Visual & Voice + H のココロ

“感情移入できる映像”によって、新たな映像コンテンツの開拓、映像の可能性を追求するビジュアリスト・柚木公奈の想い。

江戸文化、京都の伝統美とも違う、奈良の意匠にシビレる。

2016年10月25日 19時29分22秒 | 衝撃&オススメ
本の刊行より先にはじまった、
d design travelのNARA EXHIBITION。
渋谷ヒカリエのd47 MUSEUMへ行ってきました。


「デザインの視点から再発見するトラベルガイド」
という、本のコンセプトでスキャン(?)した奈良。
東京の江戸文化とも、そして京都の伝統美とも違う、
圧倒的で凛とした、どんと地に根付いた意匠・・・
それは、“やまとの意匠”とでもいうのか?
その奥深さに、東京者は畏敬の念を抱いてしまう。











やっぱり京都より古い都の文化だよなぁ〜
奈良(特に南の方)は大好きです。

忍足亜希子さんがきりひらき、また、今村監督がきりひらく!

2016年10月20日 20時57分10秒 | 衝撃&オススメ
1999年、BS局の開局前夜。
Webの企画である女優さんをインタビューしました。
BSへの期待や要望なんかを語ってもらうシリーズで、
彼女の回のテーマは「データ放送への期待」が中心。
たぶん、彼女ならイイ事を語ってくれるだろう。
彼女にとって、文字情報は特別な意味があるのだし・・・

その女優さんの名前は、忍足亜希子さん。
当時、NHKの手話番組に出演していたので、
それでご存知の方も多いかもしれません。

そう、彼女は耳が聴こえない女優さんなのです。



それから数ヵ月、開局特番の討論番組の企画会議で、
その忍足さんを番組に出そう! となりました。
Webのインタビューも良かったし、
データ放送の意義を語るにも彼女が適役だ!
そして何より、美しい~!

開局特番の日、局に現れた忍足さんのいで立ちは、
ソバージュにミニスカ、網タイツ!
一段とチャーミングな彼女がスタジオに入った瞬間、
朝生でお馴染みの猛者な論客たちの間に、
ぱっき~~~ん、と明らかに緊張感が走った!

キャスティング成功~!
と確信したあの瞬間は、たぶん死ぬまで忘れないはず。

その日、僕が初めて知った事柄があります。
それは手話通訳の座り位置。
忍足さんの隣りだろう、と最初、何も考えずにいたら、
忍足さんの向かい側に座らないといけないのです。
そうしないと忍足さんは話す相手、それを訳す手話通訳と
常に交互に視線を動かさなければいけないから。
これ、彼女をゲストにしなければ知りえなかった「常識」。

番組終了後、忍足さんと共通の知り合いがいることが判明。
手話通訳さんは、その男の子が最近芝居の稽古に来ない。
「何かあったのかなぁ~」と、つぶやいた刹那、
「女の子?(手話)」と僕が唯一知っている手話で返した時
忍足さんが、とびっきりの笑顔で応えてくれたのでしたV(^_^)V
まさか、僕が手話を使うとは思わなかったでしょう。
やっぱり、知っているという事はとっても大事です!

で、まさかと思うでしょうが、ここまでが前段。
1日半考えて、忍足さんの話を前に持ってきました。

名古屋の富士子さんに紹介されて、
火曜日に日本橋「わたす」の映画上映会へ行ってきました。
南三陸の復興を支援する「わたす」がその日選んだ映画は
『架け橋 きこえなかった3.11』。

東日本大震災を体験した、耳が聴こえない人たちを追った
2年半に渡るドキュメンタリー映画です。

きっとまた起こる大震災。
耳が聴こえる人にとっても不安な震災への対応なんだから、
聴こえない人たちにとっての不安は、正直想像できない。
そのためにも、知らなければいけない事が詰まった映画です。

つうか、開局特番で忍足さんの登場に緊張した朝生の常連さん、
「手話を使って話す人と討論するのは初めて、どうしよう」
という思いも、きっと大きかったと想像します。
そうならないためにも、知っておきたい事柄がいっぱいです。

で、さらに、
この映画、何が素晴らしいかっていうと、ズバリ監督!
ドキュメンタリー映画とはいえ、監督の個性はにじみ出る。
なんだけど、彼女の場合はそれがハンパない!
たぶんクルーを含め、最年少だと思える監督に
皆、心を開いて、ありのままの姿をさらけ出しているのだ!

想像でしかないけど、映画内で出でくる今村彩子監督って、
深い愛に包まれて育ってきたんだろうなぁ~
あの目力は、タダモノではない! と思わせてくれる。

だけど、これは確かな事。
彼女の取材対象たちが、なぜ彼女に心を開いてくれたか?

・・・それは、彼女も耳が聴こえないから。


◆映画『架け橋 きこえなかった3.11』
http://www.studioaya.com/kakehashi/


※追記 画像は忍足亜希子さんです。お間違えのないように。