ZEVEX~行動する自動車環境問題NGO~

手造りPHEVで、そしてプリウスPHVで二度の日本列島縦断を達成し、世界初EV南極点到達を目指し活動する冒険チームです。

JAF公認の電気自動車チャンピオン

2010年10月27日 23時33分38秒 | ZEVEXの活動

ZEVEX Racing Team所属の中野はじめ選手が、2010JMRC神奈川ジムカーナシリーズEVクラスの初代チャンピオンを獲得した。JAF公認競技で「EVチャンピオンシップ」が争われたのは、長いJAFのモータースポーツ史の中でも初めてのことなので、中野はじめ選手は、史上初のJAF公認の「EVチャンピオン」になったということになる。
このあたりの詳細は、既にWEBメディアで伝えられているが、
その1その2 ここでは、優勝でチャンピオン獲得を決めた最終戦の模様を、同じ最終戦を白ミゼットⅡEVで戦った織邊賀彦選手(ZEVEX Racing Team所属)のレポートでお伝えすることにしよう。

(EVチャンピオン中野はじめ選手。マシンはNO,31ZEVEX三菱i-MiVE)

***************以下織邊選手のレポート**************
今回、IB鈴木さんより「白ミゼットの俺の相方がいないのよ。オリベさん都合はどう?」とお誘いを頂き、前回ヘロヘロな結果だった私としては「前回、せっかくのi-MiEVの性能を生かせないような走りだったのにまた誘っていただけるのは光栄」とばかりに返事もエントリー締め切りギリギリまで待ってもらい仕事を調整し参加決定!
で、前回、コースを覚えるのに全神経を集中してなんとかかんとか完走したので、今回はネットでコースの覚え方が掲載されているサイトを探してみようとしたのですが、全然見つかりません。
「う~む。あれぐらいのコースは覚えられて当然なのか。(涙)」

で、当日。
関西からの夜間移動で富士スピードウェイ朝7:00着。前日早めに寝ることが出来たので多少頭もすっきりし、コースを詰め込む脳みそには好条件!既に関東組は到着して、i-MiEVも充電完了し準備万全!今回も三菱自動車様からお借りしたi-MiEVと青ミゼットⅡEV、白ミゼットⅡEVの三台にそれぞれダブルエントリー。
i-MiEVには中野選手と白ミゼットⅡEVオーナーの奧邨選手。シリーズポイント2位の大津選手が今回は戦闘力に劣る青ミゼットⅡEVでのエントリーなので、EVクラスの初代チャンピオンは、中野選手の可能性大だが、ミスコースもあるのでこの段階では一応未定。青ミゼットⅡEVははチーム監督の大津選手と高木選手、白ミゼットⅡEVはZEVEX代表IB鈴木選手と私の6人体制です。

今回はJAF公式競技完走証明をもらいAライセンス講習会を受ける資格を得るため、前回に引き続き1本は完走することが必須条件です!車両をパドックに駐車し、コースを覚える時間を少しでも長く取れるように受け付けに急ぎます。渡された封筒から恐る恐るコース図を取り出して一目見ると....おぉ!前回より簡単なコースだ(喜)
これならウチでも覚えられそう!ただ今回は前回と違い参加台数が76台と約半数のためEVクラスの出走開始時間も早いので早めにコースを覚える必要があります。
パドックに戻り、コースを覚えるためにマーカーで色分けしたり、3分割して別の紙に書き分けたりと各自工夫しています....って大津さん!コース図、白紙のままですけど。だ、大丈夫ですか?

