【シリア内戦をわかりやすく解説するシリーズ その3】
シリア内戦をわかりやすく、過去3回に渡り書いてきましたが、今回はその第3回目です。
シリア内戦ってそもそもなに!!?という方はこちらをまず読んで頂くとわかりやすく理解できると思います。
⇒⇒⇒シリア内戦をわかりやすく書いてみた。
2013年8月27日、アメリカはシリアに対して「用意は整っている。」との通告を出したと各報道機関から報じられました。
一体なんの「用意」が整っているのでしょうか。シリアは今後、どうなっていくのでしょうか。わかりやすく書いてみました。
~シリア内戦の現状を分かりやすくサラッとおさらい~
まず、シリア内戦の現状を軽くおさらいしておきますと、
政府(アル=アサド大統領政権) VS 反政府勢力(政府に反対する反乱軍みたいなもの)
という構図になっています。
両者の間で戦闘が繰り返されているので、内戦というわけです。
で、問題はこの戦闘のなかで、化学兵器が使われた可能性が高いということ。
化学兵器の生産及び使用は国連で禁止されているのです。
シリア内戦で化学兵器が使用されたことがなぜ分かったかというと、
アサド政権側と反政府勢力側の両方が「相手が化学兵器を使って攻撃してきました」と言ったからです。
シリア内戦で化学兵器が使われたとなれば国連は黙って見ているわけにはいきません。世界の平和を維持するのが国連の目的だからです。
化学兵器が使用されたとされるのは、シリアの首都ダマスカス付近。兵士以外の女性や子供含む350人以上が死亡したとされています。
~国連による調査団派遣~
シリア内戦で化学兵器が使用されたと聞いた国連は、シリア国内に調査団を派遣します。2013年8月26日のことです。
調査団は、現地の人に聞き取り調査をしたり被害者の血液サンプルを採取したりして、28日現在も調査を進めています。しかし、内戦によりシリアの治安は不安定。調査は難航しているようです。(実際に、調査団の車が銃撃を受けています。)
~シリアの内戦にからむアメリカ~
混乱をきわめるシリア内戦ですが、これについてアメリカがコメントをし始めます。
アル=アサド政権に対して「強行的に国民を排除するのは良くない。犠牲者の数も計り知れない。すぐにやめるように」といった感じのコメントです。
さらに今月、調査団が現地入りしてからは「アル=アサド政権が化学兵器を使用した証拠を掴んだ」とコメントし、「アメリカは全ての選択肢を視野に入れていて、その用意ができている」とコメント。
用意とは「軍事介入の用意」ができているという意味に他なりません。
オバマ大統領は「用意はできているが、決断はしていない」とコメントしているので今のところは慎重な姿勢も残ってはいます。
しかし、アメリカがアサド政権を軍事的に解体(つまり、シリアと戦争)する可能性がここにきて非常に高くなっているのです。
~ロシアの反応~
アメリカが軍事的にシリア内戦に介入する姿勢が強くなってきたので、ロシアは
「証拠もないのにアサド政権が化学兵器を使用したと決めつけるな。国連安全保障理事会の承認なしで軍事介入が行われれば国際法の甚だしい侵害になる。重大な国際法違反だ。」
とコメントしています。
じつは、ロシアはアサド政権と比較的仲が良く、一部では武器などの軍事支援もしているとのハナシもあります。
ですので、アメリカの軍事介入を準備する姿勢を批判しているわけです。そもそもアメリカとロシアって昔から仲が悪いですしね。この反応は当然のことのような気がします。
ついでに言うとアメリカも、反政府勢力を支援しているとのハナシもありますよ。
~シリア内戦今後の展開~
シリア内戦の今後の展開ですが、このままいけばおそらくアメリカがシリアを攻撃するでしょう。
そして、シリアに乗り込んだアメリカ軍が化学兵器を探す・・・なんて展開が容易に予想できます。
最短で29日にシリアにミサイル攻撃が開始されるという報道もあります。今この瞬間、何が起きても不思議ではないわけです。
個人的には、経済復興のまっただ中にある日本に悪影響が出ないことを祈るばかりです。
そしてもっと正直言うと、個人的にはアメリカへの不信感は拭えません。
別にロシアを擁護するわけではありませんが、証拠があいまいなような気がします。ニュースでも証拠とされる画像や映像がかなり少ないですし、以前にもこんな展開ありましたし・・・。
いずれにせよ、シリア内戦は不安な展開です。
(写真はペルシャ湾を航行するアメリカの駆逐艦。ここからミサイル攻撃が予定されています。)
以上、今回はシリア内戦をわかりやすく解説する記事でした。
それでは。