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『真田丸』16話「表裏」 欠け落ちた残穢、仄暗い井戸の底から

2016-04-25 19:14:04 | 大河
2016年大河『真田丸』16話「表裏」のネタバレ感想のようなものまとめ 

 

ニッコリ笑顔って言ってもいろいろあるから。


※途中妄想激しくなりますのでご注意ください。




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■副音声で振り返る15話のあのシーン。


前回までの真田丸。
15話『秀吉』終盤の天正かるたを楽しみつつ、視線芝居が繰り広げられるシーンの音声解説。


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「16話でこの家来がいなくなってたらマジモンのホラーじゃねえか」
と思っていました。



■よい知らせと悪い知らせ



「大坂での暮らしはどうじゃ?」
「見るもの聞くもの珍しいことばかり。飽きる暇もございません」


なんて楽しそうな源次郎の表情。
ところがどっこい。


「悪い知らせがある」

ニッコリ笑いながら言っちゃう秀吉さんな。
「チワワとセコムは越後に帰った」と聞かされた信繁。


 
「私はどうなるのです?」
「私も上田に帰れるのでしょうか?」

って源次郎聞いてるのに

「よい知らせもある」
って質問に答えない秀吉いいいいい。


「明日よりそなたは殿下の家来じゃ。わかったな」
「(待って待って待って待ってねえ待って!) 」


源次郎、なあ源次郎。
さっきの笑顔どこいった。



■きりちゃんが清涼剤。


事の次第を知らされたきりちゃん。
源次郎から「上田に帰れ」と言われるもねばーるねばーる。
でも源次郎…


「だからいなくていいんだ!」

源次郎!
あんた大変なの分かるけど!
ストーリーの中でもきりちゃん除け者扱いしないで源次郎!


今きりちゃんの設定が世間からいろいろいわれてて、もしかしたら上層部が以下略
(東スポの記事の話)




■デスビーム茶々


景勝さまは大変おいたわしい顔で「源次郎、すまぬ…わしのせいじゃ…」とか言ってて。
セコムは「御屋形様!」とか言ってて。
越後へ向かって加賀あたりをテクテクしてるんであろうこのころ。



が、秀吉の馬廻衆となった源次郎はそれどころではなく。
平野長泰からとんでもない話を聞いておりました。



そもそも源次郎が突然馬廻衆になったのは、権三という者が突然死んだため、という理由から。
「えっまさか権三っておいおい」
と思っていたら。



うわああああ。
やっぱりマジモンのホラーじゃねえか。


茶々さんは視線で人を殺しちゃうタイプなの?!
その愛らしい可愛い視線はデスビームなの?!


茶々様の話はおいおい触れるので、とりあえず『歩く残穢』ってくらいにしておくとして。
平野殿からさらに衝撃の言葉。

 
「十中八九虎之助さ」
「加藤清正殿…?」


えっまさかの清正の……
うわああ、今日の新聞ラテ欄の副題!

↓4月24日(日)の『真田丸』ラテ欄。




 
「加藤様には権三殿を殺す理由があるんですか?」
「殿下に言われたんだ」


……

……

もしかして(もしかしなくても): ブラック企業 ?



■ショッピングプラザ・利休


 

確かにこれは目移りする。
てかあのハリーポッターの組み分け帽子が気になる。


 

秀次殿と利休殿、ショップ店員かな。

 
しかしそんな利休殿を見つめる熱視線。



石田殿、ガン見。
もっというとこの三成を源次郎がガン見。

なんなの豊臣勢はみんな視線使いなの?





■かかねいちゃん


新作の帯を寧様にプレゼントする秀吉。
でも寧様はお見通し。
「てか選んだのは秀次なんでしょ」と。
そしたら殿下……


「何を言っているんだおまえは。何を言っているんだ!」

その笑顔が!怖いんだ!!


