tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ないと 14 -end-

2016-06-25 07:57:34 | 50on ないと

ボスが退院すると、家では社員達が待っていて 庭に出されたテーブルにはデリバリーで頼んだ物や飲み物の準備をし、持ってきた皆が並べ始めた。

それは長い間・・・皆が待っていた事でもあったので、一段落が出来たと喜んだ。
退院祝いは表向きで大宴会となった。

眺め見るフユキが微笑んだ。
楽しそうに笑うボスや社員に安堵し、会社を回してくれている彼に笑み酒を進めた。

ハルキを囲み楽しそうに食べている彼らを眺める。
ボスが隣に座り並ぶとフユキを見つめ笑み手を握った。

「フユキは頑張った(笑)。とりあえず終了だ・・・恐らくとしか言えんがな。
フユキだけ(笑)を見る奴と前へ進め。エル達なら大丈夫だ、フユキを見て成長したんだ・・・曲がりはない(笑)安心しなさい」

「あの後ろの工事はなに?」
「(笑)部屋を増やした、ハルヒの家族を住まわす為にな。終われば改築しお前らもだ・・・」
フユキはボスをみた・・・

「驚くな(笑) エル達はまだ出れん、巣立つまで後少しだが見張りはいるだろ・・・。
フユキが住んで見張るしかない(笑)ならば奴が住むしかないだろう?
ハルキは既にココに慣れて引っ越しは しないはず(笑)」

「だから・・・(笑)」
「新たに作らねばワシの部屋も無くなってしまう(笑)暫くは我慢せい・・・」
笑みながらボスに抱きつき、ボスの肩に顔をのせる。
「ありがとね・・・」
「フユキには・・・してやれる事が少なすぎる(笑)少しはワシの為に残せ・・・。店は続けてるだろ?」

「彼らは学生だし・・・周りの学園長達が辞めるなと(笑)言われたわ・・・なぜか増えたし・・・。
危険はあったけど、警察に見回りを頼んだからって。(笑)ボスが手を回したんでしょ・・・」

体を揺らし笑うボスに笑む。
「役立てる店なら、利用して貰えばいい(笑) 。それで学校にも行かせる事が出来るんだからな」
頷くフユキを優しく撫でた。


ハルキがボスに よじ登り二人を抱き締めた。
「悲しい? 大丈夫だよ、僕がいるからね・・・(笑)もうちょっと待っててね、おっきくなるから・・・。
そしたら、お店も手伝えるし(笑)ふーちゃんと結婚出来るよ」
二人はハルキを見つめ、ハルをみた・・・。
笑うボスはハルキを抱きしめた。

「ん(笑)お前にフユキを任す」
「任せといて(笑)」
そう言ってジウ達の所へ戻っていった。
隣に座るハルは呟く。
「シキのライバル出現だわ(笑)」
楽しい時間は流れていった。




隣の店舗が改装を始め、客が危なくならないように仕切りを作る。
「フユ・・・隣に何が入る?」
「さぁ・・・聞いてない」
「1週間後にオープンって聞いたよ(笑)」
言った客は笑み彼らを眺めた

「服屋さんって聞きましたよ(笑)。可愛い服を置くから来てねって、お店の人が(笑)」
「言ってた(笑)」
「ねー楽しみ(笑)」
ケーキを頬張りながら、嬉しそうに言った。


店内が落ち着き、手があく彼らは学生に教えながら休憩していた。

『久しぶりぃ~(笑)』
一人の派手な男が店に入ってきた。
『私よぉ(笑)ユキちゃんいるぅ?。中かな・・・』
と言いながら勝手に奥へ入ってしまった。

「お客さーん!駄目だよ(怒)」
カウンターまで出した彼を見てジウが言った。
『ユキちゃんは?』
『出てますけど・・・』
ムスッっと言うジウに笑み返した。
『じゃ待つからラテ一つ(笑)』
と支払いを済ませ席に座る。

「誰だった?」
ジニが聞くが皆は首をかしげ彼を眺めた。
「あんな奴が知り合いか?」
黙って飲む姿は、イケメンの男で・・・
会話の聞いていない学生は目を輝かせ見つめていた。

「モデルさんですか?」
客が聞いたが、ただ苦笑いする彼らに肩をすくめた。



「ノン?」
店に戻ったフユキが声をかけると、立ち上がった彼は黙ってフユキを抱きしめた。
『消えないでよ・・・凄く寂しかったんだから』
フユキより少し背が高いが、体をまるめ泣く彼に微笑んだ。

『ナツに聞いた?(笑)』
『ん・・・』
涙を拭きながら、ラテを飲み頷いた。
「元気そうで良かった(笑)。エル、同じのちょうだい・・・」
「あっ!ハインだ!」
エルが叫んだ。

「今頃気づいたし・・・(怒)」
「綺麗になったよ(笑)」
「ありがと(笑)頑張ったし。そばに居たかったからね・・・」
「・・・・隣か(笑)」

「あたり(笑)女の子メインのよ。ジンさんに頼んで、共同経営にしたの(笑)
店長はサキちゃんに頼んだ。向こうとは違うコンセプトだから私は忙しいしね。しっかり来るわよ(笑) 」

「店を出す気になったか(笑)」
「怖かったから・・・
でも(笑)頑張った、ユキに会えなくて死にそうだったけど、会えるまで頑張れたら出せると思って・・・」

「ノンさん・・・ギャップが激しくて女の子が驚いてる・・・」
「やーね女よ!(怒)。ねぇなんで英語だけよ・・・面倒くさいわ」
「・・・(笑)楽しいから」

またフユキを抱き締めて呟く。
「明日オープンだから来てね。ついでにディスプレイしにも」
「ノンがやりな(笑)可愛い服をたくさんね・・・」
何度も頷くと帰っていった。



当日に・・・・
いつもより混みあう店内に驚いたハルは、フユキを手伝い忙しなく動いた。ケーキをケースに並べ一段落する。

「ジウ、学校は?」
「あと少しで出るよ(笑)」
「ジェインは?」
「俺は午後に一つ(笑)。エルと入れ替わる・・・大丈夫だよ」

「隣の反響凄いね(笑)」
「学生の着れる服屋は少なかったらしいから(笑)」
「へぇ~」
ノンが駆け込んできて、にやけ顔をするとフユキを連れていった。

「あーらら(笑)やっぱりねぇ」
ハルが呟く。
「なんで連れてった?」
「マネキンで利用して、接客させる気だわ(笑)」
「アレを着るの?」
「てか・・・フユなら逃げるさ」
声を出して笑うハルを眺め見合う

「ノンの頼みだから着て出るわよ。お初だね・・・楽しみだわ」

店先に出て、隣を眺め始めたハル達・・・・
暫くするとハルの言う通り、服を着込み客に選んでいるフユキに驚いた。

「女だ・・・」
「レースのスカートを履いてるぞ・・・」
「でもフユっぽい(笑)可愛くて・・・アレなら学生じゃなくても着れるし。狙ったな(笑)ほら・・・」
ハルの視線の先を見ると、通る女性客は足を止めて眺め、店内へ吸い込まれていった。

店先にまで服は並び、選び聞いている女性客に対応していたフユキを見つめ微笑んだハルだった。

ジウとジェインは驚き見つめ動けなかった。
「ジウ!学校~(笑)」
フユキに叫ばれて急ぎ出て行く姿に笑う。


トウキ達が来て、立ち止まり眺めていた。
その姿に笑み、ハルはジェインと店へ戻っていった。

フユキは接客し客と会話をしていると、ノンが後ろから抱きつき肩越しに客と話をする・・・

『シキ(笑)アレは許せるんだな』
トウキが呟くと苦笑いした。

ノンは気づき手をふる・・・すると、そっとフユキを押し出した。
笑みノンをみやるフユキは、シキのそばへいった。

『人気が出そうね・・・』
『学生メインにしてたのに(笑)』
『それは勿体ない(笑)』
『だよな・・・』
と言いつつフユキを眺めみた。

シキが抱きつき微笑んだ。
『奴は良くて俺は駄目なんだ』
笑うトウキはハルの店へ向かう。

カフェの店先でトウキが振り向き二人を見つめていた。
『いつものフユの顔だ(笑)』
エルが来て呟いた。
『アレを守りたかったんだろ』
『へへっ・・・』
笑うエルはジェインと交代した。
『中身もアレに近いと有難い』
ジェインは呟き店を出ていった。

