シーズン制の移行を考える
猛暑の影響と危険性
この夏は、“ゲリラ豪雨”と呼ばれる集中豪雨が、スポーツの現場にも少なからず影響をもたらしました。サッカーの代表戦では、7月29日に開催したキリンチャレンジカップのU-23日本代表対U-23アルゼンチン代表の試合が激しい雷雨のために84分で試合終了に。また、8月4日に行われた全国高校総体の決勝も雷と豪雨で中止となり、流通経済大柏と市立船橋の2校の優勝が決まりました。
競技場のような広大な場所は特に落雷の可能性が高く、豪雨のスタジアムは選手にとっても応援する観客にとっても大きな危険が伴います。先だって、1996年にサッカーの試合中に落雷を受けて重度の障害を負った男性に対し、高松高裁が主催者と引率の学校に3億円の損害賠償を命じる判決を出したことは、皆さんもご存じかと思います。被害に遭われた方は本当にお気の毒ですが、今後、こういった被害を出さないためにも、サッカー界として再発防止に努めていく義務があります。
日本サッカー協会(JFA)は2006年4月11日付で都道府県サッカー協会、地域サッカー協会、各種連盟に対して「サッカー活動中の落雷事故の防止対策についての指針」を通達し、2007/2008シーズンから『サッカー競技規則』にも掲載しています。今後も様々な情報や専門的知識を得ながら、危険防止に取り組んでいく考えです。
秋~春制シーズンのメリット
日本をはじめ、東アジア諸国の多くは、春~秋にリーグ戦を実施しています(*)。Jリーグなどでは夏場は暑い日中の試合を避け、ナイトゲームを実施。また、草の根の試合でも、給水タイムなどを設けるなど、暑さ対策をしっかりしています。しかし、そういった対策の必要性は選手に限ったことではありません。
Jリーグなどでは、多くのサポーターがキックオフの2~3時間前に来て応援合戦を繰り広げます。夏の4時や5時はまだ強い日差しが残っており、熱中症のリスクが非常に高いんです。そして、この“ゲリラ豪雨”による落雷の危険性――。地球温暖化が叫ばれる昨今、夏の猛暑や集中豪雨はさらに拡大していくかもしれません。選手や観客の安全性から見ても、シーズン制の移行といった抜本的な見直しが必要な時期に入ったと言えるのではないでしょうか。
サッカー競技そのものから見ても、猛暑の時期の試合開催は適当とは言えません。高温多湿の日本の夏は選手のパフォーマンスが低下します。プロサッカーとして、お客さんにお金を払って見ていただく以上、高いレベルのプレーをお見せするのが責務ですし、常に質の高いゲームを繰り広げることでJリーグそのものが強化されるのはいわずもがなのこと。
先日、Jリーグ選手協会の会長を務める藤田俊哉選手(名古屋グランパス)、副会長の秋葉忠宏選手(ザスパ草津)、石川直宏選手(東京FC)、監事の高木義成選手(東京ヴェルディ)の4選手が、僕が会長に就任したということで訪ねてきてくれたんですが、彼らも秋~春制を歓迎していました。
その理由は今挙げたように、ゲームの質の維持や落雷の危険回避に加え、家庭を持つ選手の多くが、子どもとの余暇や家族旅行ができないから、夏休みの間はオフにしてもらうのがありがたい、と言うんですね。代表に招集される選手は特に、一年中休暇が取れない状況にあるんです。
興行的にもメリットがあります。プロ野球など日本のメジャースポーツもオフに入る冬。メディアでのサッカーの扱いも圧倒的に増えるはずで、そこでサッカーに関心を持ってくれた人が、スタジアムやTVでサッカー観戦してくれるということにつながるはずです。
秋~春制を導入するにあたってクリアすべき課題
もちろん、課題はあります。一番大きなところでは、雪国のクラブチームにとっての冬場の練習場の確保です。試合は、降雪期となる2月のホーム戦をアウェイにもっていくなどの対策が可能でしょうが、降雪期はグラウンドが使えなくなりますから、屋内施設や屋根付きグラウンドが必要になります。また、観客に対する寒冷対策も重要ですね。そういったインフラの整備については、自治体の理解や協力が不可欠です。
ヨーロッパの国々では、観客席に熱線を通したり、屋根から温風を出すといった対策がとられていますが、冷房設備を完備するよりは、暖房対策の方がはるかに低コストでできるので、採算が合うという見通しを明確に示せれば、改修に動き出す自治体もあるかもしれません。それに2002年のワールドカップ開催から6年が経ち、スタジアム施設を見直す時期でもありますから検討の余地は十分あるはずです。
