ほぼ週二 横浜の山の中通信

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李ラインで、自民党政府は、なぜあんなに弱腰だったんだろう!

2017年01月18日 | 国際・政治

韓国に関して、過去にいくつか書いているので紹介します。

 

2014210日「韓国と仲良くする必要あるの?」

2014722日「日本海が「東海」なら黄海は「西海」」

20141227日「千年経っても日本のせい

2015824日「韓国の「ウリジナル」って正気?」

 

釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する像を設置したことに対して、日本政府は駐韓国大使と釜山総領事を日本に一時帰国させるとか、日韓通貨スワップ協議の中断などの対抗処置を発表していますが、どこまで本気やら。1ヵ月ほど経って、ほとぼりが冷めたら元の木阿弥ですよ。李明博大統領の竹島上陸の時(これは20128月で民主党政権の時ですが、同年12月から自民党政権)も、韓国は何にも変わらないのに大使はいつの間にか戻っていた。そういえば、対馬の盗難仏像を返さない韓国の寺の件は解決しましたっけ。

 

安倍政権は韓国に対して強く出ているように見えますが私は信じません。今までの経緯からすると、自民党政権および右寄りの新聞を含めた日本の新聞は基本的に親韓で、しばらくすると「仲良くしようよ」と日本側から言い始める。

 

それに米国から「日本が譲歩しろ!」と恫喝されると、あわてて関係改善に走ることになる。もっとも、120日の大統領の交代で米国政治はしばらく混乱するので、もう少し文句を言ってこないかも知れませんが。

 

ついでに言うと名は忘れましたがある新聞(確かA新聞)が数年前に「韓国で反日運動しているのは、常連でごく一部」とか書いていましたが、ウソつき! 「活動しているのは常連でごく一部」であっても、それに共感している人たちはそれなりに存在するはずだから、当時から「そんなことないだろう」と思っていました。特派員は、相手国から記事を取るためにこういう相手国を擁護する記事を良く書いています。「韓国を安心して訪問してよ」という韓国サイドに立ったメッセージのつもりだったのでしょうが、「お前の目は曇っている。現実をしっかり見ろ」と言ってやりたい。(新聞は紙面が埋まれば良いので、こんなことは屁とも思っていないのでしょうが)

 

また、1年前の201611日のブログ「28日の慰安婦問題に関する日韓合意は雲散霧消する」で、合意はそのうち雲散霧消すると書きましたが、その可能性は80%くらいに高くなっています。

 

最近、例の安倍政権ヨイショ・ヨイショ・ヨイショおじさんが、慰安婦問題に関してメディアで民進党と共産党を批判しています。こういう人は安倍政権のヨイショのネタが無くなると野党批判を始める。この人も李ラインで日本漁船が銃撃されたり、拿捕されたりしたのをラジオで聞いていた世代のはずですが、忘れたのかな? 

 

慰安婦をホントに慰めたいのなら、日本大使館や日本領事館の近くに像を置く必要は全く無いのですよ。どこか、静かな公園にでも置いとけばよい。あるいは、日本の新聞社のソウル支局前なんて良いんじゃないですか。それをわざわざ日本大使館や日本領事館の近くに置くのは日本への嫌がらせでしかありえない。日本への屈折した感情を持つ韓国の国民性なんでしょう。これはもう千年経っても治らない。日本海を「東海」、韓国の悪い慣習は日本が持ち込んだ、日本の良い伝統や行事などは韓国起源というのと同じ心理です。

 


前置きが長すぎました。本題に戻ります。今回は李ライン、即ち李承晩ラインです。李承晩は韓国の初代大統領の名前です。この李ラインで日本漁船が拿捕されたのを知っていますか? 私の前後の世代は知っているでしょうが、40代以下は知らない人が多いでしょう。私が子供の頃、家族で夕食を食べていると、真空管式のラジオから日本の漁船が韓国の警備艇に銃撃され、漁船と漁船員を韓国に連れ去ったというNHKのニュースがたびたび流れていました。それを聞いて、何もしない日本政府に憤慨したものでした。

