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湘南空手道連盟OB会

1979年に設立された謎の空手団体

204 横浜商科大高校 極真空手同好会

2017-09-25 04:39:00 | 蛇足編
「村田、極真空手を教えてくれ」

いきなり笹本が言ってきた。


まあ動機は単純

同じクラスの松本が剛柔流空手をやっている。

笹本も空手を自己流でやってるが松本にはかなわないのだ(笑)。

(のちに笹本の方が松本より強くなるが)


俺が空手を教える?。


「FBIより自分の夢を追うことが大切だ」

というマス大山と同じで

考えたこともなかった。


しかし事件以来

原点に戻って考えさせられた。


それに当初の俺本来の目的は九州に行って果たしてしまっている。


新たな課題二つは


考えてみれば

銃砲刀剣等は日本国では制限を受けている。

ムキになって今すぐ対応することもなし。


 一見当たりが優しい人格者に見える腹黒な奴らへの対応も

 早期に見極めて付き合わねばよし。


 どちらも


 「君子危うきに近寄らず」


 どちらにしろ現状の俺が

 すぐなんとかできるものではない。


 そう考えたら気も楽になった。

 
 慌てる必要なし。



「それも悪くないな」

「おお、村田が了承したぞ」

「実はほかにもやりたがっている奴がいるんだ」

ということで小島や飯塚 田沢

そして根村 

白澤までが入門してくれた。


横浜商科大学高校極真空手同好会の誕生である。


顧問は村山先生


上層部先生たちは


「また村田か。 

危ないからやらせるな!」


という事だったが

村山先生が快く顧問を引き受けてくれた。

203 根本的疑問

2017-09-24 18:00:00 | 蛇足編
「やはり横浜から出たほうがいい」

親父が切り出してきた。

親父が大倉山から出たい理由はほかの理由だが

今回の件で俺も逆らう気がしなかった。

「それと武蔵小杉の空手も行かない方がいい」

場所的には問題ないと思ったが同じ川崎市である。

決して遠くはない。

念には念を入れたほうがいいと言う。

親父は俺に空手やめてほしいだけなのであるが。


しかし

俺も急に空手熱が冷めた。


理由は二つあった。


ひとつは

『素手で刃物を捌く』


今のままでは無理だ。

あんなもん見たらさすがに熱が冷めた。

刃物を相手にするなら根本的に何かを変えないとダメだ。

渡辺師範の言われる通り

迷わず突っ込んだから良かったのは確かである。

間違っていない。

しかし

何か感違いしている事に

おぼろげながら気がついた。


 もうひとつは

 『本当の敵』

である。


本当の敵は

案外身近にいる普通の人間。

その人間の中にある「正義とか良心」だが

実はただの言い訳。

この手の人間は

肝心な話は必ず逸らす。

論点 議題を 

こちらがはっきりさせようとすると

『しつこいな』 と言わんばかりに怒りだし

『そういうものじゃないんだ』

とか果ては

『いつまでも言ってると周りが迷惑する』

とか説教してくるバカ。


本人は自分でも気がついていない

と言うか必死になって目を逸らす

議題を逸らす。


こういうやつが

一番悪党

本当の敵ではないかと思うようになった。


一見大人ぶった良識あると言われるやつらが 

実は一番のとんでもない悪人

なのではないかと。


 後の36年後 福島原発が吹っ飛ぶが

 現場の若き責任者たちは

 15mの高波が来たらメルトダウンにつながると予想し

 上に意見したが

 『そんな事は考えるな。みんなが迷惑する』

 と却下されていた。

 その結果はご存知の通りだ。


 閑話休題


こんな葛藤をしていたら

道場稽古の熱がすっかり冷めてしまった。


こうしてわずか一か月で神奈川支部を止めてしまうのである。

202 不処分

2017-09-23 18:00:00 | 蛇足編
おかげで無罪放免の方向で動いているわけで 

まあ感謝すべきなんだろう。

栗山に再会するのは3年後 その時まで真相は知らず。

弁護士の一見矛盾したアドバイス。

関係者から引き離すような指示。

 疑問を持つのは止めた。素直に指示通り動くことにした。

なんだかんだと

ここ一年で貴重な体験を4つしたが

しかしまあ よく 

 巻き込まれる。

 真樹門下だからだろうか?。

 

 話が前後した。
 

翌々日は登校した。


親父は休めと言ったが


警察から


「普段通り登校したほうが印象が良い」


と言われて


『はいはい(^_^;)』


素直に登校した。


 しかし

東横線に乗ったとたん違和感を覚えた。


人がすぐ近くにいると嫌~な感じを持つのである。


怖いというか嫌だ。


横浜駅構内 相鉄線に乗ってもだ


理由が分からなかった。



しばらくして気がついた


「間合いだ。刃物のせいだ」


ゴルゴ13じゃないが

いまだに真後ろにつかれると

殴りたい衝動に駆られるのは

この事件以来ずっとである。


このトラウマのせいで10年後にまた刃しょう騒ぎ起こすのだが


とにかく俺の考え方が180度変わった。

「絶対刃物は持たない、相手が持ったら逃げるか先に刺す」

である。


この事件以降めったにケンカをしなくなった。


まあ良かったのだろう。


小崎氏の冥福を祈る次第。


201 ただの目撃者?