ただ、雪国のクラブの問題に加え、決算期や学校の年度の問題、社会人リーグや学生リーグなどの環境面を考え、シーズンの移行に慎重論が多いのも事実です。秋~春シーズンを唱える僕の記事を見たファンの方から抗議のレターがいくつか届きましたが、地域やクラブの賛同を得られないまま、軽々に秋~春制に移行しろと言うつもりはありません。しかし、ワールドカップの年が一つの目処になるので、次の2010年に照準を合わせたことで検討してみるべきだとは思っています。なお、秋~春シーズンに移行した初年度の3~8月の期間については、カップ戦などを組み込むことで調整できるのではないかと考えています。
いずれにしろ、日本サッカーのレベルアップや選手、観客の安全性、さらにプロとしての興行価値を考えた場合、秋~春シーズンのメリットはかなり大きいと言えます。海外移籍も今よりスムースに行われ、欧米のトップリーグで活躍する日本人選手が増加するでしょうし、国内では若手の試合出場機会も増えますから、日本サッカーは一段とレベルアップするはずです。
また、アフリカ選手権が1月に開催され、ガルフカップも同様にこの時期に行われますが、そうなると1~2月に国際Aマッチが数多く組まれることになりますね。その時期にJリーグがシーズン中であれば、選手の体やコンディションが十分できている中で代表に送り出せる。世界トップを目指す以上、国際標準に合わせていくのが妥当ではないでしょうか。
ともあれ、この問題については、JFA/Jリーグ将来構想委員会で議論されることになっていますので、その推移を見守っていくとしましょう。
*アジアの主な国の中で春~秋制シーズンを施行しているのは、ウズベキスタン、タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、中国、韓国、日本で、このうち、インドネシアと中国は夏に中断期間を設けている。
犬飼の売名行為が続いておる。
7月にも書いたが、断固反対である。
確かに権力を新たに手中に収めたものが、歴史に名を残そうと躍起になるのもわからぬでもない。
しかしながら、悪しき改革に反旗を翻すことも必要と考え筆を執りたい。
上記の犬飼のコラムはダラダラした文章で読みにくいので箇条書きに訂正させてもらう。
・夏場開催においては落雷の危険性がある。
・秋-春開催のメリット
1.猛暑でなければ、レベルの高いプレイが見せられる。
2.夏に試合がなければ、選手が家族と旅行に行ける。
これだけである。
クリアすべき課題以降の文章には突っ込みどころが満載であるが割愛させて頂きたい。
代表に呼ばれぬ暇な家族持ちの選手以外幸せにならぬ改革である。
我等は力を合わせて犬飼を阻止せねばならぬ。
正義の力を見せつけるときである。
猛暑の影響と危険性
この夏は、“ゲリラ豪雨”と呼ばれる集中豪雨が、スポーツの現場にも少なからず影響をもたらしました。サッカーの代表戦では、7月29日に開催したキリンチャレンジカップのU-23日本代表対U-23アルゼンチン代表の試合が激しい雷雨のために84分で試合終了に。また、8月4日に行われた全国高校総体の決勝も雷と豪雨で中止となり、流通経済大柏と市立船橋の2校の優勝が決まりました。
競技場のような広大な場所は特に落雷の可能性が高く、豪雨のスタジアムは選手にとっても応援する観客にとっても大きな危険が伴います。先だって、1996年にサッカーの試合中に落雷を受けて重度の障害を負った男性に対し、高松高裁が主催者と引率の学校に3億円の損害賠償を命じる判決を出したことは、皆さんもご存じかと思います。被害に遭われた方は本当にお気の毒ですが、今後、こういった被害を出さないためにも、サッカー界として再発防止に努めていく義務があります。
日本サッカー協会(JFA)は2006年4月11日付で都道府県サッカー協会、地域サッカー協会、各種連盟に対して「サッカー活動中の落雷事故の防止対策についての指針」を通達し、2007/2008シーズンから『サッカー競技規則』にも掲載しています。今後も様々な情報や専門的知識を得ながら、危険防止に取り組んでいく考えです。
秋~春制シーズンのメリット
日本をはじめ、東アジア諸国の多くは、春~秋にリーグ戦を実施しています(*)。Jリーグなどでは夏場は暑い日中の試合を避け、ナイトゲームを実施。また、草の根の試合でも、給水タイムなどを設けるなど、暑さ対策をしっかりしています。しかし、そういった対策の必要性は選手に限ったことではありません。
