彼女は笑み、席に戻っていった。
「カフェもだが、服も好きだな」
「ノンの作る服が好き(笑)生地から選び出す腕がいいから」
「(笑)珈琲くれ・・・」
「毎度(笑)」
呟く彼女と笑みながらカフェへ戻っていった。
夕方からは彼らが揃い店内は賑わう。
カウンターから五人を眺め見つめているフユキの隣にハルが立つ。
互いに見合い微笑んだ二人・・・その姿に笑む五人もまた、笑み返したのだった。
-end-
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