2016年大河『真田丸』18話「上洛」のネタバレ感想のようなものまとめ
マルチミーニングの「父の背中」でした。
※長文です。
関連リンク
・『真田丸』17話「再会」、狂気渦巻く豊臣、涙こぼれる徳川、迷走する真田。
・『真田丸』16話「表裏」 欠け落ちた残穢、仄暗い井戸の底から
・『真田丸』15話「秀吉」、小日向秀吉の笑顔に隠された狂気。
『真田丸』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
朝ドラ「とと姉ちゃん」「てるてる家族」「あさが来た」「あまちゃん」こちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
■先週までの真田丸
土曜の昼は副音声で答え合わせ大会。
「出ていく家康。胃を抑える勝元」
胃壁えぐれる中間管理職。
「そっぽを向く旭。扇子で口元を隠し阿茶局に耳打ちをする旭」
「扇子で口元を隠し阿茶局に耳打ちをする旭。無表情の旭」
やっぱり無表情なんじゃないかwww
「手を取りあう家康と秀吉。自分の手が上になるように重ねなおす2人。横で一緒に笑う信繁。」
ニッコニコニッコニコ笑いながらの爆笑リハーサル。
そこには絶対に負けられない闘いがあったという。
■An Audience
源次郎からお手紙届いた。
でも昌幸パッパ。
「気に入らん!」
「何様か!秀吉は」
と解せない様子。
「上洛はせん!」
「(なあおいこら、今週のタイトル『上洛』なんだぞ。なあ?)」
ところで。
「上洛」の英訳が『An Audience』になってたのに「ほうっ!」とうならされた今日の昼下がり。
公式の英語版の各話タイトル、予想の斜め上をくるかっこよさでした。
今回18話『上洛』が"An audience"
16話『表裏』が"Two-faced "
8話『調略』が"Ploy"
audienceに「謁見」の意味があるのですが、歴史用語?である「上洛」を英訳するとそうなるんだなあと。
■藤さま松さま姉上さま
匂い袋キタ━(゜∀゜)━!!!!
匂い袋で確信をえた源次郎。
産業カウンセラー・利休の部屋へ。
「人は何か酷く哀しい目に遭ったとき、それまでのことを忘れてしまうことなどあるのでしょうか」
「知 ら ん が な 」
源次郎が利休に尋ねた言葉、後の茶々との関係性に何か影響を与えるのでしょうか。
それにしても……
源次郎の上唇に抹茶ついてるのかわええ。
お藤さんを問い詰める源次郎。
「姉上には小山田茂誠様という夫がいます。茂誠様は姉上の死を嘆き悲しまれ、今も恐らく琵琶湖のほとりに!」
小山田殿、まだそこにいたんか。
なんだ今度の高木氏のイベント参加は滋賀県のほうなのか。
「その姉上ってのやめてくれない?せめて妹に」
「そればかりは…」
この微妙なコント要員、松様だwww
■セコム直江が真田にきた
「安房守殿、一日も早く上洛なされ。御屋形様も心配しておられる」
セコム直江、真田の警備までしてくれるなんていい人。
山いくつも越えて信濃まで来てくれるなんていい人。
秀吉に会って、秀吉にぶちのめされる御屋形様を後ろで見て、いろいろと思うことがあったんだろうな。
御屋形様も源次郎の実家・真田家がどうか……とか思ったんかな。
いや。
御屋形様が心配なさってるのは源次郎だけのことだな。
ほんでもってセコム直江が心配してるのは、源次郎源次郎って言ってる景勝様のことだな。
「いくら戦上手の安房守殿でも……太刀打ちデキマスマイッ」
語尾で遊ぶタイプのセコム直江。
「大名か死か。取るべき道は明らかでござろう」
直江の「わかってんだろ?」の顔、信幸の「パッパわかってるよね?」の顔、
……からのパッパの「がしかし…」でぶーたれてる顔の変化がいいな。
■母の言葉
昌幸が死に物狂いで戦ってきた理由は信玄公の一択。
それが昌幸のアイデンティティー。
臣従するなら信玄公に匹敵する者しかない。
少なくとも今の時点で秀吉を知らない彼の『割りに合わない』の言葉が的を得ている。
「真田はこうして生き延びてきた。下手に出て牙を隠して爪を隠して、この先秀吉の勢いに陰りが見えたら寝首を掻く。卑怯者で何が悪い!ん?」
とり様の言葉の力強さよ。
安房守のアイデンティティーを全肯定する母の姿に目頭あつい。
「頭は下げてもここは渡さん」
とり様の言葉に何を守るべきか気付いたのか安房守真田昌幸。
スッキリした表情。
母の日に、胸アツな親子のやり取りでした。
ところで。
上洛して秀吉の下につくことを報告した場で、可愛いおっちゃんが一人。
「嫌じゃ嫌じゃ!なんで今更秀吉の下に何ぞつかねばならんのだ!」
駄々コネる世界のYAZAWAがちょっと可愛く見えた、なんて大声じゃ言えない。
■お兄ちゃんの寿命が延びた
時間はかかったが父は上洛の道を選んだ。
安堵する信幸。
「これで真田は生き延びられる」
お兄ちゃんの寿命が少し伸びた!(享年93)
■太政大臣、そこからの眺め
さて大坂。
寧様のところに飛び込んできた秀吉。
開口一番に言ったのは……
「わしは太政大臣になるぞ!!」
海の底の都「ガタッ」
「かの源頼朝も征夷大将軍にはなったが、太政大臣にはなれなかった!」
あ、いやあの。その前に太政大臣になったもののふが……
てかその源頼朝ってあんたの孫じゃないか。
※小日向さんは、『平清盛』で源頼朝の祖父・源為義、通称ダメ義さんを演じられておりました。
→2012年大河ドラマ『平清盛』はここが凄かった5つ。
→【真田丸18話】太政大臣、頼朝、唐果物……ざわつく海の底の都【平清盛】
→【キャスト転生】 #真田丸 、#平清盛 クラスタによって満員御礼 【嫡男の胃袋】
■真田処す?処す?