「面倒みたってくれるかなあ。九州の名だたる大名の身内だ。それなりに手厚く迎えねばならぬ」
「関白秀吉の妻が直々に世話をするというのが大事なのだ」


こういうのが秀吉の強みであり弱みだったんだろうなあ、と思いつつ。


「それでこそわしのかかじゃ!」
「やめてちょ~」
「ねーい、ねいねい!ねいねい!」


まさに人たらし。

天下人の正室に、ふさわしい仕事を渡す。
寧様だって嬉しくないはずがない。
もうほんと人たらし。
(ねいねい!って可愛かった…)



■殺傷能力のある笑顔


で、もうひとり。
茶々様のところへ帯をプレゼント。
秀吉の警護にあたっている源次郎ももちろん一緒。


「ほら見て。殿下が下さったんですよ。信州の山奥にはこんなのないでしょ」

お願いお願いこっちこないで……
って訴えかけてるホラー待機な源次郎の心臓が痛い。


しかも帯の向こう側に秀吉チラ見してんの怖い。


 
(言葉にできないこの恐怖よ)




そして源次郎の目がお兄ちゃんとは別方向に死にはじめた。
生きろ、源次郎。



■三成先生の歴史の授業。


 

三成先生の講義、今日は賤ヶ岳の合戦で活躍した七人槍について。
検地の話といい、三成先生わかりやすく講義してくれますね。

てか2人の間から覗いてるのはアレかな。
その肝心の平野殿かな。




■何でもかんでも書いていいわけじゃない



「大坂のこと、親に知らせるのは構わんが何でもかんでも書いてよいというものではない」

ブラック!
ブラック!
これブラック企業の!!


現代版ブラック企業だと。
有給申請、残業申請、交通費申請、異動願、退職願……
いろいろとあるものの。

秀吉さんちは
「手紙も検閲しまーす!」
ってんだから、ブラックを越えたブラック。

ゴールデンブラック。

……とは言うものの。
三成殿は、信繁に直接返してるんですよね。
しかも警告のニュアンスも存分に込めて。

もしかして : 優しい ?




■悪い顔が似合う人たち


さて、石田三成と大谷吉継。

 
「それを成し遂げるに今一番厄介な男が…」
「……千利休というわけか」


悪い顔に定評のある中の人、おふたり。
千利休をなんとかかんとか(源次郎は盗み聞き中)


「必ず引きずりおろして見せます」

ヤマコーさん……
日曜21時(真田丸のあと)の『Our House』で、けったいなダメ親父演じてる件について。



ところで

「太政大臣の件で公家どもと話します」
と出ていった三成先生なんですが。

ん?
バサバサと羽音が…白い鸚鵡の羽が……

三成先生が公家さんに話をつけるって。
あれかな、『平清盛』の14話的な方法なのかしら(やめなさい)




■平野長泰というおっさん


そんな源次郎。
詰め所でのんびりしていたら。

「茶々様が呼んでるからカモン!」
と呼び出された源次郎。

 
「行くがいい」
「そんな!一緒に」
「やなこった!」


ちょっと和んだwww


石田先生の話でも登場していたけど。
この平野長泰、七本槍の中でもとりわけ『ただのおっさん』なんですね。

でもこのとき大坂城においては『ただのおっさん』がどれだけマイナスイオンを放っていたか。
『ただのおっさん』であることが、どれだけ寿命を延ばしたのか。

いろいろと考える平野さんです。



■「あの方は哀しむのをやめたのです」


うだうだしていられないので、茶々様のところへ向かう源次郎。
その道すがら、茶々のことをいくつか知ることになります。

よくしていた権三が何者かによって殺された。
それでも明るい顔をしている。
笑っている。


「あの方は哀しむのをやめたのです」

幼少時、父を信長に殺された茶々。
義父と母を秀吉に殺された茶々。

その秀吉のそばにいる茶々。

「もう笑うしかない」


普通(たとえばきりのような)の精神状態では、この大坂城で生きていくことはできなかったのかもしれません。
笑うしかない。


喜怒哀楽のどれかひとつが欠如することが、これほどにも狂ったように見えてしまうとは。




歩くデスビーム。
歩く死亡フラグ。
歩く残穢。


そんな生きた人間から欠け落ちた感情が、魑魅魍魎となって跋扈しているのが大坂城なのかなと。

あの金箔すら狂気じみて見えるわ。



■仄暗い井戸の底から


やってきました。
問題の『清正井戸』。

 

あかん、あかん。
なぜ覗く……


足音ー!
近づいてるかーらー!!



  
「同じ事してやろうか」

( ゜д゜)!!