しばらくして完熟歩行の時間になり、各自コース図を見ながらパイロンの位置、間隔等の確認をします。前回苦労した経験が生きているのか、この時点で殆どコースを覚えることが出来ました。私が簡単にコースを覚えられるって事は、皆がコースを覚えられるということで、これがこれからの激しいタイム争いの幕開けになるのでした....しばらくして開会式兼ブリーフィング。コース説明で「この会場は下のドリフトコースに向かって緩やかに傾斜しているのでブレーキやコーナリングに影響が....うんぬん」
なんと!シビアな争いをするクラスでは言われてみないと分からないようなこんな傾斜まで影響するとは!し、知らんかった。(汗)

クローズドクラスの完熟走行が終わり、ゼッケン1番より第1ヒート走行開始です!私のゼッケンは17番、今回初参加になるゼッケン16REVAの次です。間もなく順番が来て、スタート待ちの車列に並びます。REVAがスタートし、初めて見るREVAの走りに注目。腰高な印象のボディの影響か大きなロールで短いホイールベースを生かしクルクルとパイロンをクリアしていきます。

(大きくロールしながらパイロンを回るTM-WORKSさんのREVA。駆動電圧が低いことと、極低速トルクがそれほどでもないインダクションモーターモデルの為に、タイムはイマイチだった。)

「意外とコーナリングは早いかもしれんなー。おっと次は自分の番やし、集中集中!」
で、私、スタート!
白ミゼットⅡは私にとって久しぶりに初めて運転するコンバートEVなので少々不安ですが、今回のコースには不安は無いのでとりあえずアクセルをグッと踏んでみます。
おぉ!良い加速するやん!気持ちいい~それでも加速ではi-MiEVにかなわないので、なるべく車速を落とさないように、ちょっと大回りでパイロンをクリアするように心がけます。コーナーも扁平タイヤのおかげか良く曲がる!そうこう走っているうちにゴール!EVクラスの中での出走順が早いのでタイムが良いのか、悪いのか良く分からんけど気持ち良く走れたので満足満足!私の後に出走の高木選手、奥邨選手、IB鈴木選手、大津選手、中野選手、全員完走!大変気になる中野選手のタイムがトップのゼッケン27竹岡選手(i-MiEV)から1.780秒遅れの2位!

(1本目の最速時計は、三菱チーム竹岡圭選手のi-MiVE。シリーズにたった3戦しか出場していないのに、終わってみればシリーズ4位は立派なリザルト。)

中野さん曰く「約2秒遅れかー。(逆転優勝は)難しいんちゃうかなー。」そう言わずに頑張ってください!EVクラス全体的に見ても僅差が続きます。
なかなか競技らしくなってます。(笑)
全車第1ヒート走行後、再度コースオープンで歩いてコースを回ります。この頃になると皆コース図の記憶確認の為ではなく、完全にライン取りの確認がメインになってます。特に中野選手はなかなか入念にチェックしているようです。あまり言うとプレッシャーになってもいけないので言わないですけど期待してますよ!中野さん!その後、各自昼食を取り、第2ヒートに備えます。私はトップから5.243秒遅れの4位。初参加のREVAは、モーター出力が低く、直線のスピードが乗らないのか思ったほどはタイムが伸びていないようです。
そうこうしている内に第2ヒートが始まりました。私も目標の「1本は完走」をクリアしたのでタイム狙いで走ります!1本目の「ちょっと大回り作戦」が意外と効いたみたいなので、引き続きそれで行きます。ただ調子に乗って大回りしすぎると走行距離が伸びてしまうので注意が必要です。
で、第2ヒートスタート!小回りしてパイロンをクリアして立ち上がりのときに「シューン」と音がして加速しないのが何か分からないままそこそこ調子よく走りゴール!どうやらインリフト気味でアクセルを踏んだときに内側タイヤが空転していたのが原因のようで、インリフト気味になるまで走れるようになったのはちょっと早くなった証拠!?タイムも4秒近く更新し、第1ヒートなら2位に入るタイムでちょっと嬉しい。
さてさて自分の走行が終わればチーム員の走りが気になります。カメラに望遠レンズを装着しフェンス際へ急ぎます。
現在のところ最初に出走のゼッケン15鈴木健一選手(iーMiVE)が1'16,709というとんでもないタイムを出しているようです。

(“弾丸ジロー”のペンネームを持つ鈴木健一選手。走り終わったら仕事したはりました。ご苦労様。)

