ミリタリーまめ知識ブログ

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シリア内戦 わかりやすく書いてみました。 その3

2013-08-28 11:24:44 | ミリタリー




【シリア内戦をわかりやすく解説するシリーズ その3】

シリア内戦をわかりやすく、過去3回に渡り書いてきましたが、今回はその第3回目です。

シリア内戦ってそもそもなに!!?という方はこちらをまず読んで頂くとわかりやすく理解できると思います。
⇒⇒⇒シリア内戦をわかりやすく書いてみた。

2013年8月27日、アメリカはシリアに対して「用意は整っている。」との通告を出したと各報道機関から報じられました。

一体なんの「用意」が整っているのでしょうか。シリアは今後、どうなっていくのでしょうか。わかりやすく書いてみました。





~シリア内戦の現状を分かりやすくサラッとおさらい~

まず、シリア内戦の現状を軽くおさらいしておきますと、

政府(アル=アサド大統領政権) VS 反政府勢力(政府に反対する反乱軍みたいなもの)

という構図になっています。

両者の間で戦闘が繰り返されているので、内戦というわけです。

で、問題はこの戦闘のなかで、化学兵器が使われた可能性が高いということ。

化学兵器の生産及び使用は国連で禁止されているのです。

シリア内戦で化学兵器が使用されたことがなぜ分かったかというと、

アサド政権側と反政府勢力側の両方が「相手が化学兵器を使って攻撃してきました」と言ったからです。

シリア内戦で化学兵器が使われたとなれば国連は黙って見ているわけにはいきません。世界の平和を維持するのが国連の目的だからです。

化学兵器が使用されたとされるのは、シリアの首都ダマスカス付近。兵士以外の女性や子供含む350人以上が死亡したとされています。





~国連による調査団派遣~

シリア内戦で化学兵器が使用されたと聞いた国連は、シリア国内に調査団を派遣します。2013年8月26日のことです。

調査団は、現地の人に聞き取り調査をしたり被害者の血液サンプルを採取したりして、28日現在も調査を進めています。しかし、内戦によりシリアの治安は不安定。調査は難航しているようです。(実際に、調査団の車が銃撃を受けています。)





~シリアの内戦にからむアメリカ~

混乱をきわめるシリア内戦ですが、これについてアメリカがコメントをし始めます。

アル=アサド政権に対して「強行的に国民を排除するのは良くない。犠牲者の数も計り知れない。すぐにやめるように」といった感じのコメントです。

さらに今月、調査団が現地入りしてからは「アル=アサド政権が化学兵器を使用した証拠を掴んだ」とコメントし、「アメリカは全ての選択肢を視野に入れていて、その用意ができている」とコメント。

用意とは「軍事介入の用意」ができているという意味に他なりません。

オバマ大統領は「用意はできているが、決断はしていない」とコメントしているので今のところは慎重な姿勢も残ってはいます。

しかし、アメリカがアサド政権を軍事的に解体(つまり、シリアと戦争)する可能性がここにきて非常に高くなっているのです。





~ロシアの反応~

アメリカが軍事的にシリア内戦に介入する姿勢が強くなってきたので、ロシアは

「証拠もないのにアサド政権が化学兵器を使用したと決めつけるな。国連安全保障理事会の承認なしで軍事介入が行われれば国際法の甚だしい侵害になる。重大な国際法違反だ。」

とコメントしています。

じつは、ロシアはアサド政権と比較的仲が良く、一部では武器などの軍事支援もしているとのハナシもあります。

ですので、アメリカの軍事介入を準備する姿勢を批判しているわけです。そもそもアメリカとロシアって昔から仲が悪いですしね。この反応は当然のことのような気がします。

ついでに言うとアメリカも、反政府勢力を支援しているとのハナシもありますよ。



~シリア内戦今後の展開~

シリア内戦の今後の展開ですが、このままいけばおそらくアメリカがシリアを攻撃するでしょう。

そして、シリアに乗り込んだアメリカ軍が化学兵器を探す・・・なんて展開が容易に予想できます。

最短で29日にシリアにミサイル攻撃が開始されるという報道もあります。今この瞬間、何が起きても不思議ではないわけです。

個人的には、経済復興のまっただ中にある日本に悪影響が出ないことを祈るばかりです。

そしてもっと正直言うと、個人的にはアメリカへの不信感は拭えません。

別にロシアを擁護するわけではありませんが、証拠があいまいなような気がします。ニュースでも証拠とされる画像や映像がかなり少ないですし、以前にもこんな展開ありましたし・・・。