関節ひねりあげからの抱き上げ。
「お姫様抱っこ」とか冗談言ってられないくらいの緊迫シーン。




……いや、しかし。

少し落ち着いて考えると、清正は『神経衰弱をしていたときの権三と茶々』の様子を見ていたわけではない。
とすると誰かが清正にチクった可能性が高い。

清正の言動からして、秀吉が権三への殺意を清正に伝えたわけでもない。
茶々も除外してよし。
もちろん源次郎も除外。

と、とりあえず源次郎を除外するとして。
残すは一人。

………。

やめようやめよう、これ考えるのやめよう。
うん、やめよう。


いやしかし、源次郎が三成にカルタの感想を聞かれて、視線バトルのくだりを話していたとしたら。

三成がその視線のくだりだけを清正に話していたとしたら。
それで清正が『秀吉の殺意』をくみ取ったのだとしたら。

……それはない。それはない。多分ない。

やめようやめよう、これ深く考えるのやめよう。
うん、やめよう。




■唯一の良心・豊臣秀長


愛すべき駄々っ子からのシリアルキラー・加藤清正。
そんなシリアルキラーを止めたのが豊臣秀長。
秀吉の弟でした。



「虎!やめないか!」

このとき清正がかっと目を見開いたのがとても印象的。
なにか憑き物が一瞬でもとれたような瞬間。

懐かしい名で呼ばれることでシリアルキラーは、愛すべき駄々っ子に戻れたのかもしれない。


「誰もが身の丈から外れた地位と暮らしの中で溺れかけている。それが今の大坂城だ」

秀長殿、ブラック企業経営陣の中の唯一の良心。
現代ドラマでも、てか現実の世界でも十分にある話ですが、こういう人の存在はホッとします。

ただな。
「いい人」ほど一瞬で駆け抜けていくのが、このドラマの特徴なんだもんな。
「いい人」ってのはある種のフラグなんだもんな(白目




■癒し枠、徳川


心臓がキリキリする豊臣パートが続いてましたが、いったん休憩。

 

稲姫溺愛の忠勝さん。



※稲姫を溺愛する忠勝殿の「にっこり」で和んでください。

同じ「ニッコリ笑う」なのに癒し感がパネエ。
しかも小日向さんのニッコリと、藤岡さんのニッコリ。
普通なら「逆だろ」なところを、こう使うかっていうキャスティングと脚本の合わせ技。





■ここも癒し枠、真田



「(上杉は)真田とは固い絆でつながれておる」

え?なんか言った?!
聞こえなかったんだけど、え?!



 
パッパ「えらいこっちゃ」
出浦殿「あははーウケるww」


 
お兄ちゃん「ウケてる場合じゃないっしょ!どうすんの?!」
パッパ「どうしよっか」


安定のパッパとお兄ちゃんに癒されるる大坂編。




■真田攻めてもいいっすか?


癒し癒しといっておりますが、徳川からしてみれば真田が憎くて仕方ない。

しかしこのころ秀吉の許しなしには、戦をすることはできない。
で、徳川は秀吉に「真田攻めてもいいですか」とお手紙書いた。

それについて、真田の源次郎に意見を求める秀吉。
(もう真っ黒だよ)



「それともこれは何かの罠か」って信繁に聞いてくる小日向秀吉。
その『目元と口元を歪める』笑顔……





■絶望と焦燥の回廊


真田攻めはしない、と思いきや。
片桐殿の言葉で真相をしる源次郎。


「真田が滅びてしまう!」

心の声、出口の見えない回廊。
殿下も石田様も、多分一番助けてくれない人。


 

信繁の本日の「どうしよう」がここに極まった感ある。
抜け出すことができない絶望と焦燥の井戸の底。


ブラック経営陣に転がされっぱなし。
自分の命もやばい、実家やばい。

 

今最も会いたくない茶々にばったり会ってしまう信繁。
その茶々をみる、『鬼気迫る視線』

「死を呼ぶ茶々様にこそ、利用価値はある」と見出したのか。
大博打がはじまるのか。




■表裏


16話のタイトルが『表裏』。

にっこり笑う秀吉の表の顔と、冷たい裏の顔。
天真爛漫な茶々の表の顔と、哀しみが欠如した裏の顔。
源次郎を井戸に落とそうとする加藤清正。
平然と千利休を亡き者にしようとする石田三成、大谷吉継。

絢爛豪華に描かれていく大坂城、その裏に潜む狂気。




恐ろしい人間の表裏。

ホラーだったのか、サスペンスだったのか。
はたまたポリティカルだったのか。
『お父さんは心配性』だったのか。

なんでもいいけど面白い。





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