よろみ村くらし暦

奥能登の禅寺での山暮らし。野菜作りと藍染め,柿渋染め,墨染めのくらし暦。来山者への野菜中心のお料理が何よりのおもてなし。

ワン、ニャン通信 −2−

2017-03-31 20:28:12 | 日記

このところの私は一日ハナといる。
夜中に溝に落ちて以来、車庫の小屋に夜は閉じ込めている。
だから朝、生きているだろうかとドキドキしながら覗く。

一日一日弱って来ているのがわかる。
食べる量が元気なときの10分の1、今日は2回、鶏肉と少しのご飯とちょっとの水のみ。
眠っている時間が増え、その間はよたよた、ふらふら歩き、そしてすぐ座り込んで立てなくなっている。
それでも歩くことを止めようとはしない。
まだ歩く体力があると言えば言えるが、じっとしているとぺたんと座り込んでしまい、しばらくは立てなくなり、こちらの手助けが必要となる。
それでも、歩くことが生きていることであって、止まることは眠ることであって生き続ける限り、歩き続けるように思われる。



ハナの目はどこを見ているのだろうか。
すべてを見ているような、何も見ていないような、悲しげな憂いを帯びているような、そんなハナを見るのが耐えられなくなる。
痛いとか、苦しいとか、辛いとか、死ぬのが怖いとか、そんなことは言わない。
ただ今を、ただただ懸命に生きている、それだけだ。

そんなハナを見ている自分が辛くなっている。
と言って、見ていないと不安で心配で、1日中どこにいるか30分毎くらいにチェックしている。
子供らとお別れができたから、それだけはほっとしている。

今日は昨日と違ってまた寒くなった。
小屋に豆炭のあんかを入れた。これで室温が上がる訳ではないだろうが、私の気休めかも知れない。
明日、小屋を覗くのがちょっとこわい。



着せておいたフリースをとったハナ。
痩せていた筈が、おなかが膨らんでいるのが気になる。
今日は、おなかの下にタオルを入れて輪にして、背中に回して持つようにし、座った時に引き上げられるようにした。










1週間。

2017-03-29 21:02:20 | 日記

この1週間、いろいろなことがありました。

23日、友人の40代のパートナーが永眠しました。
遠いことではないと思っていても、それが現実となると、まったくどうすることもできません。
彼の人なつこい笑顔が思い出されます。
友人の、最期は二人でとてもいい時間が持てたのよ、その言葉に救われた気がしました。
出逢うべきして出逢ったふたりです。

25日、ここで、ここの住人2世同士の結婚式が行われました。



ここから巣立ったよろみチルドレンがラインで繋がって、初めて全員が集合しました。
その音頭をとったのが次男、親から見るとまだまだと思っていたのが、見直す機会になりました。
式師は長男、お料理はそれぞれの母親の手作り、3段のケーキも新婦のお手製。総勢42人の大宴会になりました。
一人ずつがお祝いを述べ、途中ギターとドラムの演奏もあって大いに盛り上がったのです。
中には数年振りで会った子等もいつの間にか大人になっていて、いよいよ世代交替の時季に来たのだと知らされました。
思い出せば私たちもここに来たのが子供らの年齢に近づいていました。
その夜、夜空には冬の星座から春の星空に移りつつ、輝いていました。
子供らだけでなく、われら一世も輝き続けることを一緒に誓ったのでした。



そして、ハナ。
子供らのエネルギーが伝わったのでしょうか。
俄然食欲が出て、こどもらがボール遊びをする中に混じってきました。
ところが、みんながそれぞれの場に帰ったその夜、溝に落ち、たまたま通りかかった仲間が気が付いて連絡してくれたので大事にならずに済みました。
泥だらけの身体を洗い、拭いて温めて、ようやく寝床に入りました。
今日は、もうあまり食べられず、ふらふら状態。それでも歩き回っていました。
夜は、小屋から出れないように閉じ込めることにしました。



人生の終わり、人生の節目、新たなスタート、死がそこまで来ている15歳の愛犬。
この1週間、という時間の中の出来事が人生の縮図でもありました。

次男も月曜から富山に出張となり、いつもより静かなよろみになりました。
次は誰がここで式を挙げるのかな。
次に集まるのは誰のお葬式かと住職、でも、お祭りがいいな。














ワン、ニャン通信

2017-03-21 11:00:26 | 日記

時はこちらの思いと関係なく容赦なく過ぎてゆく。

今朝のことである、ニャンニャンが、およそ10日振りで帰って来た。
さほど疲れた様子もなく、元気なのである。
もう9分は諦めていたのに、どこでどうしていたのか、ちょっとにゃんにゃんを見直してしまった。



