いかにもハワイの言葉って感じがしませんか? ホ・オポノポノ。
ホ・オポノポノとは、400年前からハワイに伝わる問題解決の方法です。「ホ・オ」は「目標」、「ポノポノ」とは「完璧」を意味するそうで、つまりホ・オポノポノとは、完璧を目標として「修正すること」、「誤りを正すこと」という意味になります。これを、現代にも活用できるようにアレンジしたのが、ハワイ伝統医療のスペシャリストで「ハワイの人間州宝」故モナ・ナラマク・シメオナ女史。それを「セルフアイデンティティ ホ・オポノポノ(SITH)」と呼んでいます。
彼女の薫陶を受け、現在SITHの中心的な地位にあるのが、イハレアカラ・ヒューレンという方で、昨年、『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』(徳間書店)という本を出しています。
ホ・オポノポノの話をある人から聞いたとき、よく知らないままに、それって仏教の教えとつながる部分があるのでは…と漠然と思ったのですが、この本を読んでみたら、まさにその通りでした。
私たちの潜在意識は、宇宙が創生されてからのすべての記憶にアクセスして、瞬間瞬間膨大な記憶を立ち上げています。私たちが認識しているのは顕在意識ですが、その100万倍の記憶が1秒間のうちに潜在意識の中で立ち上がっているのです。
その中の病気や事故、挫折、不幸など、過去のいまわしい記憶が、私たちの人生に反映されて不幸なことを引き起こしているのです。
モナは、そういった潜在意識の中で毎秒立ち上がる過去の記憶を消去し、神聖なる知能と一体化する方法を示しました。これにより過去の記憶に惑わされることなく、神聖なる知能からのインスピレーションを受け、人間本来のあるべき生き方ができるようになります。(pp.17-18)
「神聖なる知能」(Divine Intelligence)とは、「創造主」とか「ブラフマン」とか「神」と呼ばれる存在であり、自分がそれと「一体化する」というのは、まさに「梵我一如」。仏教のルーツとなった考え方です。
生・老・病・死、すべての不幸の原因は自分の潜在意識の中にある。その記憶を消去して、神(仏陀)からのインスピレーションを受けることで、自分自身であることを取り戻すことができる。それは、他の人をも幸福にし、引いては社会全体を幸せにすることにつながる…。
「般若心経」の「色即是空、空即是色」もこの本には登場します。「空」というのは悟りの境地のこと。「本来、私たちは、「空」であるはずで、ホ・オポノポノは私たちがもともともって生まれたゼロの状態にしてくれるプロセス」であるとヒューレン氏は言う。「どんなことが世の中で起きていても、それらがすべて自分の中で起きているということが納得できて、そして自分の潜在意識から消去してしまえば、もうそんなことはなくなってしまう」と。
ハワイでは、潜在意識を「ウニヒピリ」と呼ぶそうです。これは、「インナーチャイルド」(内なる子ども)という意味。わがままな子どものように、ネガティブな記憶を増幅させてしまう存在です。人間は、そんな「インナーチャイルド」による記憶をため込みながら生きている。それこそ、この世の創世以来の膨大な記憶。私たちは、生まれた瞬間に、いや、胎児の段階から既に過去の記憶に縛られている。そうした記憶を消去するためにこの世に生まれてくるのだ、とさえヒューレン氏は言っています。「記憶を消去する必要がなければ、そもそも私たちは生まれてきていないはずなのです。」
では、どうやって「記憶を消去」するのか。この本の中には、しきりに「クリーニング」という言葉が出てきます。不幸な記憶のクリーニング。そんなことができるのか。できるとすればいったいどうやって…?
手っ取り早く「手段」だけを知りたい、そんな気持ちを見透かすかのように、この本では、なかなかその方法を教えてくれません。きちんとホ・オポノポノがなんたるかを理解した上でなければ明かしてくれないのです。
たとえば、セラピー。普通のセラピーでは、セラピストが患者の悩みを聞いて、その悩みに対する適切なアドバイスをする。ところが、ホ・オポノポノの場合は、「悩みの内容はいっさい聞く必要がない」という。「本当は会う必要もない」という。面と向かい合いもせず、悩みの内容も聞かないでその人が抱える問題を解決することなんてできるわけがないと思うのですが、ホ・オポノポノのセラピーでは、「相談者がくる前に、その人の名前を聞いただけでその人をクリーニングして準備しておきます。そして、私のその人に対する潜在意識の記憶がゼロになれば、その人の悩みもゼロになって消えてしまう」のだそうです…。そんな魔法みたいなことができるわけがない、と思います。
ただ、「(通常の)セラピーが上手くいかないのは、そのセラピーをする人自身の潜在意識の中にある記憶が消えないからです。相談しにくる相手の中に問題があると思って対処しているかぎり、真の問題解決は望めません。」とも書いてあるのを読むと、何だか納得できるような気もしてきます。実は、相談者の抱えている悩みは、その人自身に起因しているのではないことも多かったりします。そうなると、本人がいくら努力しても、周りの環境や人間が変わらない限り、解決にはつながらない。ホ・オポノポノのやり方は、そんな「セラピーの限界」を乗り越えるものなのかもしれない…。そうも思えてきます。もしそうなら、すごいことです。
「クリーニング」の方法は、「第3章 潜在意識をクリーニングしてあるがままに生きる方法」まで読んで初めて披露されます。それは魔法でも何でもなく、ごく簡単なことをするだけなので、ちょっと拍子抜けしたりもするのですが。
長くなったので、それは次回紹介します…。
『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』≫Amazon.co.jp
