吉田一氣の熊本霊ライン 神霊界の世界とその源流

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大祓詞の神漏岐・神漏美の命と祓詞の伊邪那岐大神 No347

2013-03-31 11:17:55 | 神霊界考察

神道の大祓詞の縮小版を祓詞と考えている方が多いが
はたしてそうであろうか?
霊的背景から検証すると大きな違いが見えてくることに気づく。

短いほうの祓詞の構成を見ると
「祓詞 掛まくも畏き伊邪那岐大神 筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に
禊祓へ給ひし時に成りませる祓戸大神等諸々の禍事罪穢有らむをば
祓へ給ひ清め給へと白す事を聞食せと恐み恐も白す」

夫婦神のイザナギとイザナミが高天原と黄泉国とに仲たがいして
黄泉国のイザナミの穢れをイザナギが橘の小戸の阿波岐原にて禊祓った際の
祓戸の大神等の神力に頼って罪穢れを祓っている。
短文ではあるが記紀に則った祓詞構成となっている。
ここで注視すべきはまずイザナギは大神であることだ。
そしてこの祓戸の大神等とは
祓戸の大神と三貴神や住吉三神 綿津見三神他十二神のことだと思われる。
問題は祓戸の大神がどういう神であるのかについての議論だ。

一般には 瀬織津比売・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の四神を
祓戸四神としている。
しかし記紀には速秋津比売神の記載があるのみだ。
ハヤアキツヒコ・ハヤアキツヒメは
イザナギ・イザナミの二神の間に産まれた水戸神(みなとのかみ)となっている。

さて大祓詞の場合はイザナギは大神は登場しない。
夫婦神である神漏岐の命と神漏美の命の命令で天孫降臨したが
天の益人等(皇孫たる万民)が天津罪 国津罪を犯してしまった。
その罪穢れを祓うために天つ祝詞の太祝詞を宣れと宣託している。
そうすれば天津神と国津神はそれを聞き入れて祓い清めてくださる。
その残滓は瀬織津比売・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売の四柱の神が
川から港そして大海原 そして最後は根國 底國にまで持ち運び
罪穢れを完全に消滅させてくれるとの記載となっている。

根國・底國にいる神は速佐須良比賣となっていて
イザナギと仲たがいしている死者の国黄泉にいるイザナミではない。

瀬織津比売・気吹戸主・速佐須良比売の三柱については
記紀には記載がないが
根國・底國を黄泉國と同一と仮定するとイザナギが千曳の岩で黄泉國を封じた話とは
つじつまが合わない。
つまり大祓詞の祓戸四神はイザナギが橘の小戸の阿波岐原にて禊祓った際に
産まれた神ではないのだろうと推察出来る。
まだ速佐須良比賣を通して根國・底國と繋がっているのだ。

だとすると最初の短い方の祓詞での祓戸の大神等の神力とは
論理的には大祓詞の祓戸四神を除いて
三貴神と綿津見三神 住吉三神によるものであると考え良かろう。
確かにアマテラスは伊勢にて国家の罪穢れを祓い
スサノヲは八坂神社にて民衆の罪穢れを祓っている。
これは天皇の祭祀につながっていると考えてよい。

さて大祓詞は中臣の祓いとも呼ばれているが
祓戸四神は中臣氏が祭祀してきた神霊であると予想している。
つまり藤原氏の中臣氏乗っ取りにより封印された神霊ということだ。
この祓戸の神霊については来歴は謎とされている。
一般的には瀬織津比売神が河の神で速開都比売神が河口の神で
気吹戸主神が風の神 速佐須良比賣が根國・底國の神とされる。 
ただ霊的にはこの大祓いの浄化のエネルギーは
「ひふみよ」で現わされると思っている。
ひ=火炎で燃やし
ふ=風で勢いをまし
み=残ったものを水で流すことにより祓っている。
例えばこれは刀に魂を込める場合も同じだ。
ひ=火炎に鉄をさらし
ふ=フイゴで風を送り
み=水で冷やし魂を込めるという段取りとなっている。
だとすると
ひ=瀬織津比売神
ふ=気吹戸主神
み=速開都比売神 (速秋津比売神)となろう。

しかしここで疑問が生じる。
一般に水の女神とされる瀬織津比売神がなぜ「ひ」なのかということだ。


中臣氏は神霊界と天皇との仲を祝詞により皇睦つ一族であると思われるが
瀬織津比売神は中臣氏系の媛である可能性を考えている。
もともとは水の巫女だったのかもしれない。

ところで素盞鳴尊の妃となった人物(伝承)に向津媛がいる。
この向津媛ムカツヒメは撞賢木厳之御魂天疎向津媛命と呼ばれ
この媛こそ天照大神という伝承がある。
さらに撞賢木厳之御魂天疎向津媛命は瀬織津比売神のことであるという伝承もある。

