イスラエル軍は21日未明、パレスチナ自治区ガザ南部などを空爆し、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの軍事部門の司令官ら3人を殺害した。ハマスの報復攻撃が強まるのは必至で、停戦は一層遠のきそうだ。

 殺害された3人は、ハマス軍事部門の重要人物とされる。イスラエル兵の拉致や、地下トンネルを通じたイスラエル侵入作戦などにかかわっていた。イスラエルのネタニヤフ首相は20日の会見で「ハマス幹部は標的であり、だれも免れることはできない」と述べ、暗殺作戦を強化する考えを示していた。

 イスラエル軍は19日にも、ハマス軍事部門トップのムハンマド・デイフ氏の暗殺作戦を実行。民家への空爆で同氏の妻子が死亡したが、ハマスは同氏は無事だとしている。一時停戦の崩壊後、同軍はガザの110カ所以上を空爆し、ガザの保健省によると少なくとも58人が死亡した。7月8日以降のガザの死者数は2075人になった。