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プロジェクト・シール“津波爆弾” ニュージーランドの汚れた手

2013-03-09 12:25:32 | 歴史、考古学

プロジェクト・シール“津波爆弾”  ニュージーランドの汚れた手

 

以下はレイ・ワル著の「秘密の宝庫」の“プロジェクト・シール:津波爆弾”に関する部分の抜粋である。

The Best Kept Secret of World War Two — Project Seal, the tsunami bomb

 

 

「秘密の宝庫:国立文書館に眠る資料が語るニュージーランドの知られざる歴史」レイ・ワル (ランダムハウス)からの抜粋

--------------- 以下、本文  ---------------

2003年のインド洋における壊滅的な津波、そしてまた2011年の日本の沿岸で数千の命を奪った殺人津波の発生以来、津波の破壊的な威力を兵器として利用するという発想は誇大妄想もしくは馬鹿げた科学ファンタジーとして片づけられていたかもしれない。

しかし1944年のニュージーランドにおいて科学者たちが実現しようとしていたのはまさにそうした津波兵器であった。場所は、オークランドはハウラキ湾のワンガパラオア岬の沖であった。

これはニュージーランドで最もよく隠蔽されてきた軍事機密で、その内容は原爆に匹敵する大量破壊兵器であった。その名は「プロジェクト・シール」で、津波爆弾を作る最高機密計画であった。

今日、オークランドの北のシェークスピア湾はウィンドサーファーやパドルボーダーで週末はにぎわって、名物の孔雀を見にくる人々もそれに加わる。しかし、去る第二次世界大戦中、ここの静かな海は4,000回の爆破実験でかき乱されていたのである。

 

 

「プロジェクト・シール」は、巨大な津波を人工的に起こして沿岸の防御や都市を破壊することができるかどうかを試験する最高機密に属するプロジェクトであった。

その構想自体はアメリカ海軍中佐、E.A.ギブソンによるものである。彼は太平洋の島々の周囲の水没したサンゴ礁を撤去するための爆破作業によって時々思いがけないほどの大きな波が生じることを観察していた。

ギブソン中佐は、ニュージーランド軍のエドワード・パティック参謀総長と連絡を取り、自らの構想を述べた。エドワード・パティック参謀総長はそれを当時のニュージーランド戦時内閣で提案した。

 

ノウメア沖実験

同戦時内閣において、アメリカとニュージーランド双方からなる合同チームがニューカレドニアにおいて予備実験を実施することで同意が得られた。

その合同チームの一人にオークランド大学の科学開発部長のT.D.リーチ教授がいた。同教授は、のちにこの研究を仕切ることになるニュージーランドでは高名な科学者であった。

この最初の予備実験の報告書は非常に前途有望な内容であったため、アメリカ海軍太平洋艦隊ハーセイ中将はニュージーランド政府にニュージーランド海域におけるさらなる調査の遂行を求めた。

軍事用語で表現されてはいるが、ハーセイ中将がニュージーランド軍の参謀長に送った、敵の居住施設を巨大な人口津波によって水浸しにできる可能性についての電信中の言及は弾んでいる。

「わたしの意見として、今回の実験結果は、陸海戦における洪水攻撃は攻撃兵器として確実に長期的展望を持つものと思われます。

攻撃的戦争における実用的方法及び手順として確立するためにさらなる開発がなされることが望ましいと考えます。

この開発がニュージーランド側によって完成の域にまで継続されるならば、この上なくありがたく存じます。今回のこのプロジェクトに必要となる物的及び人的なあらゆる実際上の援助はすべて米国側で提供いたします。」

1944年5月5日にニュージーランド戦時内閣は、米軍のハーセイ中将の要請を受けて、リーチ教授率いる研究チームを編成し、この有望な新型爆弾の最高機密レベルの試験を実施することにした。

同チームには150名ほどが割り当てられ、彼らはオークランドから車ですぐのワンガパラオア岬の要塞に詰めることとなった。

このプロジェクトの大半はニュージーランドの技術者によってなされたが、爆薬、爆発物に関しては米国海軍が提供した。

 