そんな清盛トークはともかくとして。
秀吉、太政大臣おめでとう!
「ありがとーう!ヽ(*´∀`)ノ 」
その直後に。
「さほどうれしゅうない……(´Д`)」
間髪入れずに本音とか。
「真田処す?処す?」
源次郎の目の前でさらっと聞いちゃう茶々様、ああ茶々様。
■出浦さん、明智光秀になってもいいってよ
「なんならわしが、明智光秀になっても構わぬぞ」
脳裏にあの明智光秀が浮かぶとどうにも「?!」なのですが。
でも『謀反』の隠語として『明智光秀』が使われるの面白い。
てか出浦さんの明智光秀見てみたい。
■再会
再会した昌幸パッパと源次郎の笑顔がまぶしくて。
源次郎の兄をいじれる喜び、源三郎の弟からいじられる喜び。
それをみて大笑いするパッパの喜びがまぶしくて。
ここのところ源次郎、苦労しっぱなしでしたからね。
パッパもお兄ちゃんもそう。
はじけるような笑顔、久しぶりです。
■「どう攻めるか」は「どう守るか」
豊臣建設の大坂城を眺めながらパッパが一言。
「源次郎。おまえならどう攻める?」
父から唐突に問われて、兄弟2人の表情が少し違うのがまた。
「城はのう、大きければ攻めにくいというものではない。むしろ大きいと守りの手薄な場所が必ず出来る。それを見つける」
図面を持ってこいという昌幸。
あのとき源次郎が三成に言われていた城の図面。
睨み付けるかのようにじっと見ている信幸に、苦笑いのような信繁の表情がまた。
「どう攻めるか」の視点は、逆に考えれば「どう守るか」なわけで。
これが『真田丸』につながるんだなあと。
■都会流のおもてなし
城外の寺に泊まるように言われたのが色々と気に食わない兄と父。
源次郎は三成に取り合ってみるも、三成はお手紙書いてて忙しいからダメってんで。
じゃあ仕方ない、都会は都会流のもてなしをするしかない。
というわけで信幸兄ちゃんもキャバクラデビュー。
「あなたも一杯いかがです?」
………!!!!
(いろいろとストーリー外の妄想が捗ります)
ひとりで厠に出た昌幸。
昌幸が夜の大坂城を眺めている間、兄弟はこんな会話をしていました。
「我等は生まれてくるのが、いささか遅すぎたのかもしれんな」
これから先歴史上に起きるあれこれがいろいろ頭をよぎって辛い。
信幸にこの言葉言わせるのずるい。
■アルソック三成の検閲タイム
昌幸たちが信濃から持ってきた秀吉への献上品。
その中には、あの毛皮が。
「上物よ。必ずや喜んで頂けるはず。わしが欲しいくらいじゃ」
パッパお気に入りの暖かそうなあのモフモフ。
自慢げに見せるのですが……
「くちゃい!」
「うがっ!」
「だせえよ、殿下こんなん着ねえよ」と言われ、結果、田舎者丸出しになってしまった昌幸と信幸。
「源次郎が兄の」
「時が惜しい。そのへんで」
「( ゜д゜)」
パッパの「うるさいわ」に引き続き、石田殿の「時が惜しい」とな。
室賀死すとも黙れ小童死せず。
■おまえかよ!!
