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やる気は環境に支配される

2017-11-19 | 仕事

やる気は出すもの?出るもの?

仕事に意欲と目的意識をもって、成果を出すために重要なことは何ですか?
という質問をすると、「やる気」というキーワードを入れた回答が多いと思います。

では、「やる気」はどうすれば湧いてくるのでしょうか?

私が就職した30年前なら、根性や気合いなど、いわゆる精神論的な説明で片付けていたように記憶しています。
「もっとやる気をだせ!」と活を入れられたり、「心がたるんでいるからやる気がでないんだ!」などと怒鳴られたりした経験は誰にもあるのではないでしょうか?

私自身、やる気は自分から生み出すエネルギーのようなものと捉えていました。

しかし近年、心理学や脳科学などの研究が進むにつれ、「やる気」というものの正体が、どうやら精神論では片付かないことが解明されています。

結論から言うと、「やる気は環境に支配される」ということです。
しかも、決意や意気込みなども必要ないと云われています。
つまり、「やる気を出せ!」という言葉ほど、的外れなことはないのです。

行動生態学者であり自然人類学者の長谷川眞理子教授は、「人間を変えるのは環境である」と言い切っています。
つまり、やる気の出ない社員を、やる気が出るように変えるのは、やる気が出るような職場環境にすることなのです。
当事者に「よし!やる気をだすぞ!!」という決意を迫るのではなく、やる気が出る環境に適用しようとする思いが持てるような仕組みを作ることで、自然にやる気を引き出すという訳です。

どうやら、やる気は”出すもの”ではなかったようです。

やる気が出る職場環境とは

近年、”嫌われる勇気”で人気のアドラー心理学によると、やる気が出ない状況は以下の3つだそうです。
それぞれを、会社組織に置き換えてみると、以下の様になります。

1. 目標が見えていない
会社がどこに向かうのか、どの様な姿になろうとしているのかが共有できていない。
2. 目標が高すぎる
目標はあるが、個々の実力をあまりにも超えるような設定なら、単なる標語になってしまう。
3. 自己イメージが極端に低い
そもそも社員間の信頼関係が希薄で、どうせ自分たちには出来ないと思っている。

つまり、やる気が出る職場環境にするには、上記3つを改善した環境にすると良いのです。

1. 向かうべき方向を明確にする
会社の理念や社会的目的を、全社的に共有する。
2. 出来そうな事を目標にする
個々の能力を発揮して達成できる数値や期日を具体的に示す。
3. 自己イメージを高める
適切な評価基準を設けて、互いに認め合う関係性を形成する。

既にほとんどの企業では、明確な目標を定め、様々な行動規範や評価基準を定めて、売上なり品質の向上に邁進していますが、実は、社員のやる気を維持するという点では、まだまだ苦労している企業は多いようです。

上記の環境は、各社員が、皆が目標に向かって頑張っているという環境に適用しようとする思いを助長し合い、出来そうな目標をクリアーし適切な評価を受けていく過程で、自然に自己イメージが高まるという仕組み作りです。
しかし、完璧ではありません。
ある期間はとても有効ですが、やる気の持続にはもう一つ工夫が必要だと私は考えています。

実は、自己イメージこそ、やる気の持続には欠かせない要素であり、職場環境と最も密接な関係性を持っているのです。
次回は、やる気の質について書きます。



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