ONCC摂津教室 平成29年度第5期生 歴史と文学の”人と心”を学ぶ科

摂津市コミュニティセンターで、若井敏明先生、鈴木明子先生、斉藤恵美先生の先生方が交代で講義していただく教室です。

H30.02.26. 学習成果発表会

2018年02月26日 | 日記

今日は学習成果発表会、最後の授業でした。

1班は小野小町

小町の生涯を年代に沿って

一人一人自分で調べた結果

を学習成果として発表して

いただきました

 

 

 

 

 

2班は鑑真

中国から渡来の苦労話を丁寧に

説明されました。校外学習で

奈良方面を散策した時の

エピソードが面白かったです

 

 

 

 

 

3班は聖武天皇です。

恭仁京跡まで出かけて行って

その規模など実感したようです

研究熱心な態度に感心させられ

ました。

 

 

 

 

4班は「摂津を知ろう」ということで 

教室のある摂津市についての発表

です。ボランティアの方の熱い地

元愛に感激したことを、皆さんに

知っていただきました。

 

 

 

全部の班の発表の後、若井先生から「自らの足で訪ね歩いて得た成果を

纏めて発表する」というテーマに沿った学習成果発表であったとの

講評をいただきました。若井先生、一年間ありがとうございました。

午後からは茶話会を開き一年間の楽しかった思い出などを語り合い

本年度の授業を終了しました。よい仲間に恵まれた充実した一年でした

若井先生、斉藤先生、鈴木先生そしてクラスアドバイザーに感謝です。


H30.02.05. 鴨長明(方丈記) & クラスミーティング(発表会準備)

2018年02月05日 | 日記

本年度教室での最後の講義は斉藤恵美先生の『鴨長明(方丈記)』でした。

原文を読み下しながらの講義・解説が進みました。

鴨長明という人物:京都下鴨神社の禰宜一族、父親没後神官として出世の道閉ざされ

  50歳で出家、大原・日野に遁世、日野にて『方丈記』を書く

『方丈記』について:様々な先蹤作品を踏まえ、それらを自身の文章に融解し、

  流麗な和漢混合文で描かれた散文。

『方丈記』の構成

 ・序文--無常の世における人と栖のはかなさ

 ・世の不思議(五大災害)--若い時の災厄で経験した世の中の人と栖のはかなさ

 ・遁世のきっかけ--自身の境遇と住みにくい世に生きる悩みから遁世生活へ

 ・日野の方丈での閑居の楽しみ

 ・結び--死に近付き、方丈の生活での自分と心の修行を省みる

【序文】ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。(文章が美しい)

【世の不思議】

〇安元の大火:安元3年 1177 都の舞人を宿す仮宿から出火、朱雀門・大極殿・

  民部省など三分の一が燃える

長明の所感人のいとなみ、皆愚かなる中に、さしもあやふき京中の家をつくるとて、宝を費やし

          心を悩ますことは、すぐれてあぢきなくぞ侍る

〇治承の旋風:治承4年 1180 中御門京極あたりから、六条まで吹き抜ける

長明の所感辻風は常に吹くものなれど、かかることやある。ただ事にあらず。

      さるべきもののさとしかなどぞ、疑い侍りし

〇福原遷都:治承4年 1180 長明は「都」は動かないものと考えていた

〇養和の飢饉:養和元年 1181-翌年 春夏の旱、秋冬の洪水⇒不作

      翌年疫病の流行⇒飢饉の蔓延、餓死者多数

〇文治の大地震:文治元年 1185 余震もヶ3か月ほども続いた

長明の所感四大種の中に、水・火・風は常に害をなせど、大に至りては、異なる変をなさず

【遁世のきっかけ】

〇自分の身と栖の変遷と心の悩み:漱石の「草枕」に通じるものがある

〇自身の境遇:父方の祖母の家に入ったが、30歳ころ鴨川のほとりに居宅を構え

    50歳で出家遁世、大原山に籠る

【日野の方丈での閑居の楽しみ】

〇日野での栖:祖母の家の1000分の1の方丈の庵

〇方丈での生活:念仏と数寄

〇長明の行動範囲:心と体が連動している

〇草庵生活の心境:世の中・世の人との比較⇒人の為に造らず

【結び】

〇従来の仏教と末法以降の仏教の狭間:言葉になって出てはこないが、

   口では南無阿弥陀仏となっていく

   

  日野の所在地図     方丈の図     方丈のイラスト

 

斉藤先生の考え(受け取り方が間違っているかもしませんが独善で)

 長明は前時代的、長明が追及した境地と新しい時代の流れの違いがあった

 長明はこの世界から本質を掬い取る超越的天才・西行にあこがれを持ち

  同時代に生きた、法然・栄西・慈円等の台頭するのと対照的であった?


午後からはクラスミーティングがあり、各班とも学習成果発表会準備をしました