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ロータスエリーゼ日記

■モデル比較

2006年12月01日 | elise
 エリーゼへの乗り換えを決意したら、次の悩みはモデル選定です。以前の僕なら借金をしてでも迷わずエクシージを選んでいたでしょう。しかし、今回のテーマは「リセット」ですから、ここでエクシージを選んでしまっては元の木阿弥(笑)。またレースとタイムアップにのめり込んでしまいそうです。                      

 そこで、対象を111R(現エリーゼR)、111S(ローバー160ps)、スタンダード(以下、Std/ローバー120ps)に絞りました。                            
 ここでラインナップをいったん整理します。乱暴に言えば、ローバーエンジンの生産終了に伴い、160psの111モデルはトヨタの2ZZ・192psエンジンを載せる「111R(現エリーゼR)」となり、最近になって120psのStdモデルもトヨタの1ZZ・136psエンジンを載せる「エリーゼS」となりました。          
 中古を含めて検討する僕にとっては、そのどれもが比較検討対象というわけです。                          

 今回レースやタイムアップは主目的ではないとはいえ、これまでもアルファ156でのサーキット走行では、何度もV6やGT-Aの前に涙を飲んだことを僕は忘れていません。コーナーの続くセクションで詰めても、直線で置いて行かれてしまう・・。そんな思いはもう嫌だと思っていました。ですから、最初の時点では気持ちは完全に111Rに傾いていました。

 そんなことを思っていた夏のある日、僕は111Sの中古車が出たと連絡をもらい、試乗に行きました。気持ちはRでしたから、その日、僕はあえて111Rの新車と比較試乗させてもらいました。             
 結果としては、111Sに思い切り惹かれました。確かに111Rの高回転でのパンチ力は魅力でした。が、111Sもそれほど劣っているとは思えませんでした。それに、ブレーキサーボなどが装備された豪華な111Rより、111Sのほうがずっと楽しく感じたのです。わずかながらも重量も軽いし、余計な装備も付いていないし、希少性も高いし。気持ちはずず~んと111Sへと傾きました。     

 しかーし、その後、この111Sをタッチの差で逃した僕に、魅力的な111Sの情報は回ってきませんでした。111Sはすでに生産されておらず、中古を待つしかありません。ウィザムカーズのS原さんに、「良いタマがあったら連絡してください。」とお願いしつつ、なかば諦め状態で時が流れました。                    

 冬になってウィザムさんからStdでお勧めのタマが出そうという情報をもらいました。僕的には、「いくらなんでも、120psのStdという選択肢はないな・・」と思っていたのですが、改めて考えれば、そもそもエリーゼ最大の魅力は軽さであるはず。エリーゼのエンジンはエクシージでさえたかが192psのトヨタエンジンです(車重からすれば凄いのだけど)。・・・とすれば、「軽さを追求する」のがエリーゼの正しい楽しみ方なのではないか・・と考えました。       

 そこで、この中古のStdとその後継モデルであるエリーゼS、この2台を乗り比べてみたくなりました。120psのStdは、もう新車はありませんから、試乗はなかなかチャンスがありませんでしたが、ウィザムさんのお骨折りによって実現しました。   

 まず、120psローバーエンジンのStd。乗り出して感じるのはやはり軽さ。出足で車重を感じさせないためモタつかず、ハイパワーの大排気量車のようにスッと出ます。そこから速度をのせていく際にも、軽さは効いているようです。ただ、フル加速してみると、やはり中間加速から高回転にパンチ力のなさを感じます。回転の上昇がちょっと遅いかな。                    
 このStdは吸排気に手が入っていました。この影響なのかどうかわかりませんが、このクルマは、この後試乗するSよりもアクセルが敏感だったように思いました。

 次にエリーゼSに乗り換えると、これはもう”進化”を感じてしまいます。いや、「洗練」と言う言葉のほうがよいでしょうか。カタログデータではたったの10数馬力の差ですが、全域でStdに比べて明らかにトルクフルです。いや、場合によってはRよりも・・?という感じがします。なので、街なかではパワフルに感じるし、気遣いも必要ありません。 
 ブレーキは普通のクルマ同様サーボ付きなので、軽く踏んでもぎゅっと効きます。シフトフィールもかっちりしています。高回転の伸びはRには到底及びませんが、Stdより
はしっかりと「力」を感じます。これはこれでとても楽しい。思いのほかSは気に入りました。                     
 多くの局面で、まんべんなく一番楽しめるのは、意外とこのSかもしれません。ただ、強いて言えば、普通のクルマになっちゃっているなぁ(それがロータスの狙い?)と思いました。            

 さて、比較の結果ですが、Sの全域でのトルクと洗練さを選ぶのか、Stdの軽さと素を選ぶのか、の迷いになります。しかし、実際買うとなると、ここに「価格差」という現実的な要素が加わります。    
 Stdに比して、トヨタエンジン車は、概ね、Sで50万円~、Rなら100万円の差(中古で)になってしまいます。         
 今の自分にこの100万円は辛いです・・。子供も大きくなるし、家も買い換えないといけないし。                  

 徹底して感覚をとぎすまし、試乗によって選択の決着をつけようと目論んだ僕の狙いはあっけなく返り討ち似合い、結局、それぞれのモデルの良さ・魅力をまざまざと見せつけられて、なおさら悩む結果になってしまったのでした・・・。

■決意しました。

2006年12月01日 | elise
 ホームページ「アルフィスタへの道」にも書いたように、今年、近所にロータスの正規代理店の新店舗ができたことから、僕のエリーゼ熱が再発しました。半年以上にわたり、市場価格やモデル比較をし、最後は試乗を繰り返しました。そしてついに8年弱連れ添ったアルファとの別れを決意したのです。                              

 コツコツとモディファイをして自分好みに仕立て上げた、官能のアルファ156を諦めた経緯については、もうあらためて書きたくありません。書けば未だに未練タラタラだからです。それほど僕の156は楽しく、感性をくすぐり、満足感の高い1台だったのです。       

 ただ、しいて言えば、クルマのチューンには終点がないということです。なので、長い時間を掛けてコツコツと少しずつ進めていくのが趣味人の楽しみ方でしょう。しかしそこには、結構な投資や維持費が伴います。車検もあるし、消耗品も交換が必要だからです。それを怠ったり、方針を変更したりすると一気にバランスを崩したクルマになってしまうリスクがあります。
 僕の場合、家族構成が変わったり、それによってクルマを楽しむ方向性が微妙に変わった(レースやタイムアップ主体から、走行会やドライブ主体へ)ために、モディファイの方向性を見失い、クルマがとても中途半端になってしまいました。例えば、とてつもなく効く高価なブレーキを装備しながらその力を路面に伝えるタイヤはふつう~のラジアルだったり、LSDまで組みながら足回りはノーマルに戻していたり。

 なので今回の乗り換えのテーマは「リセット」。クルマは昔から欲しかったエリーゼとし、今度こそ「タイムを削る車」ではなく「楽しい車」を目指します。吊しのままで楽しんで、たまにそのまんまサーキットを走る・・・そのためにはエリーゼは最適・・だと思いませんか?  

 相変わらず156のエンジンは唄うように回り、クロスミッションは「アクセル踏んで~」と訴えてきます。別れを知ってか知らずか・・。でも、別れなければ出会いもない。どうか良いオーナーさんに出会い、また存分に走らせてもらって欲しい。そう願うばかりです。