いずれにせよ、シリア内戦は不安な展開です。


(写真はペルシャ湾を航行するアメリカの駆逐艦。ここからミサイル攻撃が予定されています。)


以上、今回はシリア内戦をわかりやすく解説する記事でした。

それでは。

ステルス戦闘機 F35 日本配備 本当の意味とは

2013-08-26 23:50:56 | ミリタリー



今回は、ステルス戦闘機 F35 日本への配備についてです。

「あまり詳しくないかも・・・」という方は、こちらを見て頂くと非常に分かりやすいと思います。
⇒⇒⇒<<ステルス戦闘機F35についてわかりやすく解説>>

さて、ステルス戦闘機F35が日本へ配備されることが決まりました。(これは今多方面でニュースになっていますので、知っている方が多いと思います。)

しかもこのステルス戦闘機F35は、日本の部品を使用し、日本で生産されることが決まったのです。

戦争をしない国なのに、日本でステルス戦闘機が生産されるなんてなんだかスゴいことですよね。

ステルス戦闘機F35(しかも国産!)が配備されることが決まり、いろんなひとがいろんなことを言っています。

「ステルス戦闘機F35は本当に必要なの?」
「国産のステルス戦闘機がちゃんと飛べるの?」
「国産にすることによってコストが上がる!」

などなど。

ステルス戦闘機F35、今回はこれについて調べてみました。


(離陸するステルス戦闘機F35)



~現在、日本で活躍してる戦闘機~

ステルス戦闘機F35が、次世代のメイン戦闘機として日本の空を守ることになったわけですが、

では、現在日本で活躍している戦闘機はどんなものなのでしょうか。

航空自衛隊では、主に20種の航空機が現役バリバリで活躍しています。

今回は戦闘機部門の二機種をご紹介。

まずはこちら。



F4EJという戦闘機です。米軍で活躍しているF4Eを日本用に改良したものです。何が改良されているかと言うと、アメリカのは攻撃型で日本のは防御型にカスタマイズされています。

それからもうひとつの戦闘機がこちら。



F15といいます。みなさんの頭の中にある戦闘機のイメージは、このF15ではないでしょうか。

別名イーグルと呼ばれ、日本の制空権を守る主戦力として活躍しています。現在日本全国に約200も配備されているんですよ!

他にも戦闘機や輸送機がいろいろあるんですが、ここでは割愛します。

で、これらの戦闘機には、ステルス機能は搭載されていません。

近年、近隣諸国でステルス戦闘機の開発が盛んになってきたのを受けて、日本でもステルス戦闘機を標準装備にしようということになったわけですね。



~そもそもステルス機能ってなに?~

ステルスステルス言ってますけど、ステルスって一体どういう機能??という方の為に、ここで簡単に書いておきます。

ステルス機能とは、ひとことで言うと「レーダーに探知されにくい機能」です。

例えて言えばスナイパーや忍者。敵にこちらの存在を気付かれることなく接近し、攻撃または迎撃ができるということです。

航空機を捕らえるレーダーの仕組みは、電波を発射して跳ね返って来た電波を解析し、戦闘機の存在を捉えてモニターに映し出します。

しかし、ステルス戦闘機はこの電波を吸収または分散し、敵のレーダーに電波が返っていかないような仕組みになっています。

この画像を見て頂くと分かりやすいです。



もちろん、絶対に探知されないという保証はありませんが、ステルス機能を持たない戦闘機よりは探知される確率はグッと低くなるわけです。



~ステルス戦闘機F35は本当に必要なのか~

今回日本での生産と配備が決まったステルス戦闘機F35。しかし、これには賛否両論があります。

ステルス戦闘機F35が実際に配備されたとき、その主な業務内容はどんなものなのでしょうか。

それは、近隣諸国の航空機が日本の領空内に侵入してきた際、緊急発進(スクランブル発進)し、他国の戦闘機を追い返すことが主な任務になります。

状況としては敵が向こうからこちらに向かってきているので、敵に気付かれずに接近する必要などないワケです。

むしろ侵入してきた敵の前に立ちはだかって、「これ以上は行かせん!!引き返しなさい!!」とやるのが任務な訳です。ですから、ステルス機能がこの任務で生きるとは思いません。

