月初めはこの「YSPS研究所」ブログのまとめの日とします。
以下2011年12月のまとめ5件
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20111203>>>イベント続きのこの一週間
イベント続きのこの一週間であった。
3+1のブログを運営(?)しているが、YSPS研究所としても、この一週間は大事なWeekとなった。
11/27と11/30の松田町及び当自治会内スポーツ、11/26の南足柄市講演会に関しては、それぞれ翌日の「なんアラ」及び「文化財的Archival教育」ブログに詳細記載しているので、参照願いたい。
本日の「YSPS研究所」ブログでは、11/28のカフェデサイエンスと、昨日12/2の東京工芸大特別講義に関する項目を記載する。
まず、11/28に東京目黒で開催された通算37回目となるカフェデサイエンスについて述べる。
概略は翌日となる11/29「なんアラ」ブログを見て頂きたいが、今回の細矢治夫氏による「化学と数学シリーズ」の2回目は、「分子の形と性質の数理」と言うタイトルで講師の長年研究されてきたトポロジカルインデックスに関して、詳細に解説戴いた。
少々難解な部分もあったが、非常に興味をそそられる内容であった。
最近出版された共立出版発行の「ピタゴラスの三角形とその数理」を近くの書店で注文しておいた。
これに関して、事務局より、感想の依頼が有ったので以下の如くメール送信しておいた。
<以下カフェデサイエンス事務局への11/29メール内容>
昨日はありがとうございました。
本日の「なんアラ」ブログにも記載しましたが、今回のトークは終了時間を間違えておられたのでは思える位、長く(終了予定の8時を30分以上オーバー)なり、ちょっと残念です。
細矢先生への質問です。
1.C7の直鎖、分枝で沸点が異なるのは、分子の回転しやすさで説明されていましたが、分子間又は分子内の水素結合や疎水結合のし易さなどで説明できないのでしょうか?
2.上記沸点で、唯一トポロジカルインデックスの順になっていない部分は、1の後半の説明で出来ませんか?
3.ポリエンの非隣接数を数える際、又はトポロジカルインデックス算出の際、共役二重結合の安定性は考慮に入れないのですか?
以上であるが、次回の3回目も楽しみに待ちたい。
続いて、昨日の東京工芸大映像学科対象(約100名)の特別講義について述べたい。
本年度は担当のHY先生のご要望に答え、現在では超アナログ機器となったOHP(オーバーヘッドプロジェクター)を使用して講義を行った。
スクリーンが3面使用できたので、中央にOHP画像を、左右の副スクリーンにはパソコンから、配布原稿のデジタル画像と、持参した本をダイレクトに投影できる機器を用いた投影画像を同時に使った新しい講義スタイルを試みた。
更に、演台には上らず、学生と同じ目線でのトークにより、学生の意見も時々取り入れると言うキャッチボール形式を初めて導入した。
時間は1時間半有ったが、いつもとは違い、話す内容を絞って、じっくりと理解願える努力をした。
講義内容のテーマは「文化財的長期写真耐久性」であるが、中身はデジタル活用・アナログ保存が具体的に理解できる様に努めた。
学生の反応もまずまずであったので、HY先生からの講義終了後の注文も考慮に入れて、来年度に備えたいと思っている。
尚、上述した本は、阪急コミュニケーションズ発行エーコ&カリエール著・工藤妙子訳「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」で、今回の講義にはぴったりの書物である。
まだ1/4程度しか読んでいないが、YSPS研究所としての保存科学を追求する上で、とても参考になるものと思っている。
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20111210>>>保存科学に関する研究会に急遽参加決定
師走の慌ただしい中、保存科学に関する研究会に急遽参加することが決定した。
一昨日のメールの中に、下記参加要請が入っていた。
よくよく見てみると、これは11/1&2に日本写真学会が主催した画像保存セミナーの延長戦の様な内容である。
これは、保存科学の目からは是非参加せざるを得ないと判断して、早速ネットによる参加申請をメール送信した。
そのイベントは12/12の月曜日で、且つ日本写真学会会員参加費用が5000円なので、受信の許諾返答があるものと思っていたが、現時点で受信連絡無しは気になる。
とは言え、とにかく東京新富町にある印刷会館に初めて足を運ぶこととしよう!
