生物見遊散歩

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大阪・関西万博に係る市長意見について対応・続き

2022年04月17日 | 自然保護

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4/12の投稿で、大阪自然環境保全協会(nature Osaka)が、「夢洲における大阪・関西万博の工事着手までに行われる大阪港湾局の工事による環境損壊を不当とする住民監査請求書」を提出したことについて載せました。

この請求は、4/14に正式に受理されたましたので、以降は陳述の機会があり、6/6までには監査委員会が結論を出される事になります。

 

以下は、陳述で述べる主旨について載せておきます。

・夢洲の埋立ては、埋立て投資を回収する必要があるとして、インフラ整備し地価を上げて、活用する方向性なのだと考えられます。

・現時点の大阪・関西万博と、これに続くIRの推進は、この路線で進められているとものと考えられます。

 

・しかしながら一方で、夢洲は、「大阪府レッドリスト2014」で生物多様性ホットスポットに指定されており、そして大阪市は「大阪市生物多様性戦略」で、この生物多様性ホットスポットを保全する事を具体的施策として掲げています。

・更に、大阪・関西万博は、SDGs、SDGs+beyondを目指し、脱炭素、循環型社会、自然との共生を掲げています。

 

・これまで、大阪自然環境保全協会(nature Osaka)は、夢洲の生きものを保全することを目的として、2019年から続けて来た夢洲の生きもの調査の結果を踏まえ、大阪市等に色々な要望を行って来ましたが、夢洲の現行の埋立て整備は、過去(1977(昭和52)年、1981(昭和56)年)の公有水面埋立法の許可取得によるものとして、顧みられる事がありませんでした。

・こうした中で、大阪・関西万博についての「大阪市環境影響評価条例」に基づく環境影響評価が行われ、natere Osakaの働きかけの他、多数の市民意見、専門委員会の答申等を踏まえて、環境影響評価準備書に係る市長意見が出されました。

・この中で「大阪市長」は「博覧会協会」に対して、「環境に配慮した整備内容やスケジュール等のロードマップを作成し、夢洲の湿地や草地、砂れき地等の多様な環境を保全・創出すること」と言う記述が為されるに至りました。

 

・にもかかわらず現在、大阪港湾局による大阪・関西万博のウォーターワールド予定地における地盤改良工事が進められており、博覧会協会が工事を始める前に、この環境が損なわれて行っています。

・この様に、大阪市が、博覧会協会に用地を提供する以前に、環境影響評価で評価された環境を大阪市自身が損なう事は、市長意見を無いものにしている事であって、決して行ってはならない行為であり、この行為を従来の法体系の制度だけを根拠として強行する事は、無駄な経費の執行となってしまいます。

・仮に、この経費の執行が、このまま行われるならば、環境影響評価で評価された環境を、復元する経費の執行が別途に必要となり、更に無駄な経費の執行を伴う事が予測されます。

 

・大阪・関西万博が、掲げられている理念に基づいて進められるのであれば、大阪市は、これを受けて、SDGs+beyondを目指し、市長意見で記述された環境の価値をESG(環境、社会、ガバナンス)の観点からとらえ、将来の私たちの生活を持続可能にする視点から、夢洲の環境を損なう事が無いように行動する事が必要と考えます。

・この視点が無いままに、「博覧会協会に意見として述べた事を、大阪市が意味の無い事にしてしまう事実を市民が認識した時」には、大阪・関西万博を進める事についても、取り返しのつかない批判が巻き起こる要素を含んでいると言わざるを得ないと考えます。

 

nature OsakaのHPにある関連するページを以下に張り付けておきます。

↓↓↓

20220407press_kansa.pdf (nature.or.jp)

PRESS RELEASE 夢洲における大阪・関西万博の工事着手までに 行われる大阪港湾局の工事による環境損壊を 不当とする住民監査請求書を提出 (nature.or.jp)

夢洲2区の湿地とヨシ原 (nature.or.jp)


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