コンビニでお茶を買った。
お金を支払っておつりを貰った。レシートは貰えなかった。
自営業になるまではレシートなんて気にも留めなかったのだが、自分で経理をし、帳簿を付けるようになってレシートが必要である事がよくわかった。
パソコンの中で会社の入出金と会社の通帳と個人の通帳、あと手元に残っている小口の現金を監理していて、私もやり出すと案外几帳面で、財布の中身の一円まで帳簿と合っていないと気持ち悪いので、会社の帳簿とあまり関係ない雑支出まで記帳するようにしている。
まあ、個人経営で、財布までも細かく個人と会社と分けて持ち歩いている訳ではないので、ある程度は個人の支出も付けておく必要があるのだ。
それでも毎日帳簿を締める訳でもなく一週間に一度とかなのでレシートが無いとどうしても金額が合わなくなってしまう。
でもまあそれは個人の支出の部分ばかりなので、最終的には使途不明金で帳尻を合わせるのだが、やはりレシートに基づいてちゃんと記入したいのだ。
※ ※
コンビニの店員さんはレシートをくれない事が多い。
そんなこんなで、商品とおつりと合わせてレシートも客の物なのにと最近と強く感じる私は、機嫌のいいときは「レシートくださいね」と優しく注意を促す。
ちょっと何かに不満を感じているときだと、おつりをいただいたあとに無言で手の平を差し出し、「まだ渡す物があるやろ」と念波をぎらつかせるのだ。それでも気がつかない馬鹿店員にはちょっと怒り口調で「レシート!!」と催促する。
しかしちょっと気力が萎えているときは「まあいいか」とレシートの為のやり取りが面倒になり、レシート奪還攻防戦に参戦しないのだ。
※ ※
家を出る時に冷蔵庫の中を調べたら水筒に入れる麦茶が出来ていなかったので、コンビニで500mlのお茶を買った。
ちょっと気力が萎えていたので、比較的キャストしやすい越百川に来た。
釣り始めて、いそうなポイント2つ3つに毛鉤を流したカタの辺りで岩魚が飛び出てきた。
アントの毛鉤を結わえていたのだが、それをカディスに付け替えて少し釣り上がっていると流芯から岩魚が出てきた。
「何だかアマゴが出てきそうなところから岩魚が出てくるな」と思いながら、カディスの毛鉤をはずし胸のフライパッチで乾かしてあった最初のアントをまた結わえ直した。
そうやって二個の毛鉤で魚が釣れる度に取り替えながらそれぞれ三匹ずつ釣った。20センチを越えたくらいの岩魚ばかりだった。
二時間程釣った。
釣り損ねたけど、毛鉤にお相手してくれた魚も幾らかいたので食い気が出ていたのかもしれない。
カディスで三匹目の魚を釣ったあと岩に腰掛けベストの背中のポケットに入れてあったペットボトルのお茶を飲んだ。
今週のサービス品らしく、20円程お値打ちになっていた。
「ひゃくにじゅう・・何円だったっけかなあ」と思い出しながらお茶を飲んだ。