春雨じゃ

短歌を少しだけ。

驟雨のやうに突然詠んだり。

集中豪雨のやうにまとめて詠んだり。

印象批評 050:萌

2006-04-05 | Weblog
萌え出づる恋ひごころなど失ひてわれ七十の齢辿りつ ・・船坂圭之助

(生きてるだけでしんどい此の頃は余計な消耗を避けたいとの心に同感な風邪引きしゃっくりである)

>萌え出づる熱にうなされイビキかく寝返り打てば水洟垂れり・・しゃっくり

印象批評 049:戦争

2006-04-05 | Weblog
偉い人 戦争の意味 教えてよ 何を失い 何を得るのか ・・よっきゅん

(たぶん、あなたに教えるほど立派な意義などない)

種の明日を賭けた戦争 蟻たちは人間よりも正義が似合う・・ふしょー

(蟻の生存競争のほうが人間界の戦争より短絡で正義といふが目的においては大差ない)


印象批評 048:アイドル

2006-04-05 | Weblog
愛(うつく)しきこの子 わが家のアイドルも人から見ればたぶん悪ガキ ・・ほにゃらか

(悪いけど当たってる)

デイケアのアイドル紛争勃発し一番人気を競う君たち・・畠山拓郎

(デイケアのアイドルとは、当事者か介護者なのか)

当て逃げもくわえ煙草もセックスも誰にも内緒アイドルだもの・・暮夜 宴

(これがまた皮肉なことに充分に世間を知っていてこなれているほうが親しみ易いのだ)