いざ秀吉の前へ!と思いきや出てきたのは、秀次。
秀次を目の前にして明らかに動揺する昌幸たち。
それを隠そうとしてるけど隠しきれてない昌幸が……
■父の背中
落ち込む昌幸パッパ。
背中が寂しそう。
「そうないがしろないがしろ言うな。それにしても秀吉め。呼びつけておいて姿も見せぬとは。礼儀を知らぬ大馬鹿ものじゃ。こりゃ先は短いぞ。フフッ」
昌幸の言葉が自虐的に刺さってるようにも聞こえてしまう。
そんな父の背中。
そこへやってきたのが大谷吉継でした。
昌幸に一度でも会いたかったと会いに来てくれた吉継様。
楠木正成の再来、と喜ぶ2人。
ここでパッパのメンタルは少し持ち直すのですが……
■懇願と恫喝
落ち込む父の姿を見たあと。
「父に会ってくれ」と秀吉に懇願する源次郎。
「わしを恫喝しておるのか?」
「恫喝しております」
また顔の半分だけ歪めるような、不敵な笑みの秀吉。
「こいつやっぱり面白いな」と言っていそうなその目尻。
ところで。
「茶々様が食べてたの唐果物っぽいな」と思ってたら。
海の都の方々がザワザワ騒いでらしたからやっぱりそうだなって。
亀屋清永さんの伝統京菓子・清浄歓喜団。
1個500円っていう超高級品。
■心にヒビが入る音がした
秀吉本人が昌幸に会うことになりました。
ってあれ、秀吉。例のくちゃいモフモフ着てる。
秀吉が持ち出したのは、『徳川の与力大名になれ』という辞令でした。
それは信玄公を拠り所とし、沼田を信濃を守り抜いてきた戦国武将・昌幸にとって、残酷すぎる道のひとつ。
それを断ることができないように、完全に昌幸の逃げ道を断つ。
そのための献上品のモフモフ。
昌幸が「上物よ」と誇らしげに話していたあのモフモフ。
そこでさらに自分から歩み寄って、「頼りにしてるぞ」と。
昌幸が去ったら「これ臭いな。佐吉燃やしとけ」ってのが目に見えてるくらいに、憎らしい(でも秀吉らしい)人心掌握術。
安房守のプライドが壊される。
観ている方の胃壁がえぐられるシーンでした。
そういえば4話で織田信長に会ったときは「よき面構えじゃ」でした。
あのとき、圧倒的な畏怖を持って領地安堵を言い渡し、支配した信長。
秀吉は「頼りにしているぞ」と口にしつつも、屈辱を与えながらプライドを壊すことで支配する。
信長と秀吉の対比が、昌幸でもって描かれるんですね。
■父の背中、息子の言葉
「源三郎、源次郎。わしはどこで間違った。教えてくれ。わしはどこで間違った……」
プライドをへし折られ、現実を叩きつけられた父の背中が辛い。
そのモフモフが、秀吉もモフモフ着ていたから余計に。
先週の予告を見ていたときは
「最初からだよバァァァァァカ」とか言えるかなと思っていたのに。
この悲哀と落胆。
パッパこのまま横の井戸に落ちてしまいそうな(……井戸?)くらいの落ち込みっぷりが、画面を通して伝わってきて。
そんなパッパに対して源三郎が
「間違えてなどおりませぬ!!」
嫡男・真田源三郎信幸。
正しいが面白くない、面白くないが正しい。
ここ18話に至るまで、数々の演出や台詞の応酬などで描かれた源三郎。
その源三郎が
「ずっと申し上げてたではないですが。早く上洛すべきだと」
って言わなかったことになぜか安心しました。
不安だったけれど、でも父は間違ってはいない。
父が大切にしようとしているものは間違っていない。
信幸の本心を垣間見れば見るほど、別れが辛い。
■黒歴史ポロポロ
そんな落ち込む親子ですが、源次郎がやっとあのことを伝えました。
(まあそれどころじゃなかったもんなあ)
死んだと思われていた松。
それが生きていた。
だがどうやら松だったころの記憶がないらしい。
そこで彼らが思いついたのは『真田の郷の思い出を伝えてみよう』という試みでした。
昌幸「おんぶしてたらションベンされた」
信幸「沢蟹で鼻挟んできた」
きり「一緒にイケメンウォッチングした」
信繁「なんかきもい干からびたカエルくれた」
たとえ思い出したとしても、名乗り出るのが憚られる黒歴史のオンパレード。
それにしても
「お前はわしがおんぶすると必ずしょんべんするんじゃ!」
ちょ、『父の背中』にしんみり来てたのにそういう背中かよwww
■角質ポロポロ
そんな黒歴史じゃ思い出せないから仕方ない、ときりちゃん。
はあ、潤い足りてないのかしら。
かかとの角質もポロポロしちゃってカサカサ……
そんなきりの呟きで……
きりちゃん借りパク事案。
じゃなくて松さん覚醒。
藤さんが松さんに戻った瞬間、明らかに変わるんですね。
女優さんってすげえな。
いやいやちょっと待て。
小山田殿の匂い袋www
■生きてこそ
戦国の乱世に家族ドラマなんて、って批評があるのかもしれない。
