ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

ガキ大将トランプの意地悪

2017年11月15日 | 国際・政治

小池東京都知事は希望の党の代表を辞職したり、葛飾区議選において都民ファーストの会の当選者は一人だけだったりして、希望の党や都民ファーストの会の党勢は雪崩のように急速に崩れています。総選挙前後から今までの政治状況はだいたい想像通りですが、希望の党の崩壊がここまで早いのは想像を越えています。

 

一言言いたいのは、東京都民は人を見る目が無かったと言うこと。まあカラスのようなものでしょうか。ごみ集積所の網の裾をめくって生ごみをあさる時は賢いと思うけど、プラごみの日にゴミ袋をあさる時はバカだと思う。今回はプラごみの日だったのでしょう。

 

116日に行われたトランプ大統領と安倍首相の共同記者会見で、トランプ大統領の話の中ほどに次のような文があります。

 

週刊東洋経済から引用します。

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I don't know if it's as good as ours. I think not. OK And we're going to try and keep it that way, but you'll be second

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トランプ大統領の唯一(?)の優れた点は、中学生で習う単語ばかり使って、単語を区切ってハッキリ発音するので、理解しやすいこと。しかし、これを巧く訳せるかというとそうでも無い。在日米国大使館のホームページに日本語訳が載っています。下線部が上記の英文の訳。

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日本は特別な場所です。日本人は豊かで、都市は活気に溢れ、世界有数の強い経済を築き上げました。米国の経済ほどではないかもしれませんが。それほどではないでしょうね。我々はこの状態を維持するつもりです。日本は2番目です。

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この訳では何を言っているのか、今一つわかり難い。Bloombergは下線部分を

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<日本経済は>米経済ほど良い状態かどうかは分からない。違うと思う。この状態を維持するつもりだ。日本は2番目だ。

(<>内は私の注釈)

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と訳しています。これでも良くわからない。Bloombergは安倍首相が笑っただけで、気まずい空気となったと書いています。

 

週刊東洋経済はもっと詳しく紹介しています。この部分だけ要約します。

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私には、それ(日本経済)が、我々の(米国経済)と同じぐらい良いものなのかどうかはわからないけど。私はそう<日本経済が米国経済と同じぐらい良いものと>は思わないし。いいかい? 私たちは、その形<日本経済より米国経済のほうが良いという形>を維持していくようにしよう。でも、あなたは2番目だよ

(<>内は私の注釈)

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トランプ大統領は、この発言以前の部分では原稿を読んでいたが、この部分はアドリブのようです。英語のできる日本人は白けたでしょうが、同時通訳はこのアドリブをうまく日本語に出来たかどうか? 結局、このトランプ大統領のアドリブを直ぐに理解した日本人は少なかったと思う。しかし、アメリカの記者はこの発言に直ぐに反応し、記事を書いた。

 

私が思うに、トランプ大統領は原稿の美辞麗句にへそを曲げて、意地悪を言いたくなったのでしょう。「日本の経済が良いと言ったって、アメリカより良いわけ無いだろう!」この部分はジョークではなく、トランプ大統領の本心です。「アメリカは日本と仲良くしてやるけど、日本は米国を越えるなよ!」

 

そういえば、私の所属していた会社は米国の会社と取引している時に、米国の会社のエライさんが同じような行動をしたことを思い出した。米国の会社のエライさんが私の会社に来て演説をぶったのですが、常套文句の羅列をした後で嫌味をサラッと潜り込ませていた。英語が得意ではない我々は直ぐには理解できなかったが、後から話題になった。

 

こういうのは、トランプ大統領の個人ワザではなく、交渉術の一つとして米国のビジネススクールで教えているのではと邪推します。

 

私は、日本がいつまでも米国の子分でいるより、米国と中国とロシアを手玉に取って巧みに生きていく(交渉下手の日本人にそれが簡単に出来るとは思いませんが)道が良いと思っていますが、そうなると防衛力をもっと強くする必要があるし、場合によっては、核を持つこともあるのかなと思う。

 

しかしこのような状況になると、徴兵制やもっと強力な志願制が必要になるかもしれない。私が学生の頃、ベトナム戦争が真っ盛りでした。日本も戦争に巻き込まれて、自分らも戦争に駆り出されるのでは?と本気で心配していました。今の私は高齢で兵隊にとられる心配が無いので、上記のように少し気楽に書いていますが、私がもし10代だったら違うことを考えていると思う。

 

中年で強硬なことを言う人がいますが、「この人の体格では兵隊になれないな」と思うし、年寄りで強硬なことを言う人は「高齢で兵隊に取られないと思っているな」とも思う。若い人で強硬なことを言う人は、戦争は自衛隊がやってくれるので、「おれは関係ない」と思っているかもしれない。特にネットに浸りまくっている運動神経の悪そうな、運動不足の小太りは、ゲーム感覚で言っているかもしれない。そんなことは無いですよ。

 

最近の若い人は自民党支持が多いと聞くけど、米国の子分でいる現在の状態のほうが戦争に引っ張り出される可能性は少ないと思っているかもしれない。自尊心を傷つけられることが多々起こるでしょうが仕方がない。このように「二番目」でいると、もし戦争になっても米軍と自衛隊だけがやってくれると思っているのかもしれない。この「二番目」でいることをアメリカが許容し、日本も認めている限り、自民党は安泰だと思います。この前提が崩れると、自民党も崩壊することになる。

 

2017.11.15

 


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