しゃっくりの題詠100首

2006-04-05 | Weblog
001:風 なぜにこう浮世の事は気紛れや見えない風にふらふこ揺れし
002:指  邪魔するなきっと目を上げ吾の指血のにじむほどオカメは噛みぬ
003:手紙 絶縁を手紙で送り一年後姉妹は集ふ忘れたやうに
004:キッチン あこがれのキッチンなれどノルウエー産の塩鯖焼いて変わらず
005:並 お前もなもう少し並みであったなら引く手数多でもてただろうに
006:自転車 通販で買った自転車返品の荷造り難を誰そ知るらむ
007:揺れる おっさんは揺れる天井見上げては獣のやうな雄叫びを上げ
008:親 人の子の親にはならずわが道を堪能したりこれも人生
009:椅子 背高の椅子に座りて短歌詠むパソコンの横目薬置きつ
010:桜 梅雨空に届いた知らせ不明死や兄は桜の頃に出掛けし
011:からっぽ からっぽの心で母はなにを待つ老人だけの部屋の片隅
012:噛 ガムを噛む吾に頬寄せ狙いたるオカメ素早く掠めて盗りぬ
013:クリーム 病院へ行く前日のおっさんはクリーム塗りてにやけておりぬ
014:刻 待ちぼうけここが我慢の限界と刻すれ違ふ神は悪戯
015:秘密 あの世まで持ち込むほどの秘密なく大根のやう適合もせず
016:せせらぎ 人工のせせらぎを聞く春の日やブルーテントは一掃されし
017:医 ご近所の藪医者いつもしくじるが偽医者なぜか評判良くて
018:スカート  スカートをはけばがらりと声色もおんなになりて気味悪がられ
019:雨 雨よ降れ心の憂さを流すほど洪水となれ二時間後には
020:信号 変わるまで待てず飛び出す信号や自己責任の想定内で
021:美 名前負け美という文字の魔力には勝てず見えないものだけ磨き
022:レントゲン レントゲン見せて術後の腕自慢大腿骨の皹に及べず
023:結  結論を先取りすれば嫌われて挙句の果ての辞表となりし
024:牛乳 牛乳は飲むべからずの本を借り黙して返すめくることなく
025:とんぼ ベランダの竿にとんぼの止まり来て大阪の水美味くなりてふ
026:垂  垂れるのは引力のせい加齢ではなくてこの世は自己中だらけ
027:嘘  臨終の父に嘘つき誉められしみかんの苗は植え終わったと
028:おたく ある日からおたくと呼んで距離を置くあなた様ではわからぬ事情
029:草 鳥のためやっと見つけたはこべ草やれば首振り咥えて落とす
030:政治家 政治家よ大志を抱けこのままの与党であれば戦に負ける
031:寂 寂しくも半年足らずの失業で音沙汰無しの友となりてふ
032:上海  上海は商い易き街らしく知人は郷を捨て移り住み
033:鍵 家を購ひ真っ先に呼ぶ鍵替えの業者は高い物から薦め
034:シャンプー ローマより持ち帰りたるオリーブのシャンプー減らず今はいずこぞ
035:株 塩漬けの株はあまりに長過ぎて上がらぬままに駄賃と消えし
036:組  組合は潰れぬものとみつけたり所詮ガセネタ廃業したり
037:はなびら 花びらを拾い集めて湯に放つ薔薇は匂ひて魔法をかける
038:灯 灯を消せば悪戯オカメの静まりて朧月夜の温き闇かな
039:乙女 紅頬を抜かれ悲鳴の乙女鳥恋を解さぬやんちゃ鳥なれ
040:道 あの道も向こうの道も工事中決算月の祭りですゆゑ
041:こだま 凱旋車爆音の歌こだまして昼寝の夢を続編にする
042:豆 鳩ならば豆が好きだというなかれみんなで順に踏みつけ蹴った
043:曲線 無限大記号曲線ブーメラン無駄飯食ってせかせか歩く
044:飛 飛び上がる値段を値切りまだ買わぬほんまは欲しくもなんともなくて
045:コピー コンビニでコピーをしてる会社有り企業情報もれもれやんか
046:凍 なぜに君同席出来ぬ訳も無く凍結かもよこれから先は
047:辞書 窮すれば電子辞書開け検索しさらに棚より取り出し引きぬ
048:アイドル アイドルは旅芸人で追っかけの友は財産食い潰すかも
049:戦争 戦争は六十周年で繰り返す恒久平和などは有り得ず
050:萌  多肉にも萌え立つ季や紅蕾つけて十日目咲くを見張りぬ
051:しずく のっそりと起き上がるのを待たずして尿路より洩る無念のしずく
052:舞  はるかなる海を渡りし蝶の舞ふベランダに来て陽と戯れし
053:ブログ 日記でもなくブログとふおもしろき文明の利器君と知り逢ふ
054:虫 地を走る松虫駅は陰陽の誕生地なり遮断機の鳴く
055:頬 鎌倉の峠で友は迷わずに頬にかかる涙伊語で歌ひし
056:とおせんぼ とおせんぼ中高年の求職は職安にさえ相手にされず
057:鏡 化粧する鏡の前にオカメ来て吾より巧く口笛吹きぬ
058:抵抗 挿餌より育てた鳥はすんなりと抵抗もなく人に凭れる
059:くちびる  くちびるに艶を与えて発情す君は車内で爪研ぐ魔女や
060:韓 雄鳥の韓紅の丸き頬いよよ黄色に顔のりりしき
061:注射 かの人へ注射打ちたし瞬のあり国会中継茶番劇かな
062:竹 若竹にほどよい若芽見かけたが生憎奴はまだ土の中
063:オペラ オペラめく有志の会へ誘われて断る末の誉め殺しかな
064:百合 故郷の墓に群咲く白百合や女系で滅ぶ一族となり
065:鳴 不幸なら共鳴出来る悪魔飼ふ心いびつな此の頃である
066:月 ふたり見る月は雑念多かりし月はひとりで観賞すべし
067:事務 ベテランと言われ内心嬉しがり実はお局事務員やんか
068:報 祝電を元同僚に依頼され社電で済まし報告はせず
069:カフェ 用無くて死語となるものふたつ有り乗らぬタクシーと入らぬカフェと
070:章 章節のわからぬ仕事引き受けし手書きの意味は節約らしき
071:老人 入院し老人扱いされており若き思考は棄却されたり
072:箱 しらぬ間に箱物三昧大阪のゴミ処理場はデザイナーズで
073:トランプ アメリカにトランプという富豪有り噂途絶えし泡と消えたか
074:水晶 新たなる水晶を埋め鮮明に映る景色は幸や不幸や
075:打 打たぬならプロではないと罵って打てば流石と虎キチの激
076:あくび  食後には大あくびして膝の上オカメらの午後共に惰眠す
077:針 寿の君は天国引き継いだ吾は地獄の針の筵や
078:予想 予想ならしたけど結果こうなった美味くならない釘煮であった
079:芽 芽の出ない花はさんざんケチつけて咲けば上手に教えたからや
080:響 春雷や打てば響くの例え有りにわかに暗雲立ち込め候
081:硝子 網入りの強化硝子の向こう側飛行機雲が左へ走る
082:整 整えて旅行カバンに荷札貼る格安ツアーは体力勝負
083:拝 拝みますノルマ厳しくクビになる後の便りは栄転につき
084:世紀 薄幸の民は世紀の偶然を努力ではなく強運と呼ぶ
085:富 富士山は美人の客に顔見せぬならば拝めず吾は死ぬのか
086:メイド メイドカフェ冥土に喫茶出来たのか耳ではなくてなにやら脳が
087:朗読 朗読を始めましたと送られしテープは操作違へ無言に
088:銀 銀ちゃんの縁の下なる支えなど通用しない世情なりけり
089:無理 無理をして働き過ぎて手遅れで早く死にましょお国のために
090:匂 匂ひには癒し効果のあるらしく理屈三昧高けりゃ売れる
091:砂糖 夕映えの畑で砂糖キビを食み口角切りし子供の頃に
092:滑 滑ったら自分で茶化し取り戻すなにわの会話笑うてなんぼ
093:落 落合は自己流でなくオレ流と自慢したがるただの親父で
094:流行 生花を頭に挿して微笑むは流行だらうか異常者なのか
095:誤 誤ってオカメ飛び込む鍋の中夕食膳に盛られず逃げた
096:器 百均の食器を求め飯を盛る山茶花の茎箸置きにして
097:告白 慣れた頃実年齢を告白す六歳の差で採用の後
098:テレビ 新作のテレビを買えば一年でほぼ半額に値を下げており
099:刺 お嬢さん足首に這ふ毒蜘蛛に注意しなさい刺青にしろ
100:題  三日前題詠を知り好奇心かきたてられてゲームは終わり

:気に入ってます。