けど戦国の乱世だからこそ、家族の在り方が問われるんじゃないかなって。
なんとなく彼らの笑顔はそう思わせてくれました。
「生きておっただけもうけもんじゃ。つらいことがあればよいこともある。世の中ようできとるわい」
さっきまで世を嘆いていた父が、娘が生きていたことだけでもありがたい、世の中よくできていると。
姉上の行方不明事件、からの『再会』。
これ昌幸パッパのためだったんですね。
昌幸は松さんの死の知らせを受けたとき、完全に割り切ったような態度をとっていました。
でも見えないところで哀しんでいたのかもしれません。
それから、大名になるためにもがきあがき、騙し騙され、必死で生き抜いてきた。
そこに待ち構えていたのが、家康の与力大名になれと言う最大の屈辱。
そのままフェードアウトしてしまうんじゃないかと思わせるくらいの虚しさを背負った昌幸が、「松が生きていた」ということで再び目の力を取り戻していく。
生きていれば、生きていれば。
たとえそれが卑怯者でも生きていれば。
いつか牙を隠して爪を隠して、寝首を掻くことができる。
生きていればその日は来る。
源次郎が大坂に来て、真田と源次郎は手紙での交流すら難しくなった。
大坂で、秀吉のもとで天下人の凄味を体感していく源次郎。
一方情報が届かない信濃で、完全に上洛のタイミングを見失っていた昌幸たち。
いざ大坂に来てみれば、誇りの毛皮は臭いと言われてしまう田舎者扱い。
そんな父と兄に、都会流のもてなしをする源次郎。
どこか寂しい、都会の匂いと土の匂い。
違う道を来たけれど、生まれた場所は同じ真田の郷。
真田の郷で過ごしたあのころ。
家族に救われたのは昌幸だけではなく、源三郎、源次郎も同じだったのかもしれません。
たとえいつか別れることになってしまうとしても。
■いえやすラスボス
さあ出直していざ駿府城へ。
(史実では先に駿府城のほうに行っています ←史実でも先に上洛しているとのこと。コメント欄でご指摘いただきました。ありがとうございます)
待っていたのは……
これまでコミカルに描かれた家康がラスボスなんだって改めて自覚させられたよ。
『この年より徳川家康の与力大名となる』
有働由美子アナのナレーション。
15話ラストのナレ死オンパレードも残酷だったけれど。
今回のこの一言が、心情的に辛いものがあるかも。
■昌幸が守ったもの
パッパは確かに何も間違ってはいない。
プライドずたぼろにされたけれど、守るべきものは守り抜いた。
それは領地。
それは故郷。
幼いころ。
松が父の背中に小便をし、源三郎の鼻に沢蟹をはさみ、きりと一緒にイケメンウォッチングをして、源次郎に干からびた蛙をプレゼントした。
それは真田の郷での大事な思い出。
他愛のない黒歴史、他愛のない思い出。
でもそれはそれぞれにとって大事な大事な思い出のある場所。
その本領を守るため、秀吉に頭を下げ、家康に頭を下げる。
どんなに嫌でも頭を下げる。
ともすると駄々こねてた世界のYAZAWAもまた象徴的。
■4話とのつながり
今回の18話。
4話『挑戦』とのリンクが多く張られていました。
かかとカサカサ女子会も4話。
姉上が織田方に人質として送られ、小山田殿が匂い袋を作っていたのも4話。
昌幸と家康、昌幸と信長の邂逅も4話。
出浦さんとのやりとりで出てくる明智光秀が描かれたのも4話。
言わずもがな、この4話は本能寺の変で終わります。
これは一体どういうことなのか。
まだまだわかりませんが、なかなか興味深い構成でした。
読みづらい長文お読みいただきありがとうございましたああ。
マルチミーニングの「父の背中」でした。
※長文です。
関連リンク
・『真田丸』17話「再会」、狂気渦巻く豊臣、涙こぼれる徳川、迷走する真田。
・『真田丸』16話「表裏」 欠け落ちた残穢、仄暗い井戸の底から
・『真田丸』15話「秀吉」、小日向秀吉の笑顔に隠された狂気。
『真田丸』『ちかえもん』『映像の世紀』他、大河、Nスペ、BSプレミアムのまとめ。
・少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ<NHK系>
朝ドラ「とと姉ちゃん」「てるてる家族」「あさが来た」「あまちゃん」こちら。
・朝ドラ感想記事のまとめ
民放ドラマ、映画などなどのまとめ
・テレビっ子の備忘録まとめ。<民放系>
■先週までの真田丸
土曜の昼は副音声で答え合わせ大会。
「出ていく家康。胃を抑える勝元」
胃壁えぐれる中間管理職。
「そっぽを向く旭。扇子で口元を隠し阿茶局に耳打ちをする旭」
「扇子で口元を隠し阿茶局に耳打ちをする旭。無表情の旭」