ホ・オポノポノとは、400年前からハワイに伝わる問題解決の方法です。「ホ・オ」は「目標」、「ポノポノ」とは「完璧」を意味するそうで、つまりホ・オポノポノとは、完璧を目標として「修正すること」、「誤りを正すこと」という意味になります。これを、現代にも活用できるようにアレンジしたのが、ハワイ伝統医療のスペシャリストで「ハワイの人間州宝」故モナ・ナラマク・シメオナ女史。それを「セルフアイデンティティ ホ・オポノポノ(SITH)」と呼んでいます。
彼女の薫陶を受け、現在SITHの中心的な地位にあるのが、イハレアカラ・ヒューレンという方で、昨年、『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』(徳間書店)という本を出しています。
ホ・オポノポノの話をある人から聞いたとき、よく知らないままに、それって仏教の教えとつながる部分があるのでは…と漠然と思ったのですが、この本を読んでみたら、まさにその通りでした。
私たちの潜在意識は、宇宙が創生されてからのすべての記憶にアクセスして、瞬間瞬間膨大な記憶を立ち上げています。私たちが認識しているのは顕在意識ですが、その100万倍の記憶が1秒間のうちに潜在意識の中で立ち上がっているのです。
その中の病気や事故、挫折、不幸など、過去のいまわしい記憶が、私たちの人生に反映されて不幸なことを引き起こしているのです。
モナは、そういった潜在意識の中で毎秒立ち上がる過去の記憶を消去し、神聖なる知能と一体化する方法を示しました。これにより過去の記憶に惑わされることなく、神聖なる知能からのインスピレーションを受け、人間本来のあるべき生き方ができるようになります。(pp.17-18)
「神聖なる知能」(Divine Intelligence)とは、「創造主」とか「ブラフマン」とか「神」と呼ばれる存在であり、自分がそれと「一体化する」というのは、まさに「梵我一如」。仏教のルーツとなった考え方です。
生・老・病・死、すべての不幸の原因は自分の潜在意識の中にある。その記憶を消去して、神(仏陀)からのインスピレーションを受けることで、自分自身であることを取り戻すことができる。それは、他の人をも幸福にし、引いては社会全体を幸せにすることにつながる…。
「般若心経」の「色即是空、空即是色」もこの本には登場します。「空」というのは悟りの境地のこと。「本来、私たちは、「空」であるはずで、ホ・オポノポノは私たちがもともともって生まれたゼロの状態にしてくれるプロセス」であるとヒューレン氏は言う。「どんなことが世の中で起きていても、それらがすべて自分の中で起きているということが納得できて、そして自分の潜在意識から消去してしまえば、もうそんなことはなくなってしまう」と。
ハワイでは、潜在意識を「ウニヒピリ」と呼ぶそうです。これは、「インナーチャイルド」(内なる子ども)という意味。わがままな子どものように、ネガティブな記憶を増幅させてしまう存在です。人間は、そんな「インナーチャイルド」による記憶をため込みながら生きている。それこそ、この世の創世以来の膨大な記憶。私たちは、生まれた瞬間に、いや、胎児の段階から既に過去の記憶に縛られている。そうした記憶を消去するためにこの世に生まれてくるのだ、とさえヒューレン氏は言っています。「記憶を消去する必要がなければ、そもそも私たちは生まれてきていないはずなのです。」
では、どうやって「記憶を消去」するのか。この本の中には、しきりに「クリーニング」という言葉が出てきます。不幸な記憶のクリーニング。そんなことができるのか。できるとすればいったいどうやって…?
手っ取り早く「手段」だけを知りたい、そんな気持ちを見透かすかのように、この本では、なかなかその方法を教えてくれません。きちんとホ・オポノポノがなんたるかを理解した上でなければ明かしてくれないのです。
たとえば、セラピー。普通のセラピーでは、セラピストが患者の悩みを聞いて、その悩みに対する適切なアドバイスをする。ところが、ホ・オポノポノの場合は、「悩みの内容はいっさい聞く必要がない」という。「本当は会う必要もない」という。面と向かい合いもせず、悩みの内容も聞かないでその人が抱える問題を解決することなんてできるわけがないと思うのですが、ホ・オポノポノのセラピーでは、「相談者がくる前に、その人の名前を聞いただけでその人をクリーニングして準備しておきます。そして、私のその人に対する潜在意識の記憶がゼロになれば、その人の悩みもゼロになって消えてしまう」のだそうです…。そんな魔法みたいなことができるわけがない、と思います。
ただ、「(通常の)セラピーが上手くいかないのは、そのセラピーをする人自身の潜在意識の中にある記憶が消えないからです。相談しにくる相手の中に問題があると思って対処しているかぎり、真の問題解決は望めません。」とも書いてあるのを読むと、何だか納得できるような気もしてきます。実は、相談者の抱えている悩みは、その人自身に起因しているのではないことも多かったりします。そうなると、本人がいくら努力しても、周りの環境や人間が変わらない限り、解決にはつながらない。ホ・オポノポノのやり方は、そんな「セラピーの限界」を乗り越えるものなのかもしれない…。そうも思えてきます。もしそうなら、すごいことです。
「クリーニング」の方法は、「第3章 潜在意識をクリーニングしてあるがままに生きる方法」まで読んで初めて披露されます。それは魔法でも何でもなく、ごく簡単なことをするだけなので、ちょっと拍子抜けしたりもするのですが。
長くなったので、それは次回紹介します…。
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