笑むトウキの隣にハルが立つと、肩を抱き二人をまた眺めた。


『ハルさん(笑)旦那様ですか?』
小さく頷くハルに客は
『素敵な人には素敵な人が来るんですね。ユキさんの人も格好いいし(笑)店員さんも素敵・・・』
『貴女もなれるわよ(笑) 今はお勉強頑張って・・・』

『近くテストがあって・・・(笑)聞きに来たんです。今日はボムさん来ますか? 一番分かり易く教えてくれるんです(笑)』
『えっとね・・・夕方かな(笑)』
『自習だ(笑)』
「頑張って」
「はーい」
彼女は笑み、席に戻っていった。


「カフェもだが、服も好きだな」
「ノンの作る服が好き(笑)生地から選び出す腕がいいから」
「(笑)珈琲くれ・・・」
「毎度(笑)」
呟く彼女と笑みながらカフェへ戻っていった。



夕方からは彼らが揃い店内は賑わう。
カウンターから五人を眺め見つめているフユキの隣にハルが立つ。

互いに見合い微笑んだ二人・・・その姿に笑む五人もまた、笑み返したのだった。


-end-



読んで頂き、ありがとうございました。

次! 「に」 へ 参ります!

ないと 13

2016-06-23 08:02:27 | 50on ないと

客が少なくなると、外の席を片づけるジウ・・・・ソレを合図に手際よく皆も片づけ始めた。
中から出てきたフユキは端の学生に声をかけた。

「ごめんね・・・急用で閉めるの、また来てくれない?」
そう言いながら数種のケーキを詰めた箱を一人ずつ渡した。
残念そうに出ていく学生を見送ると、店先に出て離れた場所を眺めた。

ふいに、物陰から数人の男達が出てきた事で身構えた。

『警察は呼びました・・・出ないで下さいよ・・・・』
店内にいた人達にジニが言うと、エルやジェインが店を閉めきった。
よく見ると彼らだけ黒いマスクをしていた姿に驚き見つめた。

数が増えてきたが難なく倒し、押さえた男達を後ろ手にして縛り上げていった。


『もぅ諦めて・・・』
『やっと見つけたのに諦めろと? 会いに来て何が悪い・・・少し話そう・・・・』
『こんなに集めて・・・巻き込まないでよ。犯罪者は捕まるのよ・・・』
手下を交わしながら追い詰める。

拳銃を向けられても怯まない彼女に男は驚いた。
その銃口は、ゆっくりとジウに向かうと、フユキは遮り塞いだ。

『殺すの? 苦しめてきて・・・・・まだ踏み足りないの?』
『認めないからだろう・・・』
『犯罪者と知ったら苦しむから、言わなかっただけよ・・・。
母親への仕打ちを知ってるから余計に言えない。彼を安心させて』
男を守る一人が襲いかかってきてフユキは、回し蹴りし相手を飛ばした。
少し離れ伺っていたジウは、倒れた男を急いで縛った。


『後ろにいなさい!』
『フユ・・・』
『いなさい・・・』
口調を強め弟達を離れさせ 男一人になると、呆然とした時に隙を狙い 彼女は拳銃を蹴り飛ばした。

男は悲し気な目で、痛む手を押さえ二人を眺めていた。

足音が近づく・・・・男の顔は苦笑いをすると、音のする方へ目だけを向ける・・・・走ってきたボスは、二人の前に出て男を眺めた。
彼女達には、どんな顔か見る事は出来なかった・・・・

『もうおしまいにしよう。既に解体された、過去を捨てさせてやろう・・・』
『兄貴だけが いい思いをするんだな・・・』
苦虫を潰したような顔だった・・・・

『違う・・・・よく見るんだ。お前の過ちを。
お前の過ちで子供達は苦しんでる・・・幸せを捨て去って生きてるんだぞ・・・普通の学生じゃない。
お前の代わりに罰を受けているように過ごしてる・・・』

パトカーの音が近づいてくる・・・・
「中に入って・・・関係ない事に。早く行きなさい(怒)」
店に五人を押し入れて、彼女が出ていく。
何かを言いたげな彼らに、黙れと威圧し・・・巻き込まれないようにと入り口に手をあてながら 出ようとした弟達を静止させた。


『出るな!』
シキは彼らをひき止めた。
何でと言いたげな彼らは、シキを眺めると目は外へ向けていた事に気づいた。
誰もが心配な顔で・・・・不安を抑えていたようにみえたのだ。

不安を我慢して互いをみやると、そっとフユキが向かった方を眺めた。


サイレンは近場で停まり、あっという間に厳つい人達でうまり制服警官も あちこちへと走り回っていた。

直ぐに、店先には数多くの警官や刑事らが押し寄せ 見えなくなった。

銃声がした・・・・その乾いた音は、皆の不安を煽るように響いた・・・
取り囲む刑事達の多さに外は見えず不安をよぎった。

店のドアが勢いよく開き刑事らしき男が数人で入り込んできた。
『大丈夫でしたか?出なくて良かった・・・君たちも・・・』
『怪我はありませんか?』
『店長さんは人質にされたようだが、男性が助けてくれてたみたいだ。まだ出ないでね』

『あの・・・凄い音が・・・』
『あぁ・・・銃を所持していてね、危ないから出ないでね』
『絶対に、店内から出ないで』
出ていく刑事は指示をだし、店先に三人の警官がたち警護する。

バタバタする中で、フユキらがいた場所にシートをはり囲ってしまった。
『あの・・・』
怖さが増し思わずエルがドアの外に居た警官に声をかけた。

『子供はまだ出るな・・・』
『すみません・・・・あのっ! て、店長は無事ですか?あの男の人は?』
『お客様でしたか?』
聞いたのが子供と知ると、警官の目は大人達へと向けられた。
聞かれたシキが頷く・・・・

『災難でしたね・・・。犯人のお兄さんらしいです。出頭させようと説得していて、ココの女性を人質にしたらしい。
手下らは、彼のSPが退治したようです。怪我をしたので今は治療中と聞いてます。ご安心下さい。

安全確認がすめば出れます・・・暫く中で・・・』
待てと戸を閉められてしまった。

姿が見えないので、安心出来ずひたすら待った。


店の前を刑事に案内され、走っていくハルが立ち止まり、警官に言い子供を預けて また走っていった。
戸をあけた警官が
『あの・・・女性が従業員の方に見て貰うようにと・・・』

そっと店内へと促した警官・・・
「ジニ君(笑)」
不安そうな顔の子供・・・・自分の知る人達に安堵したのか、両手を伸ばしたので彼は抱いて警官に礼を言った。

「お巡りさん いっぱいだね(笑)ふーちゃんと爺のお迎えに来たんだよ(笑) 今日は外で食べるんだって・・・」
「ケーキ食うか?」
話題を替えて店外から視線を外し、少し離れた場所で声をかけた。

「いちご(笑) ある?」
「アレしかない(笑)」
ケースを眺めさせ呟きながら見せた・・・
「ワッフルいいけど、ふーちゃんいない?
あっ(笑)お迎えって言ってたんだった・・・・」
「そうだ、店にいない・・・・」
「分かった(笑)ソレにする」

待つ間に皆を眺めていた。
「ママのお友達だねぇ(笑)」
それぞれにジッと見つめ笑みを浮かべながら見回していった。

「なんで知ってる?」
「(笑) 皆の写真の裏に入ってたの見ちゃった。ソレを見つかった時に教えてくれたの(笑)
だから内緒で見ようねって・・・」
「どこにある?」
「内緒って(笑) ふーちゃんが泣くから、お洋服の下に置くって(笑)
戸を開けると見れるんだよ」

運ばれたケーキに笑み、足をブラブラさせて食べていた。
「名前は?」
目線を合わせトウキは話す。

「ハルキ(笑)、ママのと少し似てるの。優しいトウキ君だね(笑)」
「なんで名前を?」
「ん・・・・ママに内緒って、ふーちゃんが写真で教えてくれたの。

えっとねぇ・・・・・別の日に教えてくれたんだ(笑)
ナッちゃんとオズ君、アキちゃんとカズサ君、トウキ君とシキ・・・ジン君と・・・・サキちゃん(笑)、あと・・・誰だったかな」
居る人達を指さし・・・んーと唸りながらも自分の顎に人指し指をあてて考え、呟くハルキだった。