どんな講演会になるのか楽しみではある。
以下12/12当日の概要である。
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2011年度 画像4学会合同研究会
「画像資産の復元と伝承」
― デジタル時代の保管環境を考える ―
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3月11日の東日本大震災により多くの写真や画像データが被害を受け、「画像の保存、保管、修復、復元」
に対し関心が高まってます。被災写真の復元例や文化財のデジタル化での復元再生の試みの紹介と、
デジタルデータのフォーマット標準化、クラウド時代の保存、メディアの耐久性などの議論の場を提供したい。
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日時:2011年12月12日(月) 13:00~17:05
会場:印刷会館 2F 会議室
(地下鉄有楽町線 新富町駅、地下鉄日比谷線・JR線八丁堀駅)
会員参加費:正会員 5,000円、学生会員 3,000円、非会員 7,000円
=========プログラム============
13:05-13:50 「東日本大震災における被災写真の救済活動」
富士フイルム(株) 鎌田 桂成
13:50-14:35 「文化財デジタルアーカイブとその活用」
凸版印刷(株) 寺師 太郎
14:35-15:20 「デジタル画像ファイルの記録フォーマットについて~保管適正と国際標準化動向~」
オリンパスイメージング(株) 吉田 英明
15:30-16:15 「クラウド時代にどのようにデータを保存し,残していくか」
鳥取環境大学 今井 正和
16:15-17:00 「デジタル記録メディアの耐久性について」
(一社)日本記録メディア工業会 山口 温敬
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20111217>>>今週の予定
今週は、本日これからの東京出張を含めて2回出かけることとなった。
最初の12/12の出張に関しては、12/13の以下記載の「なんアラ」ブログでアウトラインを紹介したが、YSPS研究所の保存科学として、少し深く振り返ってみたい。
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<以下12/13「なんアラ」ブログの一部>
昨日の、東京新富町印刷会館で開催された「画像資産の復元と伝承」講演会は、期待して参加したが、ちょっと物足りなかった感じで終了した。
詳細は、12/17のYSPS研究所ブログで記載するとして、概略としては、最初の「東日本大震災における被災写真の救済活動」の発表は現実問題提起として、とても良かった。
しかし、その後の4件の発表は、11/1&2の画像保存セミナーとバッティングしていて、内容もちょっと戴けない(特に4番目の発表は間違った認識で講演されている部分が目立った。)ものが含まれていて、非常に残念な思いであった。
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では、追加の内容に入る。
最初の「東日本大震災における被災写真の救済活動」の講師はFF時代に同職場のYKさんで、講演後直接お話しした。
水没写真のシミューレーションに使用したカラープリントは新品で有るが、実際に被災した写真は数十年経過したものが多いはずである。
その違いを訊ねたが、ゼラチン膜は古いほうが寧ろ強い気がしたとの回答であった。
又、臨時処置を行った後の推奨する保存環境提示をもう少し詳細に説明願いたかったとのコメントに対しては、FFのHPやその他の広報活動に反映していきたいとのことであった。
いずれにしても、インパクトのある発表で有った。
その後の4件に関しては、上記「なんアラ」ブログの感想の域を出ないが、更に付け加えるならば、4番の講演に対して、写真フィルムベースが可燃性のセルロイドから一気にポリエステルベースになっているとの説明に愕然としたのである。
セルロイドフィルムを不燃化するためにアセチル化を行い、DACを経てTAC(トリアセチルセルロース)の不燃化フィルムが現在もネガフィルムの主流で、PETフィルムは特殊なものにしか使用されていないのである。
その他のコンベンショナル写真(銀塩)についても、明らかに間違っている話しが何度か飛び出して、ヒヤヒヤものであった。
