斬剣次郎の鉄道・バス斬り

 拙者、斬剣次郎である。たった今から、鉄道・バスを斬る

北海道最後の公営事業者 苫小牧市交通部

2011年09月19日 12時40分46秒 | バス
 北海道最後の公営事業者である
 苫小牧市交通部
 が2012年3月末で運行終了し、4月より全路線が道南バスへ移譲されることになりました。これによって北海道の公営事業者は全て姿を消すことになります。
 苫小牧市交通部は苫小牧市内の路線を独占的に運行しており、苫小牧駅を中心に約20系統を運行しています。苫小牧市交通部は公営事業者らしく4メーカーとも入っているのですが、北海道特有の長尺かつ非冷房車が多く在籍しているが特徴です。




 苫小牧市交通部で最古参となる
 トップドアの貸切兼用車
 です。105号車が1987年式のいすゞLV+富士5Eで、107号車が1989年式のいすゞ+富士7Eです。型式はいずれもP-LV218Qとなります。長尺で非冷房というスタイルになっています。


 こちらは1986年式のいすゞLV+富士5Eです。一般路線車用という事で前中扉かつ2段窓という仕様になっています。型式はP-LV214Nで、標準尺ですね。行先表示器が幕式になっていますが、現在は在籍車両の全車がLED化を済ませており、幕車はもう見られなくなっています。撮影当時は古参車を中心に幕車が残っていました。尚、写真の車両は2007年に廃車されています。



 こちらは1992年式の
 エアロスターM
エアロスターMで、U-MP618Pとなります。一般路線車でも基本的に長尺を選択している事が伺えます。しかし、この車両はU代とはいえ、非冷房になっています。苫小牧市交通部では1992年まで非冷房で投入していたのです。
 下は1992年式のエアロスターM群の中でも特異車にあたる82号車です。これは車体の塗り分けが中古車と同じになっているのです。これは最近の車体修理時に再塗装が行われたためです。


 こちらは1996年式の
 ブルーリボン
 で、KC-HU2MPCAとなります。つまり、KC代という事になります。苫小牧市交通部は1995年式から冷房車となり、ブルーリボンも冷房車として投入されています。写真のブルーリボンの社番が1~3号車とトップナンバーになっています。これは苫小牧市交通部の社番の付番において、1~99が一般路線車に割り当てていて、99に近づいたためリセットされています。


 こちらは1999年式のキュービックの
 ワンステ
 です。1997年式からワンステとして投入されています。ワンステになっても長尺での投入である事は変わっていません。



 こちらは1999年に投入された
 ノンステ
 です。エアロスターのKC-MP747Mで、1台のみの投入です。皮肉な事にこのノンステが苫小牧市交通部にとって最後の新車となってしまいました。


 苫小牧市交通部では経営健全化のために2005年から
 中古車
 を入れる事になり、その第一陣として元都営バスのいすゞLVを投入しています。写真の300号車はそのトップナンバーで、中古車は300番台という番号が与えられました。その直後に都営バスは中古車の流出を中止したため、川崎市交通局、川崎鶴見臨港バス、国際興業、京急バスの車両たちを購入しています。


 こちらは2006年に投入された元川崎市交通局のエアロスターMですが、苫小牧市交通部の中古車で三菱ふそうなのはこの309号の1台だけで、それ以外は全ていすゞで揃えられています。実に貴重です。


 こちらは2010年に投入された京急バスからのいすゞLVで、ワンステになっています。2010年の中古車からワンステになったわけですが、皮肉な事に現時点での最後の中古車になります(写真は331号車ですが、最終は332号車)。運行終了まであと半年なので新たな動きはもうないでしょう・・・。


 こちらは
 貸切車
 です。苫小牧市交通部も貸切事業を行っているため、貸切車もいます。ただ、貸切車は多くが一般路線との兼用車で、純粋たる貸切車は2台しかいません。貸切車の社番は200番台に区分されており、写真は201号車にあたります。1997年式のセレガのショート車です。貸切車は1台が大型ショート車、もう1台は小型車です。





 苫小牧市交通部の運行上の拠点にあたる
 苫小牧駅バスターミナル
 です。バスターミナルは1978年に完成し、窓口や待合室や18の乗り場が設けられていて、バスターミナルの規模は大きい方です。更にバスターミナルの中には2つの横断歩道が設けられていて、それぞれ安全のために信号が付いているのがポイントです。従って、バスは信号に従って走っている事になります。
 バスターミナルには18つの乗り場が設けられているのですが、路線数に対してやや過剰な感じで、使われていない乗り場も2つほど存在しています。また、1つの乗り場に対して1~2路線が発着しているのですが、多くても1時間に2本が来る程度で、基本的に1時間に1本です。ただ、写真の14番のりばでは土休日には1日3本しか発着しないなど場所によって発着本数がアンバランスです。というか、バスターミナル自体が過剰という感じがありますね・・・。


 バスターミナルの待合室に掲げられている路線図と時刻表です。苫小牧市交通部の大半の路線がこのバスターミナルを発着している事が伺えます。そのため、バスターミナルでは1時間に約10~15本のバスが来る事になります。ただ、苫小牧駅にはバスターミナルの反対側にある北口にも発着していますが、路線はそんなに多くありません(本数は1時間に3~4本程度)。


 こちらは
 苫小牧駅前バス停
 です。バスターミナルは苫小牧市交通部しか発着しないに対し、こちらは苫小牧市交通部に加えて北海道中央バスや道南バスも発着しています。苫小牧市交通部にとってはバスターミナルとは別の停留所扱いで、苫小牧駅方面のみ停車します。苫小牧駅行きのバスはここが終点となっているため、バスターミナルには降車場がありません(駅前で降車扱いを終えたバスはバスターミナルの側を通って直接待機場へ入る)。因みに01系統はバスターミナルが途中停留所になっているのですが、バスは苫小牧駅前で降車扱いを行った上でバスターミナルに入ります(バスターミナルでも降車できる)。
 苫小牧駅前のバス停ポールから苫小牧市営バスの文字が消える日も近付きつつありますね。

 北海道の公営バスもあと半年となりますが、本州などの公営バスも厳しい経営である事は変わりありません。公営バスがどんどん消えていくのも寂しい限りです。しかし、道南バスへ移譲した後どんな姿になるのか気になるものです。
 尚、車庫内では事務室の許可を得て撮影しております。

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2 コメント

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Unknown (BR-351)
2011-09-19 19:47:54
5月でも苫小牧は寒かったです。殆ど冷房を使用する時期が無いですね。道南バスはエルガやブルーリボンシティーになっても非冷房車を導入してますから、苫小牧市営バスの方がまだ経営的にはましってことでしょうか?最近は道南バスの新車も冷房装備ですが、、、
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Unknown (斬剣次郎)
2011-09-20 23:11:46
 BR-351様
 コメントありがとうございます。

 私が苫小牧へ訪れた時は涼しくて冷房が必要ないようん感じでした。しかし、それでもバスは冷房をガンガンと効かせていました・・・。道南バスはKL代まで非冷房で入っていたのですが、中古車でも冷房停止状態で走っている車両もいますね・・・。
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