ハナと五郎。

ところが、ワンのハナ、日毎にふらふら度が増して来た。
何を差し出しても食べようとしない。
そんな時、ここの住人であるカントの飼い主が11歳ようの缶詰を買って来てくれた。
なんと、食べ出したのだ。



ハナとカント。

何が入っているのか確かめなかったが、猫のまたたびではないが、犬好きの媚薬が入っているのだろうか。
それと甘くてもろいおせんべいを食べた。
しかしそれには二人の手助けがいる。
一人がお尻側を持ち上げ、一人が食べやすいように砕いて口元に持って行く。
正しく介護である。
しかも家の玄関の段差にも介助が必要で、介護度は幾つになるだろう。
それでも、いとおしいハナである。
25日の全員が集まる日まで、あと4日、「ハナ、がんばれ!」



秋田美犬、ハナ。
いずれも、ちょっと前の画像。










納豆

2017-03-19 21:12:20 | 日記

納豆、これは父親への誕生日プレゼントだった。
今まで、聞いたことがないプレゼント。

しかも30センチもある段ボールにいっぱい、しかも選りすぐりの納豆が詰まっていた。
それを見た父親は「これどうするんだ、みんなに配ったらいい。」
確かにそんな量だった。



三男は仕事柄毎日が時間外労働の最たる現場で、ほとんど立ちっ放しとか。
お休みは月曜日だけ、なのに4人の子供の中で一番気が利くやさしいこころの持ち主。
私が納豆嫌いであまり食卓にでに出ないことを知ってのことだろう。
その私もお相伴にあずかると、確かに安売りのスーパーのものと違い、変に納豆臭くない。
むしろ豆の味がして私にも抵抗なくて食べられた。

さて、明日はどの納豆にするかな?
いつもだと食べる前に必ず酢を入れるのだが、先ず入れなくて食べてみよう。
これを食べ切るまでに、納豆好きになるかな?
多分、やはり、無理だろう。



またハナのこと。
今日、ハナはほとんどご飯を食べなかった。
どうもおなかの調子が悪いのか、軟便があちこちに落ちていた。
最近は座ることができなく、しかも我慢ができないようで道にぽろぽろと落ちている。
足はふらふら、座ることも難しいのかぐるぐる回って、また場所を替えてぐるぐる回って、またよたよたと歩き出す。
でも、いつもの散歩には出掛けた。
その後も食べずに、ようやく夜になって家の中に入って来た。
しかし、匂いを嗅いでも口が開かない。
住職と2人で一人は抱え、私は食べられそうなものを次々と用意して、ようやく食べたのがキャットフードを少々。
犬や猫は具合の悪い時は食べない。
水もどうにか飲んだので、まだ大丈夫かな?
24日には子供らが全員集まる。
どうかその日までは、ぜひとも、生かしてください。
お願いします。











黄色から緑へ。

2017-03-17 21:35:29 | 自然の不思議

私の目に、黄色から緑が入ってくるようになった。
畑も日当りがよく、高いところは取り残された小さな菜っ葉や草が雪の下から出て来た。
参道の水仙も芽を出し、日に当たってだんだんと黄色から黄緑、そして緑になった。
いつも感心するのだが、落ち葉の下の球根は時にその葉を突き抜けて芽を出す。
発芽の強さなのか、落ち葉の脆さなのか、その両方なのかその力強さにこちらまでいつも元気を貰う。



病床の友人への葉書。

ところが、この春はいつものような動きができない。
五十肩がこんなに面倒なものとは知らなかった。
こちらの気力まで奪われてしまう。
特に冬は動かないから疲れないかと思いきや、むしろ運動不足が起因する弊害の方が大きい。
ところが、頑張って動かさない方がいいとアドバイスを受けるが、自分とすれば頑張っているつもりはない。
どこまで動けばいいのか判断が難しい。

それに比べ、自然の樹々はその時の状況にうまく適応している。
水仙など日だまりだともう7センチほどになっている。
万作も日当りの枝から開花している。



私の黄色から緑のサインを感じ取りたい。
無理せず、でも確実に春に向けて歩き出したい。



キムチと春菊の白和え。