よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

晴耕雨読

2017-11-20 20:38:27 | 日記

1週間の天気予報を見て声を挙げた。
「えー、一週間傘マーク!」
そう、ここは裏日本の北陸,と言うと地元の人に厭がられそう。
ここに暮らして30数年,この11月が一番暗く、そして天気が悪い。
寒さは増しても、1,2月の方が明るさは増し,地面の雪で気持ちは晴れやかになる。

晴耕雨読ならぬ、晴動雪読、そう、昨日の雪で積雪が7センチほどになった。
この居間はストーブを焚いているので暖かいが、台所や廊下はもう真冬並みに空気がとがってきた。
水にいたっては、手を鋭く刺してくる。

先日久し振りに図書館から本を借りて来た。
私の好きな角田光代と初めて読む石牟礼道子のものだ。
角田さんのは旅行記のエッセイ,石牟礼さんのはドキュメンタリーというのだろうか。
旅行記は軽く楽しく思いを馳せながら読める。
しかし、石牟礼さんのことは水俣病について鋭い視点から物申している方と言うことだけは知っていたが、読むのが辛くなりそうで避けていた。
ところが、読み出すとぐいぐいと引き込まれてしまった。
書かれている内容は決して楽しいことではないのだが、その真剣さ、鋭さ,その根底にある人としての尊厳さが語彙の豊富さと深さをもって読み手である私に問いかける。
難しいことを言っているのではない。ふつうの暮らしの市井の人の言葉や覚悟が潔く、私を考えさせる。
あまりに自分が呑気に平気にやって来たか。避けて見ぬ振りをして生きてきたかを思い知らされた。
この本との出逢いを厭がっていない自分がいる。
むしろ受け入れている自分が、自分でもびっくりしている。

それと、今,漫画を読んでいる。
私にすると手塚治虫以来になる。
「プリニウス」ヤマザキマリととり、みきの合作。
その絵の緻密さその人物のユニークさに正にローマ時代にタイムスリップした感じになった。

晴耕雨読もたのしくなりそう。
と言っても、ようやく胡麻と小豆が剥け、これから黒豆がストーブの周りで待っている。
漬け物も待っている。



秋はアップルパイ,でも今回は加熱が足りなく、ちょっと固かったのが残念。右はイチジクのジャム。



こっちはアキのやばい、格好。