やっぱり無表情なんじゃないかwww
「手を取りあう家康と秀吉。自分の手が上になるように重ねなおす2人。横で一緒に笑う信繁。」
ニッコニコニッコニコ笑いながらの爆笑リハーサル。
そこには絶対に負けられない闘いがあったという。
■An Audience
源次郎からお手紙届いた。
でも昌幸パッパ。
「気に入らん!」
「何様か!秀吉は」
と解せない様子。
「上洛はせん!」
「(なあおいこら、今週のタイトル『上洛』なんだぞ。なあ?)」
ところで。
「上洛」の英訳が『An Audience』になってたのに「ほうっ!」とうならされた今日の昼下がり。
公式の英語版の各話タイトル、予想の斜め上をくるかっこよさでした。
今回18話『上洛』が"An audience"
16話『表裏』が"Two-faced "
8話『調略』が"Ploy"
audienceに「謁見」の意味があるのですが、歴史用語?である「上洛」を英訳するとそうなるんだなあと。
■藤さま松さま姉上さま
匂い袋キタ━(゜∀゜)━!!!!
匂い袋で確信をえた源次郎。
産業カウンセラー・利休の部屋へ。
「人は何か酷く哀しい目に遭ったとき、それまでのことを忘れてしまうことなどあるのでしょうか」
「知 ら ん が な 」
源次郎が利休に尋ねた言葉、後の茶々との関係性に何か影響を与えるのでしょうか。
それにしても……
源次郎の上唇に抹茶ついてるのかわええ。
お藤さんを問い詰める源次郎。
「姉上には小山田茂誠様という夫がいます。茂誠様は姉上の死を嘆き悲しまれ、今も恐らく琵琶湖のほとりに!」
小山田殿、まだそこにいたんか。
なんだ今度の高木氏のイベント参加は滋賀県のほうなのか。
「その姉上ってのやめてくれない?せめて妹に」
「そればかりは…」
この微妙なコント要員、松様だwww
■セコム直江が真田にきた
「安房守殿、一日も早く上洛なされ。御屋形様も心配しておられる」
セコム直江、真田の警備までしてくれるなんていい人。
山いくつも越えて信濃まで来てくれるなんていい人。
秀吉に会って、秀吉にぶちのめされる御屋形様を後ろで見て、いろいろと思うことがあったんだろうな。
御屋形様も源次郎の実家・真田家がどうか……とか思ったんかな。
いや。
御屋形様が心配なさってるのは源次郎だけのことだな。
ほんでもってセコム直江が心配してるのは、源次郎源次郎って言ってる景勝様のことだな。
「いくら戦上手の安房守殿でも……太刀打ちデキマスマイッ」
語尾で遊ぶタイプのセコム直江。
「大名か死か。取るべき道は明らかでござろう」
直江の「わかってんだろ?」の顔、信幸の「パッパわかってるよね?」の顔、
……からのパッパの「がしかし…」でぶーたれてる顔の変化がいいな。
■母の言葉
昌幸が死に物狂いで戦ってきた理由は信玄公の一択。
それが昌幸のアイデンティティー。
臣従するなら信玄公に匹敵する者しかない。
少なくとも今の時点で秀吉を知らない彼の『割りに合わない』の言葉が的を得ている。
「真田はこうして生き延びてきた。下手に出て牙を隠して爪を隠して、この先秀吉の勢いに陰りが見えたら寝首を掻く。卑怯者で何が悪い!ん?」
とり様の言葉の力強さよ。
安房守のアイデンティティーを全肯定する母の姿に目頭あつい。
「頭は下げてもここは渡さん」
とり様の言葉に何を守るべきか気付いたのか安房守真田昌幸。
スッキリした表情。
母の日に、胸アツな親子のやり取りでした。
ところで。
上洛して秀吉の下につくことを報告した場で、可愛いおっちゃんが一人。
「嫌じゃ嫌じゃ!なんで今更秀吉の下に何ぞつかねばならんのだ!」
駄々コネる世界のYAZAWAがちょっと可愛く見えた、なんて大声じゃ言えない。
■お兄ちゃんの寿命が延びた
時間はかかったが父は上洛の道を選んだ。
安堵する信幸。
「これで真田は生き延びられる」
お兄ちゃんの寿命が少し伸びた!(享年93)
■太政大臣、そこからの眺め
さて大坂。
寧様のところに飛び込んできた秀吉。
開口一番に言ったのは……
「わしは太政大臣になるぞ!!」
海の底の都「ガタッ」
「かの源頼朝も征夷大将軍にはなったが、太政大臣にはなれなかった!」
あ、いやあの。その前に太政大臣になったもののふが……
てかその源頼朝ってあんたの孫じゃないか。
※小日向さんは、『平清盛』で源頼朝の祖父・源為義、通称ダメ義さんを演じられておりました。
→2012年大河ドラマ『平清盛』はここが凄かった5つ。
→【真田丸18話】太政大臣、頼朝、唐果物……ざわつく海の底の都【平清盛】
→【キャスト転生】 #真田丸 、#平清盛 クラスタによって満員御礼 【嫡男の胃袋】
■真田処す?処す?
