サンチョパンサの憂鬱

サンチョパンサの食卓 (43)

良し悪しは判断の埒外に置かれ……『醸成される空気の濃さ・圧力・拡散の勢い』によって物事は予定調和の想定通りに決せられていく。

政党の長であれ、県議会の運びであれ、教育委員会の案件の処理の運びにしても、その流れ方は怖いくらいにシンクロしている。

兵庫県知事の余りに常軌を逸脱した運びを質そうとする健全な人間達の目論見はまさに『生命をかけたもの』になったのである。

自民党幹事長だった二階俊博氏の『私は知らない』と嘯いた……河井克行事務所への一億円支出問題。
『要らんことは言わない方が良い』という空気が、高校の生徒会会費の使い方でも問題となる様な杜撰で幼稚でアカラサマな幹事長の長年の専横を黙認し続けた。

学校のイジメはイジメで、単独で存在するんじゃなく、そんな『この国の老若男女の各層、各界に蔓延する空気』……その文化的資質が決しているのである。

そんな『長年の悪しき世間の慣性力』によって阿吽の呼吸で行われる様々の悪行、悪癖……。
餓鬼の世界のイジメも、公金を使っての百鬼夜行の私物化も『淀み切った空気』によって実践されている。

『その空気の正体、責任者』を特定し正しい軌道に戻させる試みは百鬼夜行の群れもまた命懸けで潰しにやって来る。
そして兵庫県では『二人の戦士の命』が実際に奪われるに至ったのである。

生命を奪い去った悪行に一切斟酌しない知事の態度を、世間の正義の後出しジャンケンする人達が今更ながらに憤慨してみせるという幼稚な安手の善人演技も冷笑してやり過ごすしかない。

子供を何人も虐め殺しては……イジメはなかった?と嘯く教育委員会の日常茶飯事。
この知事さんの悪行どころでは無い『教育機関の子供の殺人放置』を看過し続ける世間が……この知事は酷い!なぁ〜んて力を持たない怒りを演技して見せたって何になる……?

『それ位で事足りる?』と日常に流され続けて来た僕達大人は『際限のない麻薬中毒』に冒されてしまっている。

日常性バイアス?なぁ〜んて病名つけて納得してるけど『皆という空気病』の症状は恐ろしく深刻な領域に踏み込んでいると思う。

自覚症状を持てる間に……一旦止まって考えることが必要なんじゃない……?
そんなぁ?大した事ないって?……って皆言ってますか……?
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