聴衆が間違った知識を持って帰られない様に、講師やイベント開催者は充分注意する必要があると思う。
特に、自分の専門分野でないところは、良く勉強して、余計なことは話さないことである。
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20111224>>>第16回コロタイプ研究会
先週の土曜日、12/17に東京出張し、第16回コロタイプ研究会に参加した。
そのアウトラインは以下の12/18「なんアラ」ブログで紹介したが、YSPS研究所の保存科学として、少し深く振り返ってみたい。
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<以下12/18「なんアラ」ブログの一部>
前略・・
何とか新宿経由で高田馬場駅にコロタイプ研究会開催時間の30分前に到着したが、もう歩いて研究会開催地の早稲田大学までは時間が無かった。
タクシーを飛ばして、講演会場に10分前に着き、胸をなでおろした。
コロタイプ研究会そのものは、とても素晴らしい内容で、こちらは来週土曜日(12/24)のYSPS研究所ブログに詳細に記載する予定である。
研究会終了後、早稲田大構内にある会津八一記念館・大隈記念室を約1時間見学した。
現在、特別に展示していた埼玉県鶴ヶ島市寄贈のパプアニューギニア展もとても良かった。
見学終了後、コロタイプ研究会の懇親会が早大の近くの香港料理店で開催された。
・・中略・・
懇親会は、「なんアラ」活動に取っても得る所が多く有って良かったが、こちらもYSPS研究所ブログで合わせて述べたいと思う。
「なんアラ」サポーターとしていろいろお世話になっているOYさんとも、親しくお話し出来たことは有益であった。
・・後略
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YSPS研究所の保存科学に関連する内容として、
1.最初の「宮内庁書陵部におけるコロタイプ複製出版事業の意義について」は、初めて知る部分が多くあり、80年前にスタートした歴史を考えさせられた。
2.続く「花園院しん記の魅力とコロタイプ複製の迫力」は、後嵯峨天皇から後光厳天皇までの南北朝時代の皇室系図の中で、数奇な人生を歩んだ花園天皇の日記に関する話しで、その内容に引き込まれた。
3.次いで、「大学図書館における複製資料の役割-原本代替資料の将来像-」は、デジタル・アナログ問題も巻き込んだ、保存科学としてもとても重要な議論となった。懇親会に於いても、講演者といろいろ議論出来て良かった。
4.追加で講演された「花園天皇日記研究会とコロタイプ:花園院しん記」も新鮮味が有って良かった。
以上、懇親会での議論を含めて、中身の多い研究会であった。
研究会会場風景と、当日展示されたコロタイプ複製画を紹介する。
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20111231>>>東日本大震災義援金は目標に達せず来年に持ち越し
このブログは毎週末の土曜日に1件のエッセイ風の内容を記載している。
そして、姉妹ブログである「文化財的Archival教育」は月末に、「なんアラ」ブログは毎日更新している。
従って、月末が土曜日と重なると、3つのブログを同時に記載しなければならない。
それが、本日であって、しかもそれが年末の大晦日と重なった特異日となった。
昨日、東日本大震災義援金のYSPS研究所としての11&12月分を計算したが、それを入れても3月度より実施して来た合計が10万円に達しないことから、今月は郵便局に行かず、来年に持ち越して、2012/3までには何とか達成したいと思っている。
その原因のひとつが、東電の燃料費調整である。
節電による昨年度との差額を全額義援金に回すことにしているが、上記燃料費調整で、節電効果が棒引きとなり、金額ベースでは義援金に回るものが無くなってしまったわけである。
更に、夏の冷房費削減の効果に比べ、暖房費削減は実際かなり難しく、精々10%位に留まっているのが現状である。
もう一つの、YSPS研究所としての収入の2割を義援金に回す計画の方だが、「なんアラ」通巻12号関連の収入はここに来て、ほとんど無く、家庭教師と講演会収入のみとなって、なかなか義援金目標の10万円に達しないのである。
現在、82,938円、残りは17,062円!
来年は是非、景気が好転することを期待したい。