そんな清盛トークはともかくとして。
秀吉、太政大臣おめでとう!
「ありがとーう!ヽ(*´∀`)ノ 」
その直後に。
「さほどうれしゅうない……(´Д`)」
間髪入れずに本音とか。
「真田処す?処す?」
源次郎の目の前でさらっと聞いちゃう茶々様、ああ茶々様。
■出浦さん、明智光秀になってもいいってよ
「なんならわしが、明智光秀になっても構わぬぞ」
脳裏にあの明智光秀が浮かぶとどうにも「?!」なのですが。
でも『謀反』の隠語として『明智光秀』が使われるの面白い。
てか出浦さんの明智光秀見てみたい。
■再会
再会した昌幸パッパと源次郎の笑顔がまぶしくて。
源次郎の兄をいじれる喜び、源三郎の弟からいじられる喜び。
それをみて大笑いするパッパの喜びがまぶしくて。
ここのところ源次郎、苦労しっぱなしでしたからね。
パッパもお兄ちゃんもそう。
はじけるような笑顔、久しぶりです。
■「どう攻めるか」は「どう守るか」
豊臣建設の大坂城を眺めながらパッパが一言。
「源次郎。おまえならどう攻める?」
父から唐突に問われて、兄弟2人の表情が少し違うのがまた。
「城はのう、大きければ攻めにくいというものではない。むしろ大きいと守りの手薄な場所が必ず出来る。それを見つける」
図面を持ってこいという昌幸。
あのとき源次郎が三成に言われていた城の図面。
睨み付けるかのようにじっと見ている信幸に、苦笑いのような信繁の表情がまた。
「どう攻めるか」の視点は、逆に考えれば「どう守るか」なわけで。
これが『真田丸』につながるんだなあと。
■都会流のおもてなし
城外の寺に泊まるように言われたのが色々と気に食わない兄と父。
源次郎は三成に取り合ってみるも、三成はお手紙書いてて忙しいからダメってんで。
じゃあ仕方ない、都会は都会流のもてなしをするしかない。
というわけで信幸兄ちゃんもキャバクラデビュー。
「あなたも一杯いかがです?」
………!!!!
(いろいろとストーリー外の妄想が捗ります)
ひとりで厠に出た昌幸。
昌幸が夜の大坂城を眺めている間、兄弟はこんな会話をしていました。
「我等は生まれてくるのが、いささか遅すぎたのかもしれんな」
これから先歴史上に起きるあれこれがいろいろ頭をよぎって辛い。
信幸にこの言葉言わせるのずるい。
■アルソック三成の検閲タイム
昌幸たちが信濃から持ってきた秀吉への献上品。
その中には、あの毛皮が。
「上物よ。必ずや喜んで頂けるはず。わしが欲しいくらいじゃ」
パッパお気に入りの暖かそうなあのモフモフ。
自慢げに見せるのですが……
「くちゃい!」
「うがっ!」
「だせえよ、殿下こんなん着ねえよ」と言われ、結果、田舎者丸出しになってしまった昌幸と信幸。
「源次郎が兄の」
「時が惜しい。そのへんで」
「( ゜д゜)」
パッパの「うるさいわ」に引き続き、石田殿の「時が惜しい」とな。
室賀死すとも黙れ小童死せず。
■おまえかよ!!