2017-09-22 18:00:00 | 蛇足編
 警察判断の顛末はこうだ

福島に呼ばれてスナックへいった俺は

知らぬ間に揉め事に巻き込まれた。

あまりの小崎の栗山への横暴に思わず悲鳴を上げた。

小崎が俺を殺そうとしたので

思わず栗山が俺を助けるために小崎を刺した。

ということらしい。

しかし
あの裂迫の気合いを悲鳴とは失礼な話だ。


のちに栗山さんの弁護士に真実を伝えたが

「そのまま言っても誰も得しない。

栗山さんは過剰防衛だが今のままなら情状酌量執行猶予だ。

しかし君の話通りだと執行猶予にならないよ。

それに何より君もただじゃすまないよ」

「体当たりかましたんですが」

「少年院行きたいの?誰も得しないよ」

横から親父が

「息子は気が動顛していますので申し訳ありません」

「ではそういうことで」


ムカついたが気持ちを押さえて出て行こうとしたらいきなり弁護士が

「ところで村田君」

「はい?」

「君、記憶力は良い方みたいだけど

 今後は文にして残しておいた方がいいよ」

 自分で言っておいて後になって『俺は言ってない』とか

 いきなりシラを切る者とか結構いるからね」

「どういうことですか?」

「君を現場に呼んだ福島君だが」

「はい」

「君を呼んだ覚えはない、君の事は知らない、と言っていたんだ。まあ栗山さんの証言でウソだと分かったけどね」

「あの野郎、そんなことを」

「とにかく今後は揉め事に巻き込まれたらすぐに警察などに相談すること。そして証拠は押さえておきなさい」

 「はい。わかりました」

 親父も

 「懇切丁寧なアドバイスありがとうございました」

 
 
 思うのだが

一番ムカつくしタチの悪いのは当事者よりも

いわゆるズルく立ち回る取り巻き連中だ。

刑事事件になる当事者たちの方が本音で戦うのでむしろ好感が持てる。


世の不条理と事なかれ主義をつくつぐ感じた事件だった。

200 釈放

2017-09-21 18:00:00 | 蛇足編
けたたましいサイレンが鳴ってパトカーが数台やってきた

わけではなかった。

すぐに来たのだが

何故かサイレン無しである。

私服の警察官までいる。


 直感だが通報に対応してきた感じではない。


倒れている小崎を面倒臭さそうに見てから

あまり調べもせず

栗山に事情聴取。

やがて俺の方に来て

「どういう事なんだ?」

名前も何も聞かずいきなりそういわれても困った。

と言うかこっちが聞きたいわ。

「彼は未成年 巻き込まれただけです」

 栗山がフォローをくれた。

構わず制服の警察官が

「君を呼び出した福島という人は?」

「ヤバくなったらドアから逃げました」

「連絡先は?」

「044~~ですね」

「よく覚えてるね。親友?」

「いや違います。数字覚えるのは得意で」

 10代の頃のデジタル記憶力は良かった。

 しばらくして

 周囲の警官も困ったような顔をして


 「君は署で話を聞こう」


 救急車が遅れて来た。こちらは普通にサイレンで登場。

 
 しかし入れ違いに俺をパトカーに乗せて一台が署に向かった。



川崎署

おでこには絆創膏

さらにタオルを巻いていた。

小崎が飛んできたときナイフがおでこをかすっていたようだ。

まあ 飛び込んだのは俺だが

 冬なのに暑い暑い。


「お父さんにも話したけど

また来てもらうからね。もうあんな店は行っちゃだめだぞ」


「栗山さんは?」


「病院からまだ戻っていない

 戻ってきても さすがに帰れないね」


「助けてくれたんですが」


「君は 彼は正当防衛だと言ったけど ちょっとね」


『まあ、相手死んでますからね』


と言おうとしたがやめた。


 なぜか言える雰囲気では無い。

うまく言えないが

俺とは関係ない所で俺の知らない何かが進行していたようだ。

しかし そのおかげで助かったようだ。
 
それに今だったら

未成年とは言え 俺も帰れなかったかもしれない。


思えば

開き直ったのは店に警察が来るまでだった。

いつもの真面目なお坊ちゃまモードに戻っていた。

普段の自分に戻ったら 疲れがドッと出てきた。