筆者はスサノヲと神大市比売の子供である
天照國照彦天火明櫛玉饒速日尊ニギハヤヒを
もともとの男神の天照大神だと考えているが
天照大神の荒魂が瀬織津比売神だとすると
ニギハヤヒとセオリツヒメ(向津媛)との間には繋がりがあるはずだ。
そしてセオリツヒメが天照大神の荒魂であるなら
エレメントは水ではなく日であってもおかしくはない。
現在のところニギハヤヒとセオリツヒメの関係も
セオリツヒメと中臣氏の関係も調査結果が出ていないが
スサノヲとセオリツヒメの婚姻関係の情報についても
今のところ言及出来るほどの根拠を持たない。
今後の課題ではあるが成果は出つつある。


さて大祓詞による罪穢れの祓いであるがここに問題が発生している。
イザナギが千曳の岩で黄泉國を封じたままであるとすれば
大祓詞がいう瀬織津比売・速開都比売・気吹戸主・速佐須良比売のリレーションで
罪穢れを根の国・底の国に持っていくことが出来ないことになる。

短い方の祝詞に関してはどうかというと
近親相姦は国津罪であるが
夫婦の不和も罪穢れのひとつと考えるなら
不和をそのまま封じたままの祓詞では
罪穢れを祓っても万物の和合が図れない。
筆者は神道の根幹に「寛恕と和の精神」を観ているが
だとすれば短い方の祓詞には和合=結びを願うとすれば、根本的欠陥がある。
アマテラスの岩戸開きの他に
千曳の岩を開いてイザナミの復権を願う思いがあるとすれば猶更であろう。
このイザナミの復権の具体性を言うと
例えば現在の天皇の国家的祭祀の大嘗祭・新嘗祭を
単に天皇の儀礼に終わらせることなく
皇后が巫女として参加することによりイザナギ・イザナミの両神霊を降ろして
和合=万物の結びを願い
夫婦神揃っての直会することにあると考える。
地震火山活動や津波などの天変地異を防ぎ
なおかつ日本国を世界に認めさせ繁栄させるには
このことが肝要となる。

※結びの意味合いについては
『神折符に現れる神霊 No096』で記載したように
折は神霊降臨であり、包みは実体を包み込み宿すことであり
結びは逃がさず織り込んで神縁を結ぶということであるが
この結びにはとりもなおさず和合という意味合いも含んでいる。



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7 コメント

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結びと少彦名 (Holly)
2013-04-21 15:52:06
非常に私事で恐縮ですが、私は少彦名神と御縁が深いらしいと勝手に思っているのですが
(余談ですが、そう思い始めるよりも前から、このハンドルを使っています)
今日、何故かふと「少彦名」の「スク」が「少」以外に
どんな意味を持つのだろうということが気になり、調べたら
その中に「結く(糸で網を編む)」というのがありました。
また「(紙を)漉く」というのもあることから、私が連想したのは
ネイティブアメリカンの「ドリームキャッチャー」でした。

http://www.mysnco.com/2002-6.html

少彦名には、ある種のフィルターやスイッチ(選択して接続する)を
司るという面も有るのかも知れませんね。
返信する
Holly様への返信 (吉田一氣)
2013-04-23 00:15:13
Holly様コメントありがとうございます。
Holly=神聖なる=ヒイラギを使われたこという事には
貴方様との間に不思議な縁があったのでしょう。
西洋でも日本でも柊は神聖なものだと感じています。
私もケーキなどに刺さっている造花の西洋ヒイラギの葉に
願いをかなえる不思議な力が備わっていることを
幼い時から感じていました。
その秘密は今考えると緑と赤の色にありました。
日本では聖なるもの、開運という意味では
私のイメージでは南天木が同じイメージです。
ところでドリームキャッチャーは私もいくつか持っています。
想像するにペヨーテなどを使って深い瞑想をする際に
守護する道しるべなのだろうと感じています。
日本神霊神では薬を使った瞑想の道しるべは
少彦名神ですからそういう意味でも繋がりが感じられますね。

返信する
Holly様への追伸 (吉田一氣)
2013-04-23 00:32:23
さきほどのコメントで
ペヨーテなどを使って深い瞑想をするということを記載しましたが、
なぜこれとドリームキャッチャーを結びつけたのかといいますと
全く根拠は無いのですが
アメリカ・インディアンが使う幻覚剤のペヨーテは
ウバタマサボテン属ですが烏羽玉と記載します。
以前この烏羽玉はドリームキャッチャーの玉と羽に該当するんじゃないかと思ったことがあったからです。
全くのこじつけみたいな話ですが。
返信する
示唆に富む御記事です。 (すずたま)
2019-02-08 07:55:00
瀬織津姫の名に隠され封印された存在のひとつが撞賢木厳之御魂天疎向津媛命であるわけですが、これが天照大神の御霊、顕霊(あらたま)・・・たぶん本来の皇祖アマテラス。イザナギ系とイザナミ系の困難極まる婚姻により生まれた「統合」の系譜、数代続いたという受難のツキヨミ系がそれ、ということに拙論ではなります。公にすることを阻まれた某古文書によれば、本来は太陽神。(歳差運動により)夜の時代になったから夜を照らす月の働きをするために太陽神界から降ろされたという。
御記事にあるように瀬織津姫がヒであるのなら(私はヒであると思います)、厳之御魂であって瑞之御魂でないことが納得できますし、白山比メ神社の御神紋の亀甲(6角形、水)に護られた5弁の花(5角形、火)の意味にも通じてきます。
天皇の祭祀に皇后も巫女として同席すべしというご意見は御慧眼だと思います。今後その方向になっていくかも・・・?
8622 8と6の統合、22代ヒツギツキヨミノミコト。
返信する
吉田一氣 (すずたま様への返信)
2019-02-08 15:50:05
コメントありがとうございます。
6年前に記載した文章でさっと読み返しても
ちょっと何言っているのか分からない文章ですね。
何回か読み返してみて初めて意味が解りました。
神漏岐の命と神漏美の命の嘆きが判らないと
この文章は理解できないです。
天つ祝詞の太祝詞を宣って祓うためには
千曳の岩を一時的に開くある秘術が必要ですね。
イザナギとイザナミの和合が崩れているので
一般には大祓いを諦めて
イザナギの禊祓をするしかないのですが
国家レベルの禊祓はそれでは力不足ということでしょう。
秘術とは「ひふみよ和合」のわざのことです。
瀬織津姫は「ヒ」で宜しいかと思います。