「(笑)なんでシキは君がない?」
「あれー? なんでぇ?
ふーちゃん言わなかったよ?」
不思議そうに呟き、理由を考え込むハルキが呟いた。

「へぇ・・・」
呟くトウキが振り向いた。苦笑いするシキを眺めながら・・・
「シキは弟?」
ハルキが聞き返し、ジウが声に出して笑い出した。

なぜ笑うか分からないハルキに大人達が微笑んだ。
和む彼らの姿・・・それを大人達はより微笑んだのだった。



ハルキがドアに走り出した。
「(笑)ママ!」
ハルは、腰をおろしハルキに耳打ちすると、笑み頷くハルを見つめた。
「ほんと!」
と振り返るとトウキの前に立ち笑みを浮かべた・・・・

「抱っこ・・・」
嬉しいという顔のハルキが両手を出した。
抱き上げたトウキにしがみつき、逃げないようにか・・・ギュッと手を強めた。
「お仕事長すぎるよぉ・・・」
そう呟くハルキが泣き出した。
「ごめんな・・・会えて嬉しいぞ・・・・」
彼が言いながら抱き締めた。

『ハル・・・』
やっと会えたと、アキとナツが抱きついて涙する。
「大人は泣いちゃ駄目!」
見ていたハルキがハルに言った。

「けち!」
「ふーちゃんが言ったもん・・・」
べそをかきながらも呟くハルキだった・・・

『ユキは?』
『聴取って刑事と行ったわ。ボスを撃った弾が貫通してユキに当たったみたい。
応急したし大丈夫って、置いてかれちゃっちゃったけど・・・・』
息を深くはき椅子に座りこんだシキに、悲しく笑み見つめた。


『とりあえず、家に戻ってろって・・・・だから店を出よう(笑)
ジェイン(笑)作った物は、詰め込んで持ち帰れって(笑)伝言よ』
「食えないよ・・・こんなに・・・」

「誰かにあげれば(笑)」
「あー(笑)サークルの奴らに持ってけ・・・って事だろ」
「あー(笑)だからジェインか・・・」
「手伝え(笑)」
だから一人でと言われる気がしたので、抜かりなく言ったジェイン。

「皆で帰ろ(笑)外はいいから、お家で食べよ・・・」
ハルキに笑み頷く皆に、喜んでジニ達を手伝おうとしてハルキの手が止められた。

「小さくても出来るぞ(怒)」
理由を知った気がしたハルキが呟いた。
「じゃ後で頼む・・・」
「仕事は増やしてない(怒)」
抱えられトウキに渡すジウは、急いで片づけるのだった。




病室の前に立ち、入るのを躊躇う二人は意を決して中へ入った。
寝ている二人を見て佇んだ。

「やっと来たか。見捨てたかと思った(笑)・・・・この子達は、わしを切らなかった。

ハルヒとフユキには我慢させた。
本当に会いに来た時なら・・・全てを受け入れる覚悟が出来た時だろうから待てとな。

あの日に、お前らが嫁を取ったと言ってみた(笑) 幸せになれたならいいと直ぐに答えたよ・・・・。
だからお前達には去れと言ったんだ、何で今頃に来た?」

「諦めは悪いので・・・それに探してましたけど?」
「そのようだな(笑)
今回のは、ジウ達は二人の為にやりおった・・・早く終わらせようとしていたフユキが書いた線を奪ってな。
そういうフユキと歩めるのか?
何かあれば捨て置かれるぞ・・・」

「捨て置くのではなく(笑)守る為に置いて行くのでしょう。
それでも(笑)俺のそばに彼女がいるなら、邪魔はしませんか?(笑)」
「せんよ(笑)フユキの選んだ道だからな・・・」

「では連れて行きますよ(笑)」
「残念だな(笑)全てはあの街にある。(笑)遊びに来るしかない」
含みのある笑いと言い方に 彼のため息がでた・・・・

「しかし・・・・爆睡だな(笑)」
「ワシが起きたのも さっきだからな。寝てないんだろう・・・フユキ、家に戻って寝ろ」
笑いながら、優しく呟く・・・・
「眠くて運転無理・・・」
「痛むか?迎えを頼むか?」
「大丈夫・・・ハルは保育園よ・・・お遊戯会を見に行った・・・迎えはいらないから心配しないで・・・」

「場所は?」
急に聞こえた誰かの声に気づき言った。
「アレ・・・言わなかったのか・・・家の後ろよ(笑)・・・今日は父兄と言えば入れるはずよ・・・」
眠りながらも、手をふって行けと促す彼女・・・。

「担げ(笑)送るからユキもこい」
「やだ・・・・眠いから行って・・・」
抱き上げられて苦笑いした。
「いたか・・・」
「悪いか?(笑)」
「ん・・・・ボスまたね・・・」
諦めた声音に笑みはこぼれた。


部屋に入ると倒れこんだ。
抱きしめる人に笑み眠りについたフユキだった。


真夜中にシャワーを浴びたフユキが出てくるのを待っていた彼らに笑う。
「ねてる?」
「たぶん・・・」
「店は?」

「もう少し休んだら始める。学校行きな(笑)。
大丈夫、ボスの意識も戻ったし、何とかなったみたい。
詳しくは治ってから聞こ(笑)あまり休むとヤバいでしょ・・・」
「だけど・・・」
「少し安心・・・・ジウ(笑)ありがとね、助けてくれて」
「貴方たちも」
と代わる代わる抱き締めた。

「なーんかムカつく。でかい分、抱きつきにくい(笑)」
「止めて・・・あの人がいる時はヤバい」
「おやすみ・・・明日見舞いに行って学校行くから・・・」
「おやすみ(笑)」
と急ぐ彼らに笑う彼女だった。


そっとベッドに入ると、顔を眺めたフユキに笑みながらシキは抱き締めた。
優しく口づけをするシキに笑み腕を絡め・・・・互いに求めあう時間が流れていった。



『なぜ連絡しなかった・・・』
『見張りがあったから・・・。
それより結婚したと聞いたわ、今更だけどココに居たら駄目なんじゃ? ・・・(笑)帰ったらどう?』
『信じてるのか?たった数年で気持ちは代わらないだろ・・・』

『初めて出逢って、離れる迄の年より長いのよ(笑)。
愛してれば、幸せは願えるわ。私に誰か居るなら願うでしょ(笑)幸せならいいと』
『いない・・・・フユキを探してたから(笑)。お前以外・・・愛してない。悪いが・・・その誰かは去って貰う』

『シキ・・・それじゃ不幸せじゃない・・・私が・・・』
『俺と一緒に居れば(笑)幸せはついてくる。フユキだけを愛してるから・・・・こたえろ・・・』
ドキッっとして彼を見つめた。

『見張りは店にもか?』
笑みキスをしながら彼は聞いてきた。
『アキとナツから、カズサ達に・・・店にと広がった。離れたら大丈夫かと思ったし・・・ハルを守りたかったから』

『気づかなかったのか?』
『疑ってはいたけど、言わないし・・・だから万が一と動かさなかったの。怖かった・・・、流れなくて良かった・・・』
笑み・・・またキスをするシキに笑う。

『疲れるから離してよ・・・』
『嫌だ・・・(笑)』
『ギュッってしてあげるから』
『いい(笑)俺がしてるから』
『寝る・・・』
諦めたフユキが言う
『いいぞ・・・』と彼が笑む。

なんの笑みか考えるより眠気が先なフユキで・・・彼を見ながら うとうとしだす。
何かを言おうとしたフユキの口を塞ぎ微笑んだ。

やっと手の中に入ったフユキがいる喜びに浸るシキがいた。
今の彼女を確認するかのように、抱きつきながら髪を撫で・・・・首筋に手を止めた。
寝ているフユキの額におでこをあてて眺め見つめる。

『フユキ・・・』
優しい声音で囁くシキ・・・、微笑むフユキに口づけをする。
そっと優しくキスをするシキの髪が顔にかかり笑むが・・・胸の傷痕があろう場所で止まるシキに悲しく笑み、彼の顔を優しく包んだ。

『シキ・・・』
『心音が(笑)早い。フユキ・・・消えるな、俺の前から。奴らが邪魔をしてもいい(笑)。でもフユキは俺から離れるな・・・・』

彼の言葉に驚き、両手で顔をおおう・・・・
両手も額も唇も・・・・優しくキスをするシキ・・・
そっと耳元で名前を囁いた。
こぼれる涙を拭い・・・自分を優しく包む彼の背に腕を回し身を任せた彼女だった。