しかも、敵にステルス機能のデータを事前に採取されてしまうと、いざこちらから気付かれずに接近となったときにレーダーに映る確率が高まります。

なので、敵を日本の外に追い返す任務では、ステルス機能をOFFにすることが予想されています。

じゃあステルス機能意味なしwww

いいえ。

個人的にはステルス機能は非常に意味有りだと思います。

日本の空を「守っている」うちはいいです。これが仮に近隣諸国が攻めて来たときどうでしょうか。

敵からしたら、どこからステルス戦闘機F35が接近してくるかわからない状況は恐怖なのではないでしょうか。

なので、ステルス戦闘機F35が「意味ない」なんてバカにされているくらいのほうが、平和で良いのではないでしょうか。

「いやいや実際に近隣諸国が攻めてくることなんてある訳ないじゃん」と思った方。危機感なさ過ぎです。

2011年のデータではありますが、10月13日までで日本の戦闘機が緊急発進した回数は203回。そのうちロシア機の侵入によるものは106回、中国機によるものは83回にものぼるのです。



~これからのステルス戦闘機F35の運命~

ステルス戦闘機F35が日本で組み立てられることになっていますが、部品の一部も日本の企業(三菱電気と三菱重工業)が生産するみたいです。

米国の部品を使うよりコストが1.5倍になるそうですが、内需の拡大を狙ってのことでしょうか。いずれにせよ、良い経済効果を生んでくれることを期待しちゃいます。

もしかしたら日本の首脳陣

ステルス戦闘機F35、正式配備までしばらくはテスト飛行と改良を繰り返すことになると思います。

事故・事件など無く、順調に進むことを願っています。

以上、今回はステルス戦闘機F35についてでした。


集団的自衛権とは?? わかりやすく書いてみた

2013-08-05 12:35:59 | ミリタリー



集団的自衛権を死ぬ程分かりやすく書いてみました。】

※こちらのページで詳しく解説していますので、ぜひこちらをご覧下さい。
 ⇒⇒⇒<<集団的自衛権をわかりやすく解説!!>>


ニュースでよく耳にする集団的自衛権というコトバ。

なんだかすごく難しそうに聞こえますが、いったいどういう意味があるんでしょうか。

安倍総理が「集団的自衛権の行使を認めるべきだ」なーんて言っているみたいですが、これもどういう意味でしょう。

今まで集団的自衛権についてなんとなくしか知らなかったので、調べてみた結果をシンプルにわかりやすくまとめてみました。





~集団的自衛権の「集団」の意味~

集団的自衛権。

ひとことでわかりやすく言うと、

「友達が絡まれたら一緒になってやりかえす権利」

です。

つまり、

他の国(例えば北朝鮮)が日本の同盟国(例えばアメリカ)に向けてミサイル発射!!!!という事態になったとき、

日本はただ見ているだけではなく、発射されたミサイルを撃ち落とす権利がある、ということ。

もっと分かりやすく言うと、

友達(アメリカ)がチンピラ(北朝鮮)に絡まれたとき、自分が絡まれたときと同じように対処することができますよ、というもの。これが集団的自衛権。

だから、集団的自衛権の「集団的」というのは、「友達(同盟国)と一緒に」という意味です。




~集団的自衛権の何が問題なの??~

「友達がやられたら一緒にやりかえす権利」、集団的自衛権。

で、この集団的自衛権のなにが問題でそんなに騒がれているのでしょうか。



実は日本では、集団的自衛権は「国連からは認められている」けれども「日本の憲法では認められていない」のです。

つまり、国連からは「友達がやられたらやり返していいよ」と言われているけど、

日本の憲法は「友達がやられてもやり返しちゃダメ」と言っている状態なんです。

なんだか奇妙なハナシですが、とにかくそんな状態。

で、この集団的自衛権を禁止しているのが、憲法第9条なんです。

憲法第9条は、平和についてのことがいろいろ書かれているんですが、

これが集団的自衛権の行使(集団的自衛権を使う=一緒になってやりかえすこと)を禁止しています。

この状態に対し、

