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ロータスエリーゼ日記

■ 【試乗インプレ】シトロエン グランドC4ピカソ

2015年05月30日 | クルマ関連記事
 もう2月のことですが、子供たちと一緒にシトロエンのディーラーに試乗に行ってきました。

 狙いはモデルチェンジしたばかりのC4ピカソ/グランドC4ピカソです。特に後者は、一見ワンボックスのようなスタイルで7つのシートを持ち、その全てが独立しているという居住性と個性が豊かなモデルです。さらに広大なガラスルーフと運転席頭上まで伸びたフロントガラス(ゼニスウインドウとか、スーパーパノラミックウインドウと呼びます)により、解放感抜群のフレンチテイストあふれる「ファミリーカー」です。

 日本で人気のワンボックスカー、僕は昔から書いているようにど〜うしても好きになれません。そりゃ便利ですよ、大人数で移動するには。実際、我が家もホッケーの遠征ではいつも友人のワンボックスカーのお世話になっています。ですがドライビングを楽しみたい僕としては、重心が高く、重いワンボックスはストレス以外の何ものでもない。
 加えて、自動車はデザイナーの苦労とセンスの賜物であるのに、ワンボックスのデザインにはどうにも個性や主張が感じられない。いや、苦労は感じられますね。四角くて体積優先のワンボックスから「生活臭」を消すための苦労は・・。
 その際、多くのワンボックスが取るデザイン手法は「ヤンキーテイスト」を盛り込むことですね(笑)。多くの上級ワンボックスが、これでもかというほど「恐い顔」をしているのはそのせいでしょう。

 そのような中、さすが「おフランス」のC4ピカソは一味違いました。ぱっと見では小型のワンボックスのように見えるのですが、何とも安定とバランスの優美なデザインじゃないですか。日本のワンボックスは、ユーザーが比較する際にどうしても「たくさん乗れる」とか「広い」という基準を重視するため、デザインの制約がきついんですよね。乗車人数を減らしたりしては販売力にかかわってしまいます。C4はきっぱりと5名+2名の7人乗りとすることで、そのバランスやデザインの自由度を得ている気がします。



 で、乗ってみました。まず変なところに折れそうなシフトレバー。こんなところもシトロエンですね。慣れれば使いやすいのかもしれませんが。
 一方、電子デバイス系はフランス車らしくなく、レーンデパーチャワーニング、ブラインドスポットワーニング、自動ブレーキ支援や前車追従のアクティブクルーズコントロールなど一通りの安全装備を備えます。また、車外カメラによって360度の障害物が、まるで空から自分のクルマを見ているようにモニターに映し出されます(国産車にもあるやつね)。娘は「これ、どこから写しているの?」とガラスルーフ越しに空を見上げていました(笑)。

 C4ピカソのエンジンは、いまやこれがプジョー・シトロエンの最大排気量である1600ccターボです。通りに出てアクセルを踏み込めば、必要にして十分な加速は得られましたが、これが1600cc?と思わせたCクラスほどの力強さは感じませんでした(数値上はC4の方が10psほど高い)。当然ながら重さやボディ特性やミッションによる影響もあると思います。さらに人数を乗せるとどうなるのか・・ですね。
 一方ハンドリングは、それなりに重心の高さを感じるものの、意外にグラつくことはありませんでした。ロールはするのですが、プジョー同様のネコ足的な粘りがあります。これはもう少し試してみたいところでしたが、いかんせん試乗コースが大人しくて残念。
 まあ、加速やハンドリング云々を語るタイプのクルマではないので、十二分に合格点だと思います。逆に乗り心地は重視したいところですが、試乗した上級グレードは17インチだったためか、思ったより少しゴツゴツしました。16インチの方が安いし良いのではないかな?と感じました。

 インテリアですが、二列目のシートは、1席ごとにリクライニングはもちろん、前後にも動かせます。最後部へスライドすると前列の席に手が届かないほどの足元スペースです。事故ったら後ろからいろんな物や人が飛んできそうですが、この広さは後部席の人にとっては魅力でしょう。ただ、息子はあのバタバタ感のあったCクラスの後部座席の方がずっと乗り心地は良かったと言います。真偽はわかりませんが、子供の感覚って意外と鋭い時があります。
 シートの調整はすべて手動です。これはメモリー機能付き電動シートに慣れてしまった我が家にはとても不便です。妻と乗り換えるたびに微調整が必要になるからです。特に最前列のリクライニングは、欧州車の昔ながらのダイヤル式で、とっても面倒です。なお、受注生産の革製シート(40万円)にすると電動にできますが、ほとんど作ってないらしいです(笑)。
 リアゲートは大きなゲートの跳ね上げ式ですが、これまた電動ではないので、大きな荷物を持っている時は開け閉めが大変です。まあ開口部が広くて自動だと、たぶん危ないですけどね(笑)。

 頭上の解放感はやはりかなりのものです。パノラミックガラスルーフに加えて、フロントガラス上部のスーパーパノラミックフロントウインドウにより、ドライバー・助手席でも解放感を得られます。天気のいい日のドライブは相当に気持ちがいいことでしょう。ただ、ガラスが汚れていたら気になりそうですね(笑)。背の高い車だけに、ルーフガラスを常にきれいにしておくのは面倒だろうな・・といじわるな想像をしてしまいます。




 さて、このクルマの魅力はなんでしょう。やはりちょっと風変わりでおしゃれなフランス車的デザインと、パノラミックな解放感ではないでしょうか。そして、5人だけで乗ればかなり広大な居住性と荷室の広さも魅力です。家族で、友人とで、楽しくワイワイ移動するには、おしゃれで素敵なクルマだと思います。
 一方で、我が家のもう一つの重要ポイントである「高速長距離巡航性能」については未知数です。165psあるので巡航自体には問題なさそうですが、高速での追い越し加速やエンジンの唸りなどは若干の不安(想像)があります。それを心配するならばフランス車にしなければいい・・はい、その通りかもしれません。フランス車の魅力はそういった点ではないはずですからね(^^)。

 価格は、7人乗りのグランドC4ピカソの上級グレードで386万円。いろんな電子デバイスはついていますが、残念なのがシートで、ファブリック(革は+40万円)の手動調整です。前述のとおりリアゲートも手動です。ちょっと高いかなぁ。トヨタ・エスティマならハイブリッドにも手が届く価格です。


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