我がチームは高木選手、奥邨選手、IB鈴木選手と順調に第1ヒートのタイムを数秒上回るタイムを出してきます...と、気が付いたら大津選手痛恨のミスコース!なぜ!?ここまで第1ヒートトップのゼッケン27竹岡選手が1'17.976を出し、現在三菱チームで1位、2位独占。う~む。恐るべし三菱チーム。中野選手がトップになるには第1ヒートのタイムを約4秒上回るタイムを出さなければなりません。
出走順は第1戦からのポイントの少ない順になるので、シリーズポイントリーダーの中野選手は当然EVクラス最終出走になります。16秒台、17秒台の走行の後なのでプレッシャーがかかります!
いよいよ中野選手がスタート!皆が中野選手の走行に注目します。順調な走行で無事ゴールのチェッカーを受けます!注目のタイムは.........「1'16.503」!!なんとそれまでのトップタイム鈴木健一選手の1'16,709を約0.2秒上回るタイムを叩き出し優勝決定!!
「"やったるで~!"とは思ってたけど、正直今までのトップタイム(鈴木選手)を上回れるとは思ってなかった。」(中野選手談)とのことらしいですがちゃんと結果を出してくるところがさすが中野選手。ZEVEXチームのパドックが歓声に沸いたのは言うまでもなく、その様子は当日のアナウンス担当の方にも良く見えたそうです。そして全クラスの走行が終わり、表彰式を待ちます。

その間、バケツを探します。なぜって?
優勝者(=中野選手)の祝福の為の水掛けをするためです。なんとかかんとかバケツ2個を確保し、一応主催者の方にも水掛させて頂く旨をお伝えし、水はトイレ裏で汲んで準備万端!各クラスごとの表彰式が始まり、EVクラスの順番が来ました。
EVクラスは参加者10人で1~5位までが賞典対象です。5位にはなんと私。4位にはいつも涼しい顔してそつなく走る奥邨選手。3位に竹岡選手、2位に鈴木選手。そして1位は中野選手!私は私自身の表彰もありましたが、中野さんの水掛けの写真を撮るためソワソワして落ち着きません(笑)全員に盾と賞品が授与されいよいよ水掛けの時間です。濡れて困る盾や賞品を避難させて私もカメラを手にその時を待ちます。
中野選手が表彰台に正座し、バケツはチーム監督の大津選手と高木選手担当です。「せーの!」でバケツ2杯の水が中野選手にバッシャーと浴びせられます!この時期、水道の水ってかなり冷たく感じるはずですがそれでも嬉しそうです!

(畑違いの新参者チームですが、神奈川シリーズ伝統の“水掛け”させて頂きました。ありがとう御座いました。)

第5戦までは最高位が2位で優勝は無かったので最終戦で優勝は「もう最高~!!」(中野選手談)だそうです。これで中野選手はJAF公認競技初のEVクラスチャンピオンと2010JMRC神奈川ジムカーナシリーズ最終戦優勝とダブルで受賞を果たしました!
シリーズ最終戦を終わって、中野選手にとってもチームにとってもとても良いシーズンになったと思います。私も前回コースを覚えるのに一杯一杯で競技というより受験勉強のような感じだったので、今回はコースのライン取りを考えながら結構アクセルを踏むことが出来て、なおかつ5位入賞できて良い最終戦になりました。また私の予想を超える走行性能に白ミゼットⅡが大好きになりました。(奥邨さんありがとうございました。)来年の体制は現時点で不明ですが、また機会がありましたら参加させていただきたいと思います。

今回も選手として参加された方々、お手伝いに来て頂いた方々、応援に来て頂いた方々、お疲れ様でした。最後になりましたが、今シーズンi-MiEVを提供頂きました三菱自動車様ありがとうございました。
************************************************


(開幕戦、ZEVEXが用意した2台のミゼットⅡEVから始まった「EVクラス」だったが、最終戦ではi-MiVE2台・REVA1台・ミゼットⅡEV2台の3車種になった。来年は日産リーフに是非出て来て欲しいもんだ。神奈川は日産本社のお膝元だしなあ~。ジムカーナに出るなら他の県戦は有り得ないだろう。)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 久々の2000m越え | トップ | ERK02クラス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ZEVEXの活動」カテゴリの最新記事