少年ソ・テジがなかなか離してくれない。だけどいったいわたしは何の権利があって、彼のメモをひっぱり出して勝手に訳しているのかな。(ここの「4.태지's WRITE」から)
愛を求める少年(これは何歳の時のノートなんだろう?)にとっては、キリスト教の愛も、ユダヤ教の愛も、世俗的な男女の愛も、ぜんぶ探求の対象のようだ。
(ヒョンチョルメモ 2)
평화를 구하는 기도 平和を求める祈り
오, 주여! 나를 당신의 도구로 써주소서. 主よ、わたしをあなたの道具とさせてください。
미움이 있는 곳에 사랑을 憎しみのあるところに愛を
다툼이 있는 곳에 용서를 争いのあるところに赦しを
분열이 있는 곳에 일치를 分裂のあるところに一致を
의혹이 있는 곳에 신앙을 疑いのあるところに信仰を
그릇됨이 있는 곳에 진리를 誤りのあるところに真理を
절망이 있는 곳에 희망을 絶望のあるところに希望を
어둠에 빛을 闇に光を
슬픔이 있는 곳에 기쁨을 가져오는 자 되게 하소서.
悲しみのあるところに喜びを もたらす者にしてください。
위로 받기보다는 위로하고 慰められるよりも慰めることを
이해 받기보다는 이해하며 理解されるよりも理解することを
사랑 받기보다는 사랑하게 하여 주소서. 愛されるよりも愛することをさせてください。
우리는 줌으로써 받고 わたしたちは与えてこそ受け取り
용서함으로써 용서 받으며 赦してこそ赦され
자기를 버리고 죽음으로써 自分を捨てて死んでこそ
영생을 얻기 때문입니다. 永遠の命を得るからです。
- 성 프란치스코 -アッシジの聖フランチェスコ
力強い愛の祈り。1994年のインタビューで、<教室イデア>を逆回しすると聴こえる音のせいで教会から悪魔崇拝疑惑をかけられていたテジは、「教会には行かないけど、困難な時は神様に力をくださいと祈る」と言ってたっけ。
(ヒョンチョルメモ 4)
서정주(徐廷柱、1915~2000)の「푸르른 날(秋晴れの日)」は、この方のブログに歌詞と和訳と歌が紹介されているので、そちらを。
この歌が当時はやっていたのかな。
(ヒョンチョルメモ 5)
사랑 愛
세상에는 강한 것이 12개 있다. 世界には強いものが12ある。
우선 돌이 강하다. まず、石が強い。
그러나 돌은 쇠에의해 잘려진다. だが石は、鉄によって切られる。
쇠는 불에의해 녹아버린다. 鉄は、火で溶けてしまう。
불은 물에 의해 꺼진다. 火は、水で消える。
물은 구름속의 것으로 흡수되어 버린다. 水は、雲の中へと吸い込まれてしまう。
구름은 바람이 불면 날아가 버린다. 雲は、風が吹けば飛んでしまう。
그러나 だが
바람은 인간을 불어 날리지 못한다. 風は、人間を吹き飛ばせない。
그 인간도 공포에의해 비참하게 위축된다. その人間も、恐怖にはふるえあがる。
공포는 술에의해 제거된다. 恐怖は、酒でとり除かれる。
술은 잠을 깨면 깬다. 酒は、眠りから覚めれば醒める。
그 잠도 죽음 만큼은 강하지는 않다. その眠りも、死ほどは強くない。
그러나 だが
그 죽음조차도 사랑에는 이기지 못하는 것이다. その死さえも、愛には勝てない。
-탈무드 중에서- -タルムードより-
タルムードは、「ヒョンチョルメモ 11」でも引用されている。
「友- 妻を選ぶときは階段を一段降り/友を選ぶときは階段を一段上がれ/友が興奮していたら鎮めようとせず/悲しみに沈んでいる時は慰めるな」
「友情- 友が野菜を持っているなら、肉を与えよ/友があなたに蜜のように甘くても、それを全部しゃぶってはならぬ」
(ヒョンチョルメモ 6)
평행선
우리는 서로 만나본적도 없지만
헤어져 본적도 없습니다
무슨 인연으로 태어났기에
어쩔 수 없는 거리를 두고 가야만 합니까
가까와지면 가까와질까 두려워하고
멀어지면 멀어질까 두려워하고
나는 그를 부르며
그는 나를 부르며
스스로를 저버리며 가야만 합니까
우리는 아직 하나가 되어 본적도 없지만은
둘이 되어 본적도 없습니다 ~詩 김남조~
平行線 キム・ナムジョ(金南祚、1927~)
わたしたちは 出会ってみたこともないけれど
別れてみたこともありません
どういう縁で生まれたせいで
ひたすら距離を置きつつ進まねばならないのでしょうか
近づけば近づくのではと おそれ
遠ざかれば遠ざかるのではと おそれ
わたしは彼を呼び
彼はわたしを呼びながら
じぶんに背いて進むしかないのでしょうか
わたしたちはまだ ひとつになってみたこともないけれど
ふたりになってみたこともありません
金南祚、漢字の名前ではイメージがわかないけど、女性です。この詩を引用している韓国語のブログを見ると、必ずといっていいほど線路のレールの写真つき。
少年テジ君、永遠に平行線をたどる愛を予感していたのかな。