ないと 12

2016-06-20 20:51:57 | 50on ないと

鐘路に、お洒落なカフェが開店した。
『お姉さんはハーフ?・・・瞳がグリーンね綺麗(笑)』
近所の女子高生が声をかけた。

『エリン(笑)言葉を変えないと話せないわ・・・』
「ごめんね、何て言った?」
「瞳・・・綺麗って・・・(笑)」
「ありがと(笑)上手になったね、発音が良いみたい・・・」
キッチンへ入っていく姿に笑み、食べ始めた。

「みんな来てたのね(笑)」
女の子に声をかけた女性・・・・
「テスト前は集まるの知ってるじゃないですか(笑)言葉を習うなら通えって・・・」
「先生が考えたの?この店に通う許可って(笑)」

「そうよ(笑)彼女達は英語しか話さないし、学園長に頼んで来て貰ったの(笑)。
ここは静かで、勉強するにも最適だって。だから端の、この一角は学生専用にしてくれたのよ。安全な場所として」

「彼らがいるから?」
「弟さんだって(笑)恋愛より勉強しなさい!」
「先生~(笑)固い~」
「英語以外に教わってるでしょ」
言われて苦笑いをしながら、それでも笑ってごまかす女の子に笑み返した。

「だってあの大学生だよ? (笑)頭いい~。分かりやすいの」
「感謝して頑張りなさい・・・」
先生はカウンターに座り珈琲を飲みながら話をしていた。

「他の教科を習っているとか(笑)。仕事の邪魔になったら断って下さい」
「大丈夫みたいです(笑)本人達も復習になってるみたいで・・・」
「ならいいんですけど・・・。凄いですね・・・全員行くなんて」
「私が驚きました(笑)同じ大学で・・・」

「バイト代(笑)明日くれない?」
「(笑)今日じゃなく?」
「明後日じゃなかった?」
「休みだから今日にした・・・」
「やった(笑)」

「働いてけ(笑)」
「だから来たんだよ(笑)皆、時間あいたから来るって・・・」
「暇ねぇ(笑)」
笑みながら言った。

控え室から出たジウは、ユニフォームに着替え店に出た。
「開けるぞ(笑)」
頷くハルに笑み、仕切りを開放し始めた。

「早いな・・・」
「お前が遅い・・・」
エルに言うと、二人であけていた姿に微笑んだ。。
「着替えてこい(笑)」
揃った四人にジウが言った。

屋根を張り、テーブルを並べる。外でも寛げるように準備をする五人。
中から出たフユキは彼らに微笑んだ。
席に座る学生と話をする姿に笑み、笑う。

「柔らかくなったわね・・・」
「ジウ?」
「ん・・・」
「さっ(笑)中にね、大量にくるかな・・・五人が揃っちゃったし・・・」
ハルが笑う。

学生が携帯をいじりだした姿に苦笑いした先生は、ハルに謝る。
「いえいえ(笑)集客に助かってますから・・・」
彼女は接客に忙しなく動いた。


カウンターに入るジウに笑む。
「カフェラテと、ワッフル」
「ソースは?」
「ストロベリー・・・」
「了解(笑)そっちで待ってて・・・」
次の客のオーダーを取った。

隣のカウンターで支払いを済ませた彼女に品を乗せてトレイを渡した。
「ジウ?」
「(笑)後でね・・・」
彼が微笑むと、小さく頷く彼女に笑み仕事を始めた。


彼女は外の席に行くと、静かに食べ始める・・・変わらず美味しいと笑み店を眺めた。
一人の店員が席に座り微笑んだ。
「久しぶり(笑)なんで知った?」
聞かれたリカは携帯を見せる・・・。ソレを覗くと笑いだした。

なんだと彼らがそばに来た。
「もっとマシな写真をアップしてくれたら嬉しいのに・・・」
「みんな格好いいよ。話題になってるし(笑)」
「元気そうだね(笑)」
「元気だよ(笑)」

「ジェイン!つまる(怒)」
カウンターから叫ぶ声に笑うと仕事に戻っていった。
リカの友達もきて、旨いと食べ始めた。
落ち着いた頃に、席に座り珈琲を飲むジウを友達がジッと見つめていた。

「ミラ・・・(笑)文句あるか・・・」
「あー名前は覚えてたんだ(笑)」
「やっと思い出した(笑)」
「変わるもんだねぇ・・・(笑)同じ髪色に・・・コンタクト?」
「兄弟の証(笑) 姉の絶対的命令・・・」
ため息をしながら呟く彼に笑みを浮かべた・・・

「卒業まで・・・あり得ないんだ」
「格好いいよ。(笑)噂じゃ皆はモデルって聞いてる」
「馬鹿だな・・・しない」
「どこの大学だ?話せんじゃん・・・」
「だてに専攻してない(笑)近所だしね。話題でも高校生ばっかりで入りにくかった。今も見られてるしぃ・・・」

「英語の勉強をしに来る(笑)」
「だからかぁ・・・しかも近所は女子高やら(笑)女ばっかな学園多いし」
苦笑いしながら呟くジウ・・・
「フユが狙ったんだろ・・・学費を稼ぐ為に(笑)」
「で、流行ったわけだ(笑)」
「休憩終わりだ(笑)じゃな」
カップを持ち皆は、戻っていった。


『いーなぁ話せて・・・』
振り返ると羨ましそうに呟く少女を見つめた。
『話してみたら?(笑)ゆっくりでも声をかけて・・・』
『通じないから・・・』
『いいのよ、まずは話す(笑)』
ため息をした彼女達に微笑んだ。

その席にしゃがみ、ゆっくりと話す人がいた。
『お名前は?(笑)』
彼らと同じ髪色で帽子の下から肩に揺れ動く巻き毛・・・見覚えのある彼女に微笑んだ。

「マキ・・・」
「英語は聞くの(笑) そして真似て話す、話してくれたら直す所を教えてあげるわ(笑) ここでは笑う人はいない。
恥ずかしくないから声に出して・・・マキ、分かった?」
「恥ずかしい・・・(笑)分かりました、話すんですね」
「そっ(笑)」と立ち上がり頭を撫でた。

『久しぶり(笑)』
「本当に、元気?」
「ふ~ちゃんは?」
「見てのとおり(笑)社長は元気に?」
「してるよ・・・変わらず」
「良かった・・・(笑)仕事あるし、行くね。暇ならまたおいで」
笑みながら戻っていったフユキを眺めていた。



レジを締めてカウンターに座る。
「ユキ・・・」
「(笑)見つかったね・・・」
「予測はついてたけどね(笑)高校に問い合わせ来た時から」
「あー柔道か(笑)。一斉に止めたわね・・・勝手に」

「あれは驚いた(笑)」
「次の続けなかったけどね・・・」
「剣道?」
「なんでかね(笑)」
「楽しくなかったから(笑)」
話に割り込む声に微笑んだ。

「終わった?そのレポート(笑)」
「とっく(笑)」
「バイト代は振り込んだわ、ほどほどに使いな(笑)」
「先に帰るよ、あっボスが泊まりに来るって聞いた?」

「いつ・・・」
「(笑)今日・・・」
「待ってるかもね・・・」
「家の前か(笑)」
「可哀想じゃん・・・」
と走り出していった。

「気を付けなさい・・・」
バイクに乗ると、手を上げて帰っていった。


「大人になった(笑)」
「ね・・・帰ろ。奴等は私達に歩けと(笑)」
「本当~(笑)誰一人乗ってくか聞かなかったわ・・・」
「健康に歩くか(笑)」
「のんびり~(笑)」
鍵を閉めながら笑う二人は歩き出したのだった。


伝統家屋のある町・・・その奥に同じような作りの門構えで作られた家屋に皆は住んでいた。
「もう(怒)この坂が嫌だ・・・」
「仕方ない(笑)店に車を止められないんだから・・・」
「遠回りだけど向こうから、楽に通わない?」

「こんなに近いのに?」
「出るにはいいけど、帰りは辛いわよ・・・」
「あー車がある。バイクあるから入り切れなかったか・・・」

入り口にあった車を眺めながら、携帯を取り出したフユキ
「表が開放的だわ(笑)・・・明日使うなら、出して場所を変えれば閉まるはずだから・・・」
眺めると彼らはバイクを出し待っていた。