いざ秀吉の前へ!と思いきや出てきたのは、秀次。
秀次を目の前にして明らかに動揺する昌幸たち。
それを隠そうとしてるけど隠しきれてない昌幸が……
■父の背中
落ち込む昌幸パッパ。
背中が寂しそう。
「そうないがしろないがしろ言うな。それにしても秀吉め。呼びつけておいて姿も見せぬとは。礼儀を知らぬ大馬鹿ものじゃ。こりゃ先は短いぞ。フフッ」
昌幸の言葉が自虐的に刺さってるようにも聞こえてしまう。
そんな父の背中。
そこへやってきたのが大谷吉継でした。
昌幸に一度でも会いたかったと会いに来てくれた吉継様。
楠木正成の再来、と喜ぶ2人。
ここでパッパのメンタルは少し持ち直すのですが……
■懇願と恫喝
落ち込む父の姿を見たあと。
「父に会ってくれ」と秀吉に懇願する源次郎。
「わしを恫喝しておるのか?」
「恫喝しております」
また顔の半分だけ歪めるような、不敵な笑みの秀吉。
「こいつやっぱり面白いな」と言っていそうなその目尻。
ところで。
「茶々様が食べてたの唐果物っぽいな」と思ってたら。
海の都の方々がザワザワ騒いでらしたからやっぱりそうだなって。
亀屋清永さんの伝統京菓子・清浄歓喜団。
1個500円っていう超高級品。
■心にヒビが入る音がした
秀吉本人が昌幸に会うことになりました。
ってあれ、秀吉。例のくちゃいモフモフ着てる。
秀吉が持ち出したのは、『徳川の与力大名になれ』という辞令でした。
それは信玄公を拠り所とし、沼田を信濃を守り抜いてきた戦国武将・昌幸にとって、残酷すぎる道のひとつ。
それを断ることができないように、完全に昌幸の逃げ道を断つ。
そのための献上品のモフモフ。
昌幸が「上物よ」と誇らしげに話していたあのモフモフ。
そこでさらに自分から歩み寄って、「頼りにしてるぞ」と。
昌幸が去ったら「これ臭いな。佐吉燃やしとけ」ってのが目に見えてるくらいに、憎らしい(でも秀吉らしい)人心掌握術。
安房守のプライドが壊される。
観ている方の胃壁がえぐられるシーンでした。
そういえば4話で織田信長に会ったときは「よき面構えじゃ」でした。
あのとき、圧倒的な畏怖を持って領地安堵を言い渡し、支配した信長。
秀吉は「頼りにしているぞ」と口にしつつも、屈辱を与えながらプライドを壊すことで支配する。
信長と秀吉の対比が、昌幸でもって描かれるんですね。
■父の背中、息子の言葉
「源三郎、源次郎。わしはどこで間違った。教えてくれ。わしはどこで間違った……」
プライドをへし折られ、現実を叩きつけられた父の背中が辛い。
そのモフモフが、秀吉もモフモフ着ていたから余計に。
先週の予告を見ていたときは
「最初からだよバァァァァァカ」とか言えるかなと思っていたのに。
この悲哀と落胆。
パッパこのまま横の井戸に落ちてしまいそうな(……井戸?)くらいの落ち込みっぷりが、画面を通して伝わってきて。
そんなパッパに対して源三郎が
「間違えてなどおりませぬ!!」
嫡男・真田源三郎信幸。
正しいが面白くない、面白くないが正しい。
ここ18話に至るまで、数々の演出や台詞の応酬などで描かれた源三郎。
その源三郎が
「ずっと申し上げてたではないですが。早く上洛すべきだと」
って言わなかったことになぜか安心しました。
不安だったけれど、でも父は間違ってはいない。
父が大切にしようとしているものは間違っていない。
信幸の本心を垣間見れば見るほど、別れが辛い。
■黒歴史ポロポロ
そんな落ち込む親子ですが、源次郎がやっとあのことを伝えました。
(まあそれどころじゃなかったもんなあ)
死んだと思われていた松。
それが生きていた。
だがどうやら松だったころの記憶がないらしい。
そこで彼らが思いついたのは『真田の郷の思い出を伝えてみよう』という試みでした。
昌幸「おんぶしてたらションベンされた」
信幸「沢蟹で鼻挟んできた」
きり「一緒にイケメンウォッチングした」
信繁「なんかきもい干からびたカエルくれた」
たとえ思い出したとしても、名乗り出るのが憚られる黒歴史のオンパレード。
それにしても
「お前はわしがおんぶすると必ずしょんべんするんじゃ!」
ちょ、『父の背中』にしんみり来てたのにそういう背中かよwww
■角質ポロポロ
そんな黒歴史じゃ思い出せないから仕方ない、ときりちゃん。
はあ、潤い足りてないのかしら。
かかとの角質もポロポロしちゃってカサカサ……
そんなきりの呟きで……
きりちゃん借りパク事案。
じゃなくて松さん覚醒。
藤さんが松さんに戻った瞬間、明らかに変わるんですね。
女優さんってすげえな。
いやいやちょっと待て。
小山田殿の匂い袋www
■生きてこそ
戦国の乱世に家族ドラマなんて、って批評があるのかもしれない。