特殊な装置

このプロジェクト・シールには大量の特殊な装置が開発される必要があった。波の状態を記録する遠隔的な装置や電波による起爆装置や海中に使用する特殊な爆薬などである。

「プロジェクト・シール」は1944年6月6日に始まり、翌1945年1月8日に終了するまで継続された。その間、3,700回の実験的爆破が実施されたが、その規模は数グラムから300kgの爆薬にわたった。TNT火薬が標準的に用いられたが、ニトロ化澱粉、旧式のゼリグナイトも時折使用された。

当初、研究チームは誤った前提で実験を重ねていた。イギリスの研究によれば、爆薬は非常に深海であるほうが、海中爆発によるガス気泡が攻撃的な洪水をひき起こす上においていちばん効果があるということであった。

しかし、この前提は誤っていることが証明された。それは、「プロジェクト・シール」の試験によって水面下の水面に近いところで起爆したときが最も効果的な波が発生することが明らかになったからである。

「プロジェクト・シール」の実験によって、単一の爆破によっては十分に大きな波を生じず、いわんや敵国の沿岸守備を水攻めにして破壊することはできないということを証明した。

 

一斉爆破

十分に破壊的な威力を伴った効果的な波の発生には、かなりの数の爆薬が一斉に起爆されなければならなかった。

ハウラキ湾にいた科学者連中の結論としては、総量200万kgにおよぶ膨大な爆薬を10等分くらいにして海岸から8km沖合に一列に設置して爆破すると、高さ10~12mの波が生じるということであった。

この実験プログラムによって明らかになった一つの問題は、爆薬の設置の水面からの深さが決定的であるという点であった。最適な水深からわずかなズレによって波のエネルギーは奪われてしまい、怒涛の津波になるはずのものがさざ波に終わってしまうのであった。

当初、津波爆弾は原爆に匹敵する兵器としての能力を秘めていると見られていた。当時、原爆はアメリカにおいてまだ秘密裏に開発中であった。

しかしながら、1945年初頭に連合軍が太平洋戦争において勝利を収める兆しが出てきて、「プロジェクト・シール」の実戦的な優先順位は低下した。

1945年初頭に「プロジェクト・シール」が廃止されたとき、実験プログラムは未完成の状態で、兵器としての軍事的能力の全貌もまだつかめていなかった。

しかし、実験は大きな成功とみなされて、1947年にリーチ教授は米海軍次官補によって招聘され、ビキニ環礁でのアメリカによる核実験のデータ解析に協力した。

1950年代になってもまだオークランド大学の工学部の大学院生が1940年代の「プロジェクト・シール」の総括の作業に取り組んでいた。

その作業が完了すると、「波システムの発生」と題された報告書は「プロジェクト・シール」の統計的、科学的データを図表化し分析したものとなった。そしてこの報告書は今日でも、波を起こす方法についての興味深い手引書となっている。

近年、「プロジェクト・シール」は通例はUFO研究に関わっている団体の注目を集めている。

 

壮大な偽計

MUFONネットワークグループのジェイムズ・キャリオンは「プロジェクト・シール」が当時のソ連に対する壮大な偽計であったのではないかとの説を出した。それは、このプロジェクトによってアメリカには原爆よりも威力のある兵器があるとソ連に思い込ませるためであったと言う。そして、アメリカ内のソ連のスパイをあぶり出したり、実体のない馬鹿げた計画をさぐらせて無駄な時間を費やさせるためのものだった可能性があると言う。

「プロジェクト・シール」の真実が何であれ、これはニュージーランドの領土内で今まで実施された最高機密の任務の一つであった。そしてそのプロジェクトが成功していたのならば、人類に核兵器とは別の大量破壊の方法をもたらした可能性がある。

現在のニュージーランドの核兵器に対する姿勢からすると、この国がこれほどの大規模な破壊をもたらすような兵器システムの開発にかつて手を染めていたなどとはとても想像できない。

「プロジェクト・シール」の文書は最近開示可能になった。しかし、その多くは未だに精査中で非公開であり、国立文書館の金庫内に秘蔵されたままである。

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著者略歴:レイ・ワル氏は30年以上にわたってニュージーランドのテレビ・ラジオ業界の仕事に携わってきた。1977年にTVNZ(テレビ・ニュージーランド)に入社し、「フェアゴー」「カントリー・カレンダー」といった人気番組を手掛けてきた。本書は同氏の初めての著作である。

 

出典: http://www.nbr.co.nz/article/best-kept-secret-world-war-two-%E2%80%94-project-seal-tsunami-bomb-ck-134614

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