伝統的な茶屋街を保存整備している、ひがし茶屋街にも行ってきました。
ひがし茶屋街は江戸時代藩政期から栄えたお茶屋を集めて町割りした町並み。
木虫籠とよばれる木格子の意匠が特徴的です。
この格子のデザインは飛騨格子とは異なる意匠で、文化の違いを感じました。
京都とも印象が違いますね。
多くの建物は木の自然な色だったのですが、一番いい位置に建つ1つの建物だけは
全体がベンガラに塗られていました。なぜだろう?
妻壁の鎧張りの壁の押し縁間隔も飛騨とはちがう。
2階の縁側(回廊)のこのような造りは、
京都の東山界隈にもありますが、
雨戸兼用のようなガラス面の少ない意匠は、ここの特徴のようです。
しかも京都の場合は、後白河院のように庭園内に建つ楼閣ですが、
ここは、通りに面して同じ立面構成、同じスケールの建物が軒を連ねる。
通り全体として、優雅な感じがします。
1階は線、2階は面を基本とした対比のデザインがきれいです。
その間にある庇も、各建物で意匠を凝らしています。
また、基礎部分の意匠も細かい。
土台と柱の接合部の金物。
柱位置に目地を取った基礎の意匠。
格子間隔は飛騨格子より大きいが下から上まで同じ。
看板もおしゃれ。
これは、経年変化によって分かりやすくなってますが、
よーく見ると、横桟の中央部はわずかにR状に削られています。
竪格子と横桟の接合部に水が溜って腐らないように配慮してあるのかも。
すごい。。。
夜になると、1階の格子が不思議な半透明のような効果を生み出しています。
不思議。
2階の建具は、日中の垂直性に対して、窓明かりの水平性が強調される。
明かりによって、昼と夜とで異なる表情を生み出す。
ただただ秀逸―。
ひがし茶屋街は、国の重要伝統的建造物保存地区に選定されています。