イヌサフラン
ユリ科 (APG植物分類体系ではユリ目イヌサフラン科) の植物である。
学名 Colchicum autumnale
ヨーロッパ中南部~北アフリカ原産。
種名の通り、秋に花が咲く。
なお、名前に「サフラン」と付き見た目も良く似ているが、アヤメ科のサフランとは全く別の植物である。
イヌサフランのりん茎(球根)や種子にはコルヒチン(colchicine)という物質が含まれている。この物質は過去には痛風薬として使われることがあった。また植物の細胞分裂に影響を与えて倍数体にする作用があり、品種改良などに使われる。
医学・薬学方面ではイヌサフランをコルヒクム、種子をコルヒクム子、球根をコルヒクム根ということがある。
イヌサフランの葉は時に食用の山菜であるギョウジャニンニクと、りん茎はジャガイモやタマネギと間違えられることがある。イヌサフランは上記のとおりコルヒチンを含んでおり、これを誤って摂取すると皮膚の知覚が麻痺したり重症になると呼吸困難で死亡する。またサフランと似ているため、花柱を乾燥させた物がスパイスや鎮静・鎮痛・通経薬として使用できると誤認しての中毒例もある。
イヌサフランを園芸用に品種改良したものはコルチカム(コルヒカム、コルキカムとも)ということが多い。
コルチカムは球根草であるが、球根を土に植えなくても秋になると花が咲くという変わった性質がある。などという触れ込みで、植物業者が宣伝して多いに売った。
それを見たいので、また買ったのが是。
2012 10 15 撮影
葉は秋の開花後に、春先になってから出てくる。日当たりのよい室内などに球根を置いて、花を鑑賞してから土に植えても全く問題はない。 (などと物の本に書いてあったので、そのようにした。植えたのは、けっこう後だったのか。翌年は葉が出たが、それほど元気ではなく、花は咲かなかった。) 土に植えておくと自然分球して殖えていくので、増えた球根を幾つかそのようにして、駄目もとで楽しむのが良いのでは。
これは地中海性の植物で、春に葉を伸ばして栄養を球根に蓄える。夏の酷暑を前にして、葉は枯れてしまう。そして秋になって涼しくなると、花を咲かせる。ナツスイセン (夏水仙) は、夏に花を咲かせて、葉が繁茂するのは、やはり春から梅雨時期。これも夏の暑さの前に、葉を枯らしてしまう。
球根を犬が食べて死亡した例が報告されている。土に植えない、または室内などに球根を置いて花を咲かせる場合は特に注意が必要である。
( wikipedia 画像を添付して、岩水にて多少の編集を文章にもくわえた。)