「遅い・・・ババァか!」
叫ぶジウに笑う。
「駄目・・・疲れて言い返せない・・・」
笑うフユキは車を中へと移動し、隙間にバイクを詰め込んだ。
門は閉められた。


車から出る二人はジッと眺め始めた。
壁の向こうは庭のようで、賑やかな声が響いた。
「なんで起きてる?」
「ふー怖い・・・」
「昼寝したな(笑)」
「寝すぎました・・・」

「だからかぁ・・・ルッキー(笑)」
「あだ名は駄目ですよ、ハルキ君です。先生が言ったよ(笑)」
「なんでさぁ・・・」
「ジェイン君(笑)。ママが大事につけてぇ・・・大事な僕はぁ・・・」
なんだったと考える姿に、皆が待ちながら笑っていた。

「ルキ・・・忘れたろ」
「明日聞いてこい(笑)」
「ねぇお友達はパパがいるよ・・・。僕のは?」
黙る声に 静かになった。
「ルキはそれが聞きたくて端に来たのか?」

「 ・・・だってママに聞いたら泣いたんだもん・・・ごめんって。だけど知りたくなったから・・・」
「なんて聞いた?」
「お腹にいたけど、たくさん忙しくて・・・さよなら しちゃったって。

会いたいって言ったらギュッって・・・。ふーちゃんがゴメンって。ハルちゃんと泣くんだもん」
「じゃいつか会わせてやるから、黙ってろ・・・」
「ジウ・・・」
「一回だけ・・・ちょっとだぞ」
笑うと走り出していった。

「大丈夫か?」
「そうだ・・・勝手に」
「仕方ないだろ・・・俺達だって同じだった。一回だけなら・・・」
「なんで探してくれないんだ?」
「ボスは話したのかな・・・」
「仕方ないさ・・・小さいルキがいたんだ。残党が捕まるまでは隠れなきゃ駄目だったし」

「まだ潜めてる?」
「奴がな・・・海外に逃げたらしいから」
「残る二人だったよな・・・」
「だからボスも言ってない?」
「探してるさ・・・」
「なんで分かる?」
「高校に問い合わせ来たろ」

「アレから無いだろ・・・」
「ヤバかったな(笑)」
「楽しくて続けたからな(笑)」
「元気かなぁ・・・」
「会いたいけど怖いよな・・・」


「いい加減入りな・・・何の密談よ」
「(笑)フユの気配が読めない・・・」
「読まれてたまるか(笑)。店は3連休だから、息抜きしてきな」

急ぐ皆に笑う彼女達が、その場へ佇みジッと家屋を眺めた。
「凄いね・・・ここ、本当に・・・全然・・・聞こえない(笑) ハルキは寝た?」
「コロって(笑)」
「ハルキの話をしてたよ・・・。ジウが一度だけ会わせるって約束してたわよ(笑)」

聞こえてると彼女に笑み返したハルだった。
「・・・ボスの言葉、本当かな」
「いいんじゃない?幸せなら・・・それでいい(笑)ナツもアキも元気そうだし。店も大丈夫だし・・・
残るはハルヒのみ(笑)
なんでハルキ? ・・・似てて面倒だわよ(笑)」

「優しくて明るくなるように(笑)。寒い中をハルキに暖めて貰うかなーって」
「(笑)トウキの名を貰ったと素直に言いな・・・。
・・・・行こ・・・ボスが来そうだ・・・」

足音か遠ざかる・・・・・壁に寄りかかる二人は声が出なかった・・・・


『よく探したな・・・だがな。諦めろ・・・お前らより強い。
聞きに行かなかったのはわざとだ。娘はやらん・・・早く去れ。そこは防犯カメラがある。
分かればまた場所を変えねばならなくなる』

『なぜ・・・やっと見つけたのに』
『たちの悪い輩は捕まっとらん。ハルヒもやっと諦めた・・・』
『そんなはずは・・・・ないと・・・』
『 ・・・確かめようがないな。見つかるな・・・早く去れ』

ふらつくトウキを車に乗せて、シキは車を走らせた。




店を開ける・・・口コミで広がるが、情報は出なかった。
勝手に出された店や写真はエルが毎日消していたのだった。

「フユ・・・・店、かえる?」
「範囲が増えた?」
「結構・・・でもさ、誘き出すチャンスでもあるよ」
真顔になりエルを見つめたフユキがいた。

「俺も賛成・・・その為に武術系は辞めなかったし」
「全員?」
「そうだよ・・・近くの道場に通ってた。フユもだろ?」
「一人でする気だったでしょ」
「分かってるよ・・・ハルちゃんとルキの為に終わらせたいんでしょ?違った?」

「たぶんバレてるよね・・・他人のそら似を通すから。大丈夫・・・ハルちゃん達は暫く店に出さない」
「さっき電話したから大丈夫」
「私もしたわよ(笑)近いはず。一昨日入国してたから時間の問題でもあったわ」

「問題はリカ・・・」
「マメに来てるしな・・・」
「メールした(笑)来てもいいが、客と店員に徹しろって(笑)」
「出来ないなら来るかな?」

「そうだ・・・」
「ハルちゃんいないと店が大変だぞ(笑)外は忙しないし・・・」
「仕方ない・・・頑張ろ。学校・・・大丈夫でしょうね・・・・」
頷く五人は準備を始めた。



数日後の ある日。
店がようやく落ち着いた頃に・・・・
「珈琲・・・」
「単品で?」
「そうだ・・・・4つ頼む」
「了解(笑)そちらでお待ちを・・・」
と隣のカウンターへ行かせた。

カップを乗せたトレイを人差し指で軽く叩いて渡した。
「好きなお席で・・・」
そう言われトレイを見ると、紙を丸めて運んでいった。
「サンキュ(笑)」
外からの死角になる席に行き、安堵するジウ達に笑う。


カズサ達もその隣に座り珈琲を飲み始めた。
『印象がだいぶ違うな・・・』
呟くトウキに笑う。
『何?』
『見張りがいるそうだ。知らないふりをしろとさ・・・』
小さなメモを、そっと広げて読むと呟いた。
『いいわよ(笑)居場所が分かったしね・・・』
と一緒に来た彼女は店内を眺めた。


『ふーちゃん(笑)持ち帰りいい?』
『どれだ・・・』
『(笑)ジニさんに聞いてない・・・』
『忙しいんだ。(笑)早く決めろ』
『チーズケーキは?』
『出すよー(笑)』
中から持ってきたフユキはケースにしまいながら言った。

『何個?』
『3つ、そっちのも3つ(笑)』
『二種食いかぁ・・・(笑)追加で持ってきな』
『仕方ない(笑)』
『後ね・・・豆が欲しいんだ・・・(笑)エルさんは?』
『エル!選んであげて(笑)』
と彼女が言い、中へ戻っていった。

ないと 11

2016-06-17 08:31:14 | 50on ないと

店先にバイクを停めて店内を眺めた。ヘルメットを脱ぎ髪に風を入れながらまた眺める。

昼時で忙しいのは分かるが、今は学生達が多かった。

店内から笑う五人・・・
来てたか?と笑み、歩こうとして腕を掴まれた。
不意に口を押さえられ・・・・・

ジウが飛び出すと、続けざまにエル達も出ていく。

フユキを奪うと蹴り倒した。
ジウを捕まえようとした男をジニが飛び込み蹴り倒す。
ジェインとボムは、もう一人の男を倒していた。
エルがフユキを店先に運ぶ。

男達は飛び乗り走り去った・・・。
誰かが呼んだのだろう・・・パトカーが来て、暫くするとジウ達に事情を聞き始めた・・・・・。


『フユ・・・』
抱き締めたエルは、揺りながら優しく呼んでいた。
警官に救急車をと言われたが、断った。
ハルは車を回し、出ていくとボムはジウを乗せてフユキのバイクで走り去った。

近くの公園の横に停めて様子をみていた。
エルはパソコンを使い、車を探している。
『エルも身軽になったね(笑)』
『真面目な部活のお陰かなぁ』
『偉い(笑) なんでユキを狙ったかな・・・白昼しかも店の前で堂々とだし』
『そうとう切羽詰まってる感じだね・・・』

