マチンガのノート

読書、映画の感想など  

ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ 藤原智美著

2016-05-15 00:02:03 | 日記
著者はウォルター・j・ウォングの「声の文化と文字の文化」などを取り上げ、
声の文化から文字の文化への移行が個人の内面を生み出して、
それが近代へと繋がったように、手で書く文字から、
文字がキーボード、タッチパネルで作られ、それがさらにコピーペーストで、
相互に使われることで、話し言葉に近くなることで、
言葉や文字、個人や社会に大きな変化が起きるのではないかとしている。
著者の危惧する、一部の人が一人で深く考えて書くことが減る一方、
多くの人が、レポートや論文などで、様々な引用や変形を体験することで、
言葉や考えが、いかに相互に影響しあっているかをわかれば、
ジュリアン・クリステヴァの「間テクスト性」や、社会構成主義なども、
実感として理解していくようになり、
「本当の自分探し」「自分らしい生き方をする」などをする人は
減っていくのではないだろうか?
社会における相互依存性が解るようになれば、平等化や民主化が
進むのではないのだろうか?