ソウル二日目の続き。
ロボット博物館の後、すぐ近くの東崇アートセンター(HP)に行った。2Fのコットゥ博物館を見るのと、1Fのアート系映画館ハイパーテック・ナーダ(勝手にスペイン語のnada「無」と解釈)に、ソ・テジのネームプレートの座席があるかどうか確かめるのが、目的。
ハイパーテック・ナーダは、3月25日のソテジM館の第6回上映会(参照)で試写が行われたフランス映画「パリ20区、僕たちのクラス」を上映したソウルの3つの封切り館のひとつで、映画は終わったはずなのに、まだポスターが掲示されていた。
映画館のHPに、各座席にはインターネット投票で選ばれた代表的文化人のネームプレートが付いている、と書いてあったので、テジの席もあるに違いない、と思い、ミーハー根性で見に行った。
受付のお姉さんにソ・テジの座席はありますか?と尋ねると、あそこの壁に一覧表があります、と教えてくれる。
カナダラ順になっているので「ソ」を探したら、あ、やっぱりあったあった(思わず歓声)。
「ナ列76番、歌手ソ・テジ」。左側の列の中央通路側、後ろから3番目である。
でも、写真の一番上の71番には「タレント ペ・ヨンジュン」の名がある。ちょっと理性を取り戻した。
はしゃいではいけない。これがもし、ヨン様の席で映画が観たい、と訪ねてきた韓流おばさんだとしたら?…やっぱりちょっと、はしゃぐのはまずいですね。
それで、できるだけ冷静にソ・テジの席の写真を撮ってもいいか、と聞くと、今は上映中なので入れないと言う。
それを聞いて反射的に、18時からの「下女」を観ます、と言ってしまった。ソ・テジの席は空いてますか?と聞くと、アートな映画館のお姉さんはちょっと呆れたみたいだったけど、ナ列76番を取ってくれた。
「下女」。本当は、観ようかどうしようか迷っていたのである。
20時からは、近くの小劇場で三谷幸喜原作の「笑の大学」の韓国語版を観る予定なのだ。
上映時間は1時間57分と書いてあって、映画の終わりを待たずに5分先の劇場に走らねばならない。こういう忙しいのは、本当は嫌いである。映画にも失礼な気がした。
しかも、今年のカンヌ映画祭のコンペ部門にも出品されたチョン・ドヨン主演の「下女」(HP)、50年前の同名の韓国映画をリメイクした「スタイリッシュ・エロティック・サスペンス」で、下女と主人のエロティックな場面が出てくることはわかっている。テジの席でそういうのを見るのもなあ…
でもやっぱり、ミーハー心が勝った。上の写真の手前右が「ソ・テジ」席。
監督は、ムン・ソリ主演の「浮気な家族」のイム・サンス監督。大邸宅の主人で下女のチョン・ドヨンをたぶらかすのは、イ・ジョンジェ。
途中、「あー、テジの映画をやっている時に、こんな所でわたしは一体何をやっているのか?」といたたまれなくなる。
結局1時間半で映画館を出てしまった。なので、わたしにこの映画について語る資格はありません。だけど日本で「下女」が公開されたら、こんなものを見ながらテジの席に座っていたのか、と笑われること、必至だな。