 

若い人は竹島を知っていても、李ラインを知っている人は少ないのでは? 最近、メディアなどで、その李ラインの話が全く出ないのはなぜでしょうか? メディアが無知なのか、意図的に抑えているのか。まあ、現在の自民党政権にとって都合が悪い話ではありますが。

 

ある中年の経済評論家がTV番組で李ラインのことを話したら、同席していた今はもう亡くなった完全禿げ頭の保守系の政治評論家から、「何であんなことを言ったのか!」と後で怒鳴られたと言っていました。自民党にとって、よっぽど都合が悪かったのでしょう。

 

現在の韓国の強気の原因の一つは、当時の自民党政府や日本の新聞が手をこまねいていたことだと思います。そのころの自民党政府は、李承晩ラインで日本の漁船が韓国の警備艇に拿捕されたり、銃撃されたりして漁船員が死亡したのに、何もしなかった。

 

李ラインはどういうものか、外務省のホームページから一部を引用します。

  http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/takeshima/g_senkyo.html

 

1952(昭和27)1月,李承晩韓国大統領は「海洋主権宣言」を行って,いわゆる「李承晩ライン」を国際法に反して一方的に設定し,同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を一方的に主張しました。

 

「別冊正論」から引用している記事の一部を引用します。

  http://ironna.jp/article/1772

 

多くの日本漁船が韓国によって拿捕され、乗組員が抑留された。その数は、昭和20年から40年の20年間で、327隻、3911人にのぼる。拿捕が最も多発したのは昭和2830年の3年間で、1年に500人前後の日本人が抑留された

 

(韓国は李ラインだけでなく、他の理由でも拿捕していますが、李ラインによるものが多い。なお、上記の記事にも載っていますが、戦後は中国にも台湾にも多数の日本の漁船や船員が拿捕されていたのを付け加えておきます)

 

日本とアメリカのサンフランシスコ平和条約が発効し、実質的に占領下から独立したのが昭和274月、朝鮮戦争は昭和25年から昭和28年です。したがって、韓国が李ラインを設定した昭和271月は、日本が独立する直前で朝鮮戦争の末期というどさくさです。しかし、どさくさに紛れてキワドイことをするのは、韓国の得意とするところなので、それらを理由に自民党が言い訳してもしょうがない。今後も韓国はどさくさに紛れて同じようなことをしますよ。

 

それに、李ラインは昭和40年の日韓漁業協定の時まで続いている。まだ混乱していた昭和20年代は割り引くとしても、国力が回復してきた昭和30年代でも自民党政府は有効な対策を打てなかった。私がラジオのニュースを聞いて憤慨していたのは、昭和30年代だと思います。

 

李ライン設置の昭和271月から、日韓漁業協定締結の昭和40年まで、首相は吉田茂から鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、池田勇人、佐藤栄作まで、ず~っと自民党ですから。なぜか、自民党政府は韓国に対して弱腰だった。

(1955年(昭和30年)の保守合同で自由党と日本民主党から自由民主党が結成されたので、吉田茂は自由党、鳩山一郎は日本民主党です。訂正します)

 

それに一言付け加えれば、最近の韓国での反日的な行動に対し、日本の民主党政権が悪かったという人がいますが、それは一面的です。民主党政権は最近のたったの3年間、それに対して自民党政権は約60ですから。

 

日本と韓国が国交を樹立したのは、日韓漁業協定を締結した昭和40年。このとき、日韓基本条約を結んでいますが、その時に拿捕されたり、銃撃されたりした人の韓国への賠償請求権は放棄しています。つまり、日本政府が韓国政府に代わって補償をしたということ。割り切れないですよね。

 

こういうことをしてきた自民党政権や日本の新聞が、これからどういう事をするかは、だいたい想像がつくでしょ。

 

2017.01.18


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