関西文化圏では、料亭や旅館、商店などの「男性のあるじ」のことを「大将(たいしょう)」と呼びます。
では、「女将(おかみ)」は何を意味する言葉なのでしょうか。
関西、関東問わず、女将とは「女性のあるじ」を意味しています。
女性のあるじのイメージは、料亭や旅館を取り仕切る「女の大将」です。
そういったことから、「女将」と書き記します。
「女将」と書いて「おかみ」と読むのは、本来「おかみ」は朝廷や政府、官庁などの強い権威や権力に用いられてきた言葉です。
そして、「おかみ」という読み方は、これに由来しているんだそうです。
日本では、古来から最上位の権力者のことをカミと称してきました。
武家政権で見てみると、庶民にとってのカミとは領主のことで、武士にとってのカミとは主君、公家にとっては天皇にあたります。
第二次世界大戦後は「お上」が天皇を表すことはなくなり、揶揄的に役所や政府、政府機関などを指すだけになっています。
料亭や旅館などを取り仕切る女性を「女将」というと書きましたが、本来は「御上」が正しい表記なんだそうです。
そして、貴族や貴族の家を「御上家(おかみけ)」といったりします。
領収書などに書く「上様(うえさま)」は、江戸時代の征夷大将軍が由来とされます