『でた(笑)。あ・・・ハルちゃん・・・フユを頼んでいい?シキさんとこが安心なんだけど・・・』
『一日・・・彼は、店よ・・・』
『じゃ店の控え室でもいいや(笑)ハルちゃんも』
『分かった車を回すわ・・・』


店先につくと、ボムがバイクで待っていた。飛び乗ったエルは戻っていった。
携帯でシキを呼ぶと、飛び出してきた・・・事情はあとだと抱き上げて店内へ連れて行くのだった。

奥の個室に入りハルを眺めた。
ハルはオズにメールを出していて、走り込んできた。
『仕事は?』
『抜け出してきた・・・一時間で行く・・・。大丈夫か?』

『平気・・・たぶん薬品で眠らされたんだわ、直ぐに口を押さえてたから。
何かに気づいてエルがココにいろって・・・五人で出ていったわ』
『ボスか・・・』
分からないとハルは首をふる。

フユキを抱きしめ何も言わないシキを悲しく見つめた。

オズもパソコンや携帯で、連絡をとり探すと何かを探った。
『ハル・・・少し確認で出るが時間によっては戻れない・・・大丈夫か?』
『オズ・・・大丈夫よ最悪(笑)戦うから行って・・・』
小さく頷くと彼はシキをみた。
『シキ・・・必ず原因を探る。二人を頼んだ・・・』
シキの頷く姿をみて出ていった。

トウキがきて悲しげに見つめていたが、フゥと息を吐いて彼女に言った。
『ハル(笑)手伝う?そばに居ればいい。シキ交代するなら電話しろよ・・・』
笑み頷くシキをみて出ていった。
フユキにキスをする。抱きしめながら息をしているか確認した。


目覚めたフユキにキスをした。
『油断したか?』
朦朧としていたが笑み口が笑う。
ゆっくりとシキの頬に手をあて微笑んだ。

『たぶん父親の組織のしわざ・・・』
小さな声でゆっくり話すフユキを見つめた。
『母は日記を私に残した。それには全てが記されてた。
ボスの仕事を手伝い彼から守れと書いてあった。
いつか潰せる方法が見つかるその時に会社を潰してあげてって・・・。
勝手だよね・・・本当は違うって・・・』

起き上がり・・・ふらつくフユキを引き留め座らせた。

ソファーにもたれてまた眠りについたのだった・・・


ハルが入ってきた。
『まだ開店準備中よ(笑)代わるわ・・・心配だろうけど行って』
『ハルはフユキの全てを知ってるのか?どんな仕事で誰が父親か・・・今回のは誰が仕組んだか』
ハルがジッと見つめた。

『 ・・・・・ユキは話をした?』
『今・・・ふらついたから、座らせたら寝てしまった・・・』
『誰が仕組んだか。検討はついてる・・・なぜユキを狙ったかは知らないわ、だから調べてる』

『フユキの父親・・・』
言いながらハルを見ている。
『・・・ボスと・・・聞いてる・・・』
悲しく笑み優しくフユキを見つめ、手を握ると部屋を出ていった。


暫くして、目覚めたフユキがハルをみて笑み 体を確認するかのように少しずつ動かした。
『ユキ・・・シキに父親の事言った?私に聞いてきたわ。
どんな仕事で父親は誰で今回の仕組んだ奴は誰か・・・知ってるのか?って・・・。仕組んだ奴の検討はついてるとしか言わなかった・・・』

『ごめん・・・言った記憶ない。エル達は?』
『ここで隠れろって出て行ったきり戻らない。オズも調べに行って、たぶん仕事に戻ったはず。
ユキ・・・私に言ってない事あった?一人で抱えてた?』

『中にしまえる(笑)言ったわよ・・・無理な時に聞き流してって・・・』
『それは・・・オズも知らない?』
『言ってない・・・』
『あの・・・読んでた日記?』
辛そうな顔をしたフユキを抱きしめた。

『馬鹿ね・・・二人で持てば少し軽くなるのに・・・』
『ごめん。ボスは・・・』
ハルの肩に顔を預け迷うフユキ・・・
『誰かに知られないように・・・聞かれたくない事?』
頷くフユキだった・・・

『口は固いでしょ(笑)知ってるくせに。お母さん達は私達の幸せを願ってるわよ・・・だから遺書みたいに残したんでしょ?』
『 ・・・家をでる時の約束を守ったのに・・・早く知りたかった』
『大人になった貴女に理解して貰いたかったんじゃない?』

『だから余計に腹がたつ・・・』
『誰に?』
『ボス・・・』
『父親と言わなかったから?』
『ハル・・・違うの、ボスじゃなく弟のほう・・・あのムカつく奴』
『 ・・・彼は、知ってるの?』
『最近知ったはず・・・だから』
『今回の? あんな方法で・・・』
『やりそうでしょ・・・』

一人の男性が入口に立った。
『ボス・・・』
ハルが呟く。
出て行こうとしたハルを止め、フユキの隣に座らせた。

「悪かった。これじゃ出した意味がないな・・・」
「ジウ達は?」
「探ってる・・・いくら言っても聞かないんだ。争わない条件で好きにさせた。ジウを見張れとボムをつけたが・・・」

「全部・・・」
全てを彼らに話したのかと、言葉にできなかった・・・・
「(笑)だから来た。

始まりは・・・ずっと、フユキが産まれる前からだ。ギリ・・・中が割れないように押さえていた。

私は解体したかった・・・かろうじて人を殺めず、内々にすませ出す事のみを中心に留めたかった。
だがジフンは、盗み売り捌きたかった・・・金儲けだな。不思議と似たような奴が集まり出して焦ったよ・・・。

信用が第一の仕事は崩れていった・・・、気づけば中は二分し仕事の種によって私かジフンに入るようになった。
フユキの母親と会ったのは、その時にだ(笑) 三姉妹だと自慢していた。よく遊びに来て・・・」

「三姉妹って・・・」
「ハルヒ(笑)お前の母親は子供にまで口が固かったな(笑)。下に妹がいたんだ・・・ジウの母親だ」
「なんで・・・」

「身の危険があったからだ。フユキの母親と私は結婚する事になった。

だがジフンも狙っておった。だから姉のオリエは二人を隠した・・・何をするか分からなかったからだ。
ランは好きな奴がいてな、一緒にさせ逃がした・・・」

「だけど・・・・なんでフユキの父親が・・・わけが・・・」
「狙われてたからよ(笑) 想像はつくでしょ・・・」
悲し気に笑みハルを見つめた・・・

「自殺を図った・・・一命を取り止め生かした。妊娠に気づき流そうとした・・・だから長く・・・彼女と話をした。

どの血が混ざっても産まれたら私の子供だと。同じ歳にハルヒも産まれ共に喜んだ。知れずそっとな・・・」

「ジウの母親は・・・」
「カレンはな・・・」
と悲しみ思い出したのか辛そうに見えた。

「ボスを愛してたの。だから母と離れなかった。そばに居たかったから・・・。それを利用して奴が近づいた、言葉巧みに使われて・・・身籠った。

産まれてからも、頭にはボスしか居なかった・・・
ボスがハッキリすれば、皆の母親達も寄り付かなかった・・・」
悔しそうに辛そうにボスを見つめた。

「子供達が可哀想だった。いいように操られ利用される母親を見せたくなかった・・・」
「だから全員を引き取って母親と引き離したと?」
ハルは呟き見つめた。

「じゃボスの子供は・・・」
「エル一人・・・血の繋がった私の弟だった」
「言わなかったじゃない・・・」
「内緒にしろって・・・血は関係ない、全員が私の弟だからって。

だから母親は私に暗示をかけるように祈ってた。思い込むように・・・世話を一緒にしてた。
母が居なくなって・・・・ ジウの母親まで死んで・・・皆は荒れてきて・・・」

「だから早く出たの?」
「理由を探る為に、母親と約束した事を守る為に・・・そして、おじさんを・・・奴を探る為に加わった。
約束の日に3つのブレスレットから日記を探して読んだ」

「なぜ知ってたんだ・・・」
「ボス(笑)母親にも秘密はあったんだね。合わせると番号になるの・・・知らなかった?隠し場所は知ってたから写真を撮って、ハルのも撮って・・・銀行に行ったの」

