とある一人の男性の語りからはじまり、
社内にいる地味なんだけど、なんとなくみんなに恐れられているおばさんの
回想の話から物語は始まる。
離婚歴のあるひとりの女性。
離婚に至ってしまったことを悔い、地味に暮らすことを選びひっそりと生活をしていた中
ふと現れた1本の糸。
この糸の先には幸福があるのか、地獄があるのか、
この糸は頑丈なのか、切れてしまいそうなほど頼りないものなのか。
わからないまま、そっと手を伸ばしてしまった瞬間から
ものすごい勢いで物語が走り出す。
ひっそりと慎ましやかに生きていくと決めたのに、
一度した失敗は繰り返さないと決め、ちゃんとやってきたのに、
気付いたらまた同じことを繰り返していた。
すっかり、読者が彼女に感情移入をしてしまってからは
もう彼女と一緒に落ちていくしかなくなってしまっている。
ーどうか、どうか、私。
これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
他人を愛すぐらいなら、自分自身を愛するように。
哀しい祈り。
物語の中で数回出てくるこの祈りが胸に突き刺さる。
ものすごく面白いです。
構成も絶妙で、心理描写もとってもいい。
でも、苦しくて、切なくて・・・。
読み終わったときの脱力感、虚無感、なんともいえない気持ちになります・・・。
山本文緒さん この方の本がもっと読みたくなる1冊でした。
社内にいる地味なんだけど、なんとなくみんなに恐れられているおばさんの
回想の話から物語は始まる。
離婚歴のあるひとりの女性。
離婚に至ってしまったことを悔い、地味に暮らすことを選びひっそりと生活をしていた中
ふと現れた1本の糸。
この糸の先には幸福があるのか、地獄があるのか、
この糸は頑丈なのか、切れてしまいそうなほど頼りないものなのか。
わからないまま、そっと手を伸ばしてしまった瞬間から
ものすごい勢いで物語が走り出す。
ひっそりと慎ましやかに生きていくと決めたのに、
一度した失敗は繰り返さないと決め、ちゃんとやってきたのに、
気付いたらまた同じことを繰り返していた。
すっかり、読者が彼女に感情移入をしてしまってからは
もう彼女と一緒に落ちていくしかなくなってしまっている。
ーどうか、どうか、私。
これから先の人生、他人を愛しすぎないように。
他人を愛すぐらいなら、自分自身を愛するように。
哀しい祈り。
物語の中で数回出てくるこの祈りが胸に突き刺さる。
ものすごく面白いです。
構成も絶妙で、心理描写もとってもいい。
でも、苦しくて、切なくて・・・。
読み終わったときの脱力感、虚無感、なんともいえない気持ちになります・・・。
山本文緒さん この方の本がもっと読みたくなる1冊でした。