10勝5敗で敢闘賞を受賞した旭天鵬(中央) =画像は Yahoo Japan からの転載です=
【朝日新聞 DIGITAL 2014.11.27 10:35】 白鵬の32度目の優勝で幕を閉じた大相撲九州場所では、もう一つの大記録が生まれた。40歳2カ月の旭天鵬が昭和以降の最高齢勝ち越しを決めた。モンゴル出身力士の1期生の一人。角界の“レジェンド(伝説)”は、「俺みたいなオッチャンが頑張れば、世の中年男性の励みになるかもね」と笑顔で語った。
これまでの最高齢記録は、1935(昭和10)年5月場所で勝ち越した能代潟(のしろがた)の40歳1カ月だった。旭天鵬は9日目に8勝目を挙げ、最終的には10勝5敗。敢闘賞を受賞し1年納めの土俵を終えた。
実は、5勝10敗が九州場所の目標だったという。「5番なら、幕内で年を越せるじゃん」。今場所の番付は西前頭11枚目で、下に5枚の余裕がある。5勝10敗なら、来年の初場所も幕内に残れるという計算だった。
5勝目を挙げた6日目には「いやあ、これで年を越せるよ」と喜んだが、その後も着々と白星を重ねた。勝ち越しを決めて支度部屋に戻ってきた日には「訳がわかんねえよなあ」。
「若い、若いと言われるのがうれしいんだから、俺も年を取ったぜ」と目を細める。今年春場所、31歳で引退した元大関の琴欧洲親方は、「私の初土俵の時にはもう三役の常連だったのに、私の方が引退が早かったんだから」。
いま、旭天鵬は毎場所のように何らかの記録を更新している。来年初場所は幕内勝ち星だ。現在675勝で、あと8番勝てば高見山と並んで史上8位となる。「でも、ま、一つずつだよ。そうやって、ずっとやってきたんだから」。そして、口癖のように「来年の九州場所に、旭天鵬はもういないよ」と笑った。
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