このところの私は一日ハナといる。
夜中に溝に落ちて以来、車庫の小屋に夜は閉じ込めている。
だから朝、生きているだろうかとドキドキしながら覗く。
一日一日弱って来ているのがわかる。
食べる量が元気なときの10分の1、今日は2回、鶏肉と少しのご飯とちょっとの水のみ。
眠っている時間が増え、その間はよたよた、ふらふら歩き、そしてすぐ座り込んで立てなくなっている。
それでも歩くことを止めようとはしない。
まだ歩く体力があると言えば言えるが、じっとしているとぺたんと座り込んでしまい、しばらくは立てなくなり、こちらの手助けが必要となる。
それでも、歩くことが生きていることであって、止まることは眠ることであって生き続ける限り、歩き続けるように思われる。
ハナの目はどこを見ているのだろうか。
すべてを見ているような、何も見ていないような、悲しげな憂いを帯びているような、そんなハナを見るのが耐えられなくなる。
痛いとか、苦しいとか、辛いとか、死ぬのが怖いとか、そんなことは言わない。
ただ今を、ただただ懸命に生きている、それだけだ。
そんなハナを見ている自分が辛くなっている。
と言って、見ていないと不安で心配で、1日中どこにいるか30分毎くらいにチェックしている。
子供らとお別れができたから、それだけはほっとしている。
今日は昨日と違ってまた寒くなった。
小屋に豆炭のあんかを入れた。これで室温が上がる訳ではないだろうが、私の気休めかも知れない。
明日、小屋を覗くのがちょっとこわい。
着せておいたフリースをとったハナ。
痩せていた筈が、おなかが膨らんでいるのが気になる。
今日は、おなかの下にタオルを入れて輪にして、背中に回して持つようにし、座った時に引き上げられるようにした。