「全てを・・・」
「書いてあった・・・皆を許せって、憎むのは自分一人にしろって」
目頭を抑えて項垂れたボスに悲しく見つめる二人。

「鍛えて仕事をしていたが・・・約束を果たす為か?」
フユキの頷きに ため息をした。
「五人の動きも良くなった・・・使う為か?」
「それは違う・・・狙われると思ったから。多少身を守る術があれば、助かるかと思った。いつか必ず利用しようと来ると分かってた」

「いつから・・・」
「だから・・・・・日記を読んで考えた。解体しろと言う母と、会社を簡単に手放したボスの行動。
しかも、まともな奴は残さず出した。警察と繋げたでしょ?」
驚くボスに微笑んだ。

「五人は私のする事に気づいてた。だから苦しい部活も利用して、空いた時間で探ってたわ。出先で見つけて気づいた」
「だから文句なくしてたんだ・・・」
「疲れで動けなくなると、ふんだのに・・・・無理だった(笑)」

電話をかけるフユキ・・・
「報告は全てボスに回しなさい。
勝手に乗り込んだら家から出すわよ(怒) 警察も入るから顔は出すな!
エルに言って、私の集めたデータを全て警察に送れと。

うるさい! (怒)行くなよ。
お願いだから約束して。分かってる・・・でも駄目、乗り込まないで。回線を開けなさい。

エル、私のデータを警察に。皆のはボスに・・・纏めたら警察よ。
出来たら乗り込まず帰ってきて。ボム・・・ジウを連れてきて。
全員で一緒に戻ってきて・・・お願いだから」

「送ったよ・・・ボスにも・・・」
「ありがとうエル(笑)皆を連れてきて・・・」
「分かった。良かった(笑)無事で・・・」
「みんな大好きよ。だから早く来なさい。待ってるから・・・一時間以内に(笑)」

「やべっ・・・」
「早く乗れ!」
「馬鹿だな、全員って言った・・・いなかったら罰は俺たちがくう・・・」
「乗れ」
バタバタする声に笑うと、切った携帯を眺めた。



『入りたまえ・・・』
入口をみるボスがいった。
『すみません・・・気になり』
『頼んでいいか?今は頼むしかない・・・』
言葉を遮り言うと、トウキとシキを見つめ眺めた。

『話を聞いてなお・・・二人と進むか考える時間をやる。聞きにくるから、それまで考えろ』
彼は小声で言い、出て行ってしまった。

ハルは、膝を抱え項垂れたフユキに寄りかかり二人は目を閉じた。
『とりあえず仕事あるから、待ってて・・・』
トウキらが出ていく。

震え泣くハルを抱き締めて、眠りについた。


ふと気づくと五人は空いたソファーに沈み眠る姿に微笑むフユキ。
ずっと見つめていると、起き出した。
『帰りたい・・・』
呟く彼らにフユキが微笑んだ。



店が終わり、急いで戻ると姿が見当たらなかった。
佇むトウキらにカズサが肩を組んで言った。

『よく、考えろ。自分の先も・・・彼女達の先も。一度は繋がったんだ、切り離せないさ(笑)
見つけるのも容易い・・・・・いくら枝分かれしても、繋がっていれば大丈夫だろう・・・』

二人がいたソファーを眺めていたのだった。

ないと 10

2016-06-17 08:00:00 | 50on ないと

毎日くたくたで帰る彼らに笑み、リビングで寛ぐ姿に笑う。
『明日・・・外部コーチがくるんだって・・・・』
『フユちゃん・・・明日は遅いから』
『一時間ってさ・・・・』
『腹へるよな・・・』

『明日は早上がりだけど、(笑)待ってようか?』
『じゃそのまま食べてくれば?明日は誰も居ないわよ(笑)ユキが作れば別だけどねぇ・・・』
『肉食いたい・・・』
祈る目でフユキを見た五人に苦笑いする。
『じゃ駐車場で待つから・・・』
喜ぶ彼らに笑み、片づけをした。



放課後・・・・
彼らは固まりコーチらは驚いた。
顔を知る人達が苦笑いしていたのだった。

諦めた五人は、無言で頑張った。
先生は真面目な態度に喜び、誉めてくれた。
息も荒く力なく眺め・・・・声をかけられそうになると、身を引き離れた。

『なんで外部コーチ・・・』
『まじヤバい・・・フユの話は禁止だからな』
『知ってるからキツいのか?』

『姿勢を正しく見てないと追加になるぞ・・・』
先輩の一言・・・・五人は正しく直し皆を眺め見習った。


長い練習が終わる・・・・。
崩れる彼らに笑う人達がいた。
エルが人差し指を口にあて、ジェインは祈るように拝んだ。
『どうだい?初めてのコーチの練習は(笑)』
彼らに聞く先生だったが・・・疲れもあり声に出せなかった。

『腕は良さそうですね、よく五人も入れましたね・・・』
『彼らのお姉さんが(笑) 生活態度も直るだろうと・・・
今日は遅くなると伝えたかい?。してないなら連絡するか?』

『い、言いました!大丈夫・・・です。ありがとうございました』
ジウが言い、四人を起こすと急いで控え室へ戻った。

『ありがとうございました。今日は三人でお越し頂けて(笑)』
『いえ(笑)新入部員の顔は見たいので、彼らは大丈夫そうですか?(笑)辛くて止める奴が多い』

『彼らは止めれません(笑)お姉さんの許可がいるので・・・
他の生徒らは、迎えがありますが(笑)彼女はキチンと彼らだけで帰らせてます。
素敵なお姉さんでしたよ。では(笑)お気をつけて・・・』
書類の整理をする先生を残し、彼らも控え室へ行く。

身綺麗にした彼らと目が合うと、苦笑いし帰り支度を始める。


『なんだ(笑)まだいたのか。待つから早くしなさい・・・』
先生が入ってきて言った。
五人の手が止まる・・・
『先生?』ジウが呟く。
『何だ? 聞いてないか?一緒に行く事になった・・・(笑)。
お礼だよ・・・たくさん食べろよ・・・』

後ろで着替えていた三人は、笑いながら帰り支度をし出ていった。
小声でジウが言った。
『睨んでたか?』
『笑ってたな』
『真顔だった・・・』
『早くするんだ、待たせてるだろう・・・予約はしてあるんだ(笑)』

先生と出て駐車場へ行く・・・乗り込んだ人達に笑み隣の車を覗きながら話していた。
『また来週に(笑)お気をつけて下さい・・・』
と先生はコーチを見送った。


車が去ると、急いでやって来てドアをそっと開ける・・・寝ていたフユキに安堵した。
『フユちゃん・・・お待たせ』
ん・・・と背伸びするフユキとジウの目が合うと様子が違うと気づき呟いた。

『どした?疲れた?』
『コーチが・・・』
続きを言わないジウに笑み・・・
『食べないで帰る?』
『食う(笑)』
ジニがジウを押し込み飛び乗った。



『じゃ車を置いてくるから先に』
フユキは皆をおろし車を走らせた。
店の前におりた皆は先生に連れて行かれ店内に入った。
個室前を歩く彼らが見た先に驚く。

『あっ!』
ジウの声が漏れた。
『あれ・・・・』
ジェインも気づいた・・・視線を感じたのだろう、振り向くカズサ達・・・目は互いに苦笑いのようだった。

『食いに来たのか? ユキは?』
『車を・・・・』
『(笑)ごゆっくりぃ・・・』
会話で長引かせたくないと、エルが押して奥の個室へ行く。

注文を大量にし呆れるほどに食べる彼ら。
『なんで、やけ食いしてる?』
『やけ食いか?コーチ達は誉めてたぞ? 腕は良さそうと(笑)』
『良かった(笑)身を鍛える事は守る事に繋がるしね・・・』

フユキの言葉に驚き箸が止まる皆に微笑んだ。
習う意味を理解したのだ・・・・


『なによ(笑) 落ち着いて食べなさい。先生と折半だし大丈夫』
『お礼ですから(笑)』
『(笑)ケジメはないと。半分以上は彼らが食べますし・・・』

先生との会話に食べた気がしない彼らだったが、そこは若い・・・・久しぶりに皆で食べる事に笑む五人は笑み肉を大量に食べ始めた。


『あれは先生?』
『奴らの担任と部活の顧問だ(笑)』
『礼と言ってたな・・・』
『まさか同じ店を選ぶなんてね・・・知ってた?』
『いや(笑)一緒とはな・・・』
『ま(笑)先生に世話になってるしね・・・』
『遠巻きに知らんぷりしろとさ(笑)。あの歳じゃ保護者つき・・・辛いだろうな』