返信する
ご返答、おそれいります。 (すずたま)
2019-02-08 20:48:14
>神漏岐の命と神漏美の命の嘆きが判らないとこの文章は理解できない

・・・そうなのですか。

イザナギ・イザナミの不和とは、神道的なことを何も知らないシロウトの私がいうのもおこがましいですが、神霊界の最深奥、最高位にある神からみれば、私が古文書などひっくり返して勝手に想像してきたように、この現実界、つまり私たち人類の歴史の中で起きてきた、悲しいすったもんだですね。

ところで「根の国底の国」と「黄泉の国」とは別ものと考えてきました。
黄泉の国とは地球の平面上の話。東方、中でもヒの国日本に対して、夜見の国、西方の物質文明を発達させた国々であり、ある時代(不明)のイザナミ系実在女性の故国。
日本神界を頂点とする東方の神々(の霊統にある東方の人々)は、西方からの文物思想の渡来を穢れたものとし、東方の霊(ひ)の精神、その純粋性を護ろうとしたと考えます。本来は両方が必要なのに・・・

根の国底の国とは、ダイナミックな大自然界の働き、その浄化システムの表現のひとつではないかと、勝手に思っています。祓戸四神とは、浄化システムの各働きのパーツに名付けたものではないかと。立体的なダイナモのような永久動燃機関の図が浮かびます。いい加減なオリジナルの考え。
根の国底の国にいますハヤサスラ姫とは、穢れを全て飲み込み、浄化して吐きだす大自然の浄化システムの最重要部分ではないかと?ブラックホールかつホワイトホール的「働き」そのもの?・・・いや、「もちかかのみてむ」とありますからブラックホールのほうか?ではホワイトホールは?・・・銀河レベルでいえば、私的には瀬織津姫に隠された荒吐(顕吐)ということになりますが。前からずっと同じようなことを言ってるのですが、もうこちらではやめようと思いつつ、またしてもつい。すみません。
ただ自分としてはこの記事ではっきりすることがあり、瀬織津姫の名に隠されてきたある存在とは実はヒ(火、日、霊)、ということでした。
あとは難しくてよくわかりません。
千曳の岩を一時的に開くある秘術が必要って・・・シロウトには見当もつきません。
返信する
ピックミーアップ蘇我氏 (はいせ)
2020-04-28 14:44:21
記事にコメントが適切でなければすみません。
乙護法善神や委奴、土蜘蛛さんなどなどから天照國照彦天火明櫛玉饒速日尊を改めて考えていて、何故か猛烈に蘇我氏のことが知りたくなりました。

ネット検索してもいまいちピンと来る氏神さえわからず・・・。氏寺は飛鳥寺でしょうか?でも飛鳥寺は公の行事を執り行う寺社だという説もあり、蘇我氏の一族のためだけの寺社という訳ではなさそうだし。
どういう経緯であれ日本に居着き、多いに貢献した一族であるにも関わらず扱いがひどすぎますよ。
俄然、興味がわいて来ました。
少なくとも私にとっては、乙護法善神の力を借りて、天照國照彦天火明櫛玉饒速日尊というところから蘇我氏にアプローチするのがよさそうです。
蘇我氏の氏神候補としては、アマテラス神の海照らす海神の権限、女神として表現される方でしょうかね?
波妙門大神に繋がっていくと嬉しいのですが、そこは神のまにまに。

新型コロナウイルスが終息後の世界は、今と全く異なり、人と会って何かを為すということはなくなり、ネットで全部できるようになるという意見もあるようですが・・・。肉体はどうするんですかね~と聞いてみたい。
少なくともそこは私のいる世界ではないなぁと思ってしまいました。ネットでできることもたくさんあるけど、体感しかできないものもたくさんあると思うんだよな~。
一人めちゃくちゃ出遅れていますが、改めて蘇我氏にとご縁結びに励んでいきたいと思います。
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