けど戦国の乱世だからこそ、家族の在り方が問われるんじゃないかなって。
なんとなく彼らの笑顔はそう思わせてくれました。
「生きておっただけもうけもんじゃ。つらいことがあればよいこともある。世の中ようできとるわい」
さっきまで世を嘆いていた父が、娘が生きていたことだけでもありがたい、世の中よくできていると。
姉上の行方不明事件、からの『再会』。
これ昌幸パッパのためだったんですね。
昌幸は松さんの死の知らせを受けたとき、完全に割り切ったような態度をとっていました。
でも見えないところで哀しんでいたのかもしれません。
それから、大名になるためにもがきあがき、騙し騙され、必死で生き抜いてきた。
そこに待ち構えていたのが、家康の与力大名になれと言う最大の屈辱。
そのままフェードアウトしてしまうんじゃないかと思わせるくらいの虚しさを背負った昌幸が、「松が生きていた」ということで再び目の力を取り戻していく。
生きていれば、生きていれば。
たとえそれが卑怯者でも生きていれば。
いつか牙を隠して爪を隠して、寝首を掻くことができる。
生きていればその日は来る。
源次郎が大坂に来て、真田と源次郎は手紙での交流すら難しくなった。
大坂で、秀吉のもとで天下人の凄味を体感していく源次郎。
一方情報が届かない信濃で、完全に上洛のタイミングを見失っていた昌幸たち。
いざ大坂に来てみれば、誇りの毛皮は臭いと言われてしまう田舎者扱い。
そんな父と兄に、都会流のもてなしをする源次郎。
どこか寂しい、都会の匂いと土の匂い。
違う道を来たけれど、生まれた場所は同じ真田の郷。
真田の郷で過ごしたあのころ。
家族に救われたのは昌幸だけではなく、源三郎、源次郎も同じだったのかもしれません。
たとえいつか別れることになってしまうとしても。
■いえやすラスボス
さあ出直していざ駿府城へ。
(
待っていたのは……
これまでコミカルに描かれた家康がラスボスなんだって改めて自覚させられたよ。
『この年より徳川家康の与力大名となる』
有働由美子アナのナレーション。
15話ラストのナレ死オンパレードも残酷だったけれど。
今回のこの一言が、心情的に辛いものがあるかも。
■昌幸が守ったもの
パッパは確かに何も間違ってはいない。
プライドずたぼろにされたけれど、守るべきものは守り抜いた。
それは領地。
それは故郷。
幼いころ。
松が父の背中に小便をし、源三郎の鼻に沢蟹をはさみ、きりと一緒にイケメンウォッチングをして、源次郎に干からびた蛙をプレゼントした。
それは真田の郷での大事な思い出。
他愛のない黒歴史、他愛のない思い出。
でもそれはそれぞれにとって大事な大事な思い出のある場所。
その本領を守るため、秀吉に頭を下げ、家康に頭を下げる。
どんなに嫌でも頭を下げる。
ともすると駄々こねてた世界のYAZAWAもまた象徴的。
■4話とのつながり
今回の18話。
4話『挑戦』とのリンクが多く張られていました。
かかとカサカサ女子会も4話。
姉上が織田方に人質として送られ、小山田殿が匂い袋を作っていたのも4話。
昌幸と家康、昌幸と信長の邂逅も4話。
出浦さんとのやりとりで出てくる明智光秀が描かれたのも4話。
言わずもがな、この4話は本能寺の変で終わります。
これは一体どういうことなのか。
まだまだわかりませんが、なかなか興味深い構成でした。
読みづらい長文お読みいただきありがとうございましたああ。
「史実では先に駿府城のほうに行っています」について、史実でも先に上洛しています。天正15年2月に上洛して秀吉に出仕し、3月に家康へ出仕したそうです。時代考証の丸島氏はtwitterで、黒田氏は大学のサイトでそう発信してます。どうやら、間違った史料の読み方が史実として広まってしまったらしいです。
ありがとうございます。
ご指摘された件、訂正いたしました。
あんだけ自分ら小勢力(大名でないのに)なのに、上洛をしぶって大丈夫か?といってた信幸がいざ上洛して自分らの待遇が悪いとなると憤る
たしかにこれは昌幸に芝居ができないといわれますわ(笑)
しかし状況的には非常におもしろいのに、そんなに昌幸の背中を小さく描写する場面でもないような(笑)
与力大名は軍事行動で上の大名の指揮下にはいるってだけで、領地経営までさしずされるわけじゃないし
なにより互いにに秀吉のしたになったから、北条が沼田にちょっかいだしたら徳川は真田に付かざるえない
あんだけまわりの大勢力の下につきながら引っ掻き回してきた草刈昌幸ならこんなに面白い状態はないとおもうんだがなぁ
自分で相手を転がして作り出しした状況じゃないからおもしろくないのか
この時代国衆なんてバンバンつぶされていったのからしたら、万々歳のけっかやし