『おい・・・・見てるぞ』
『目がヤバい・・・やっぱり怖ぇ』
『見るなよ・・・早く食って帰ろうぜ』
『視界に入るから嫌だ・・・』
席は離れているが、先生とフユキの後ろで・・・二人の前に座るジウとジェインからは丸見えで、緊張しながら食べていたのだ。

『なに?』
内緒話の二人に聞いたフユキ。
『早く食って・・・』
『明日は休みじゃなかった?』
『そうだけど・・・』
『じゃゆっくり食べな(笑)』
頷く彼らに笑う先生とフユキだった。

『エル席を変われ・・・』
『嫌だ・・・』
『少し変われよ(笑)』
『ジウ(笑)頑張れ・・・』
『ボム・・・』

『何なのよ(怒)。私が変わるわよ・・・ほら、固まって食えば?』
立ち上がりジウをどかせると、先生の前に座る。
五人はフユキを見つめた。

苦笑いするフユキが気づく。
ため息をして、五人を見ると嫌だと首をふっていた。
楽になった彼らはまた食べ始めたのだった。

『やっぱり男の子は食べますね・・・凄いな(笑)』
『ですね(笑)』
半分やけぎみに飲むフユキをエルは止めた。
『飲みすぎは良くない(笑)』
『エルも飲んで見る?』
と空いたグラスに注ごうとした。

『駄目ですよ(笑)・・・』
慌てた先生は、彼女の腕を押さえていった。
『エル(笑)肉が落ちたわ・・・』
口をあけて驚いたエル・・・布巾で拭いてやるフユキに引きつっていた・・・

『なんか変よ(笑)大丈夫だから、食べなさい』
優しく笑み五人をみやると、また食べ始めたのだった。

食べる様子に笑みフユキは眺めた

『すみません・・・私はもう時間なので(笑)これを・・・足りればいいですが』
『大丈夫なのに(笑)』
『いえ(笑)お礼ですから。足りなかったら申し訳ありません』

『大丈夫です。ご馳走さまです』
『先生ありがと(笑)』
『俺たちまで』
『いいや楽しかったよ。ゆっくり体を休めて来週から頑張れ・・・じゃまたな』
帰っていく姿に笑みフユキは彼らをみた。

『早く言えば違う場所に出来たじゃない(笑)』
『先生が予約してたって(笑)』
『ま(笑)大丈夫よ、シキは居なかったでしょ?』
『皆いた・・・』
『えっ・・・私だけ外されてるし』

『そこ?気になる場所が違う(笑)・・・もぅさぁ睨まれた蛙だな・・・』
頬杖ついて笑むフユキは五人を眺めつつ話をしていた。


『残さず食べてよね(笑)』
『余裕~(笑)』
『残ったらフユが食う?』
『やーよ(笑)これでいい・・・』
グラスを取り飲もうとして、シキに取られ・・・エルが吹き出した・・・・
咳き込むエルと汚いと騒ぎまくるジウに笑う。

『飲んでたんじゃ?(笑)』
『フユキは?』
『それ(笑)私の・・・』
『飲んで食ったか?』
『たんまり(笑) 見たら分かるよねぇ・・・・』

『ふ、ふるな・・・』
『車は?』
『近いから置いてきたけど?』
『歩きかぁ・・・』
『私が飲めないし(笑)』

『フユちゃん帰るよ・・・』
『じゃ帰ろ(笑)シキは?』
『帰るよ・・・仕事あるし』
『じゃ行こう・・・』
保護者つきの帰宅に肩を落とすが、シキに見られ静かに店をでた。

前を歩く五人は気になり、先へ進まない。
だが聞こえる会話はたわいもなく、なんとなく安心した。
『先に帰るよ(笑)おやすみ』
エルは走り出した。
『お、おやすみぃ(笑)』
一斉に走りだす五人に笑った。

『フユキ・・・』
『ん?』
『知ってたか?』
『なにを?』
『奴等は言ってないか?』
『だから何?』
後ろ向きに歩くフユキを見つめていた。

『今日は男どものXデーなの?
なんか変よ? ジウ達もわけわかんないし・・・。で、今は貴方・・・』
シキのマンションの前につき立ち止まる。
『思い出したら電話して(笑)』
と笑みフユキは歩くのだった。

ふと気づくと隣に歩いていた。
鼻で笑うフユキの肩をくみ、家へ帰ったのだった。


寛いでいた彼らが眺めた。
『なんで?』
『なにが?また?』
その反応が気になり、ため息をする。
『ちょっと座って(笑)』
ソファーを指さし微笑んだ。
彼は笑みキッチンのカウンターに座る。

『なにをした?(笑)たぶん怒らない・・・だから言って正直に』
『何を?』
『それを私は知りたいの(怒)。今日はずっとへんよ? というか最近かな・・・』
『どんなふうに、いつ変だった?まったく・・・・』
『そんなにしでかした?』
フユキは呟いた。

『じゃなくて・・・フユちゃんが鈍いんだよ・・・駄目だよ。はっきり言わないと・・・』
『何をよ・・・・』
ボムを見つめるフユキだった。

『今日のお礼はフユにだろ?』
『そうだけど・・・いらないって断ったわ、食べに行くからって』
『なんで先生誘うんだよ・・・』
『世話になってたし、部活で世話になるから誘っただけよ。
あ・・・・外部のコーチどうだった?』

『ちょ、ちょ~真面目なコーチだった(笑)』
急にふられ話が代わり、焦りながら言葉を返した・・・
『へぇ・・・見に』
見に行こうかなと考えながら呟くが・・・・即座に返事がきた。
『いい(笑)投げ飛ばされんの恥ずかしいし・・・』
言いかけたフユキだが素早く断った。

『だな(笑)ハハッ』
『強い?(笑)』
『たぶん・・・』
『へぇ、柔道って どう強いか分かんないしね(笑)投げ飛ばされたら、足で立てば大丈夫じゃん。床に落とされたら負けでしょ?』
『し・・・・まだ、しらない・・・』
だんだん低くなる声にシキが笑った。

『寝てい?疲れた・・・』
『おやすみ・・・』
呟きながら部屋に向かう彼らを見つめた。

『なんか隠してるよね・・・』
『秘密にしたいのか(笑)』
と言いながらドアをみたが・・・・パタンと音がした。

『アレが思春期?』
『さぁな(笑)』
『よく分からん・・・』
彼は言いながら部屋に入ると寝じたくをする。

『疲れた・・・』
ベッドに倒れこむフユキ・・・
シャワーの音に笑むフユキは寝始めた。

自分に抱きつく人に呟いた
『仕事じゃなかった?』
『こっちから行く・・・』
『・・・・(笑) ・・・おやすみ』
目を閉じたまま言う。

『彼らは先生とフユキの関係に焦ってるんだ(笑)』
突然話し出す彼に驚いた・・・
『な、なんで? ただの保護者と先生じゃないね・・・』
フユキの体をはう手を掴み笑むと両手で包み微笑んだ。
寝返りしシキに抱きつくと、手が体をはいだした。

『落ち着かない?(笑)シキの心配はなに?』
見上げたフユキに口づけをする。
『俺以外にフユキの腕を触るのは嫌だ(笑)』
『理由があったの知ってるじゃない・・・見てたでしょ?』

『口で言えばすんだのに?』
『急いだからよ・・・シキ・・・』
顔を両手で挟み微笑んだ。
『(笑)貴方のそばに居たくて死にそうになった。
死んでもいいから、貴方と居たかったからよ・・・。約束守ったのに』

『死んだらいれないだろ(笑)』
『たとえよ。あー(笑)私が先生を好きになりそうで怖い?』
聞いたフユキに口づけをする。

『逆だ・・・』
『誰を?』
『フユキ・・・』
『先生が私?あり得ない(笑)フィアンセいるもの』
シキを見つめ・・・ため息をする。

『選んであげた服は、デート用と訪問用。急に、ご両親に挨拶に行くからって。
急に入り用で乗せて貰ったしって、お礼の食事だった。・・・ジウ達にまで悩ませた?
ん?・・・なんで悩むの?』

見つめたシキは笑み フユキにキスをした。
覗きこんだ彼に言った。
『納得と安心(笑)出来た?』
言いながら腕を回し抱き締めた。
シキは彼女を求め・・・甘く優しく口づけをしたのだった・・・・