ほろ酔い日記

 佐佐木幸綱のブログです

古今伝授の里・現代短歌フォーラム

2016年11月30日 | 日記
 郡上大和の古今伝授の里へ。今年は「現代短歌フォーラム」と銘打って、故小瀬洋喜さんの歌論について、「今、短歌評論家のなすべきこと」、二つのシンポジウムが開かれました。

 小瀬さんは、その設立に尽力された「古今伝授の里」の恩人です。当日は奥様がみえて、久しぶりにお目にかかりました。「下の息子さん(定綱)はまだ小学生でしたよ」。小瀬さんがご健在だったころ、家族同士で郡上でお目にかかった日の昔話などをしたりしました。

 「今、短歌評論家のなすべきこと」に私も参加しました。他の参加者は、いすれも「短歌研究」の「現代短歌評論賞」の受賞たち(以下のカッコ内の数字は受賞した回)。小塩卓哉(10回)、川本千栄(20回)、山田航(27回)、寺井龍哉(32回)の4人。
 それぞれ、まじめに自分の評論活動についてしゃべりましたが、もちろんみなの話が集約してゆくはずもなく、現歌壇における評論活動の困難さを如実にあらわすかたになりました。

 私個人としては、時評や、状況論ではなく、そろそろ新しい現代短歌史が書かれなければならないだろう、そんなことを考えています。それについては近く発行される角川「短歌年鑑」に「塚本邦雄の『遊び心』」というタイトルで文章を書きました。

 今年の郡上行きのハイライトは、平井弘さんと五十年ぶりに会ったことでした。五十年ほど昔、神戸で「現代短歌シンポジウム」が開かれたとき、平井弘、寺山修司、小生が同じ部屋で泊まったことがあったのです。それ以来のことだそうです。
 私は、冨士田元彦さんと三人でどこかで会ったような気がしていたのですが、私の記憶違いだったようです。「そんなはずはない」、確信をもって平井さんがそう断言していたので、その通りなのでしょう。

 フォーラム参加者はみな、日帰りで帰りましたが、小生は残って、その夜、ヘボ(蜂の子)採り仲間とヘボや鮎で大いに飲み、翌日「心の花」会員たちと歌会をしてきました。


      


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