趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

『ひとかげ』 よしもとばなな

2010年10月20日 | 
図書館の書棚を眺めていて、借りてきました~



本を手に取り、その装丁を見ると近年の出版だと分かります。
イラストが原マスミさんのものなので。
でも、題名を見て「??」となりました。
「ひ?とかげ??」

かつて、ずいぶん昔になりますが
ばななさんがデビューされた当時から、そのあふれる才能に惹かれ
次々に著作を読んでいました。
それこそ熱に浮かされるように、夢中になって読んだのです。

『キッチン』『哀しい予感』『白河夜船』『TUGUMI』『うたかた/サンクチュアリ』
『N・P』『アムリタ』そして、『とかげ』。
その後子育てに忙しくなってしまい、好きな読書はしばらくお預けとなります。

2006年に出版された『ひとかげ』は、
かつての『とかげ』をばななさんご自身の意思で、リメイクされたものです。
そのことわりと、いきさつが、本書を開くと最初に書かれています。

読みながら、物語の内容をほとんど覚えていないことにびっくり!
ですから初めて読む作品として楽しむことができました。
読了後は、『とかげ』も再読したいと思っていたら、
本の後半に、収録されていました。

久々に若いばななさんに会いました~
でも、順番としてはこちらから先に読みたかったかも。
結局また戻ってリメイクを読み返してしまいました。

う~ん、どっちも好きかな。
設定が同じで、違う物語な印象を受けました。

関係ないのですが、一つ発見したことがあるのです。

物語の中に「短かい金曜日」という本のことが出てくるのですが、
作者は、1940年代に米国へ渡ったユダヤ教徒のアイザック・B・シンガーです。
ノーベル文学賞もとられたそうです。
ばななさんはこの作家の大ファンだそうで、
ご自身のHPで、この「短かい金曜日」を薦めてらっしゃるのです。

発見した事とは、私の卒業論文がこのアイザック・B・シンガーで、
「The Collected Stories of Isaac Bashevis Singer 」の中の
「短かい金曜日」だったのです。
これには、びっくり!!!

卒業研究しながら、その資料の少なさに泣いた記憶、思い出しました~
懐かしさと、何とも奇遇なめぐり合わせのおまけ付きで
別な楽しさの広がる読書となりました。。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ばなな (okada)
2010-10-22 19:06:44
Pokeさん、こんばんは。
よしもとばななさん、懐かしいです。
僕も初期の作品はよく読みました。少女マンガを文章にしたような、きらきら光る感性に圧倒されました。また読んでみたくなりました。
「吉本」から「よしもと」に変えてたんですね。

『ひとかげ』は読んでないはずなので、読んでみようと思います。

卒業論文がこのアイザック・B・シンガーとは、なんだかカッコイイですね。
こういう奇遇ってうれしいものですよね。
改名 (Poke)
2010-10-25 17:47:45
オカダさん、こんばんは。

>「吉本」から「よしもと」に変えてたんですね。

お子さんの名前をつけるのに姓名判断してもらったら
ご自身の方が問題アリだったのだそうです。
そういうこともあるのですね~

アイザック・B・シンガーは、大学の授業のサブテキストに収録されていたのですが、英文がとても読みやすくまたとても面白かったので選んだのです。
ですが、当時は名前をたたいて検索、というわけにはいかず、翻訳本もない、資料も図書館にほとんどなくて随分困りました。
ノーベル賞作家だと、今回この『ひとかげ』がきっかけで初めて知りました^^;


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