「集団的自衛権の行使を認めるべきだ!!」と言っている人と、

「集団的自衛権の行使には反対!!」と言っている人がいるわけなんです。

安部総理は、「集団的自衛権の行使を認めるべきである」と主張。

で、ここからがさらに問題の引き金となる部分なのですが、

集団的自衛権を行使できるようにするため、

「じゃあまず集団的自衛権を禁止している憲法を書き変えちゃおう!!」

というのが、集団的自衛権に賛成派の意見です。

逆に、

「日本が戦後から大切にしてきた平和の条項が書かれた第9条を、軍事行動ができるようにするために変えちゃうなんてけしからん!!」

というのが反対派の意見なのです。





~集団的自衛権に反対する他の理由~

集団的自衛権に反対派が、反対する理由は他にもあります。

アメリカや旧ソ連は過去に、集団的自衛権を名目に戦争や空爆をしたことがあります。

いずれ日本も「これは集団的自衛権の行使だ!!」とか言って他国に戦争を仕掛けちゃう恐ろしい国になってしまうんじゃないの??というのも、集団的自衛権に反対派の意見です。

また、アメリカが国連の決議もなしに行ったイラク攻撃やユーゴスラビア爆撃。

こういうことがまた起こったとき、アメリカから「集団的自衛権使って日本も手伝ってよ!」って言われたら断れないじゃん!!

という意見もあります。





~集団的自衛権の今後~

集団的自衛権の行使、今後はこのまま行けば認められることになると思います。

本日2013.8.5、首相の諮問機関(参考になる意見や資料を提示する相談役みたいなもの)である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(略して安保法制懇)は、集団的自衛権の行使容認を提言する方針を固めたそうです。

わかりやすく言うと、「総理、集団的自衛権が使えるようにしたらどうですか?」と意見を入れ、集団的自衛権の行使に賛成の安部総理の背中を押したということです。



~集団的自衛権の行使、個人的には・・・~

集団的自衛権の行使について、個人的には賛成ですがやるなら慎重にやってほしいです。また、なんでもかんでも「集団的自衛権の行使だ!!」にならないように、審議する仕組み作りも一緒に行った方がいいのではないかとも思います。

今後、また動きがあると思います。

自分の国のことなのでしっかりと関心を持っていきたいです。




シリア内戦 わかりやすく書いてみました。 その2

2013-08-01 21:13:28 | ミリタリー




2013年7月31日、

国際連合は、

「シリア内戦で化学兵器が使用された疑いがある件について、調査団を派遣するという内容をシリア政府と合意した」

と発表しました。

調査団は最短で来週にもシリアに向かうそうです。


現在シリア内戦の構図は

政府(アサド政権) VS 反政府勢力(国民)

って感じになっています。


この対立では、どちらの勢力にも関係のない女性・子供も巻き込まれ犠牲になっています。

先日7月25日には、国連から「シリア内戦による犠牲者は10万人を超えた」と発表しています。

ほんとうにひどいことです。


今回の化学兵器だって、猛毒のサリンを装填したミサイルが使用されたというハナシです。こんな凶悪な兵器、ゲームでも出てきません。


シリア内戦で科学兵器が使用されたとされる箇所は全部で13箇所。化学兵器に関する調査団はシリア国内のまずは3箇所に送られるようです。

政府側と反政府勢力側はお互いがお互いを指差して「あっちが化学兵器を使ってきました」と言っている状態。まるで子供のけんかみたいです。



内戦が泥沼化している背景には、

ロシア・・・政府側を支援
アメリカ・・・反政府勢力を支援

という構造があります。よくある構図です。



もう化学兵器調査団でも軍事介入でもなんでもいいです。

個人的には一秒でも早く、内戦が終わることを願うばかりです。


今回は、シリア内戦で化学兵器が使用された件についてでした。


シリア内戦についてはこちらも参考にして頂ければと。

<<シリア内戦 分かりやすく書いてみた。>>

それでは!