Jリーグなどでは、多くのサポーターがキックオフの2~3時間前に来て応援合戦を繰り広げます。夏の4時や5時はまだ強い日差しが残っており、熱中症のリスクが非常に高いんです。そして、この“ゲリラ豪雨”による落雷の危険性――。地球温暖化が叫ばれる昨今、夏の猛暑や集中豪雨はさらに拡大していくかもしれません。選手や観客の安全性から見ても、シーズン制の移行といった抜本的な見直しが必要な時期に入ったと言えるのではないでしょうか。
サッカー競技そのものから見ても、猛暑の時期の試合開催は適当とは言えません。高温多湿の日本の夏は選手のパフォーマンスが低下します。プロサッカーとして、お客さんにお金を払って見ていただく以上、高いレベルのプレーをお見せするのが責務ですし、常に質の高いゲームを繰り広げることでJリーグそのものが強化されるのはいわずもがなのこと。
先日、Jリーグ選手協会の会長を務める藤田俊哉選手(名古屋グランパス)、副会長の秋葉忠宏選手(ザスパ草津)、石川直宏選手(東京FC)、監事の高木義成選手(東京ヴェルディ)の4選手が、僕が会長に就任したということで訪ねてきてくれたんですが、彼らも秋~春制を歓迎していました。
その理由は今挙げたように、ゲームの質の維持や落雷の危険回避に加え、家庭を持つ選手の多くが、子どもとの余暇や家族旅行ができないから、夏休みの間はオフにしてもらうのがありがたい、と言うんですね。代表に招集される選手は特に、一年中休暇が取れない状況にあるんです。
興行的にもメリットがあります。プロ野球など日本のメジャースポーツもオフに入る冬。メディアでのサッカーの扱いも圧倒的に増えるはずで、そこでサッカーに関心を持ってくれた人が、スタジアムやTVでサッカー観戦してくれるということにつながるはずです。
秋~春制を導入するにあたってクリアすべき課題
もちろん、課題はあります。一番大きなところでは、雪国のクラブチームにとっての冬場の練習場の確保です。試合は、降雪期となる2月のホーム戦をアウェイにもっていくなどの対策が可能でしょうが、降雪期はグラウンドが使えなくなりますから、屋内施設や屋根付きグラウンドが必要になります。また、観客に対する寒冷対策も重要ですね。そういったインフラの整備については、自治体の理解や協力が不可欠です。
ヨーロッパの国々では、観客席に熱線を通したり、屋根から温風を出すといった対策がとられていますが、冷房設備を完備するよりは、暖房対策の方がはるかに低コストでできるので、採算が合うという見通しを明確に示せれば、改修に動き出す自治体もあるかもしれません。それに2002年のワールドカップ開催から6年が経ち、スタジアム施設を見直す時期でもありますから検討の余地は十分あるはずです。
ただ、雪国のクラブの問題に加え、決算期や学校の年度の問題、社会人リーグや学生リーグなどの環境面を考え、シーズンの移行に慎重論が多いのも事実です。秋~春シーズンを唱える僕の記事を見たファンの方から抗議のレターがいくつか届きましたが、地域やクラブの賛同を得られないまま、軽々に秋~春制に移行しろと言うつもりはありません。しかし、ワールドカップの年が一つの目処になるので、次の2010年に照準を合わせたことで検討してみるべきだとは思っています。なお、秋~春シーズンに移行した初年度の3~8月の期間については、カップ戦などを組み込むことで調整できるのではないかと考えています。
いずれにしろ、日本サッカーのレベルアップや選手、観客の安全性、さらにプロとしての興行価値を考えた場合、秋~春シーズンのメリットはかなり大きいと言えます。海外移籍も今よりスムースに行われ、欧米のトップリーグで活躍する日本人選手が増加するでしょうし、国内では若手の試合出場機会も増えますから、日本サッカーは一段とレベルアップするはずです。
また、アフリカ選手権が1月に開催され、ガルフカップも同様にこの時期に行われますが、そうなると1~2月に国際Aマッチが数多く組まれることになりますね。その時期にJリーグがシーズン中であれば、選手の体やコンディションが十分できている中で代表に送り出せる。世界トップを目指す以上、国際標準に合わせていくのが妥当ではないでしょうか。
ともあれ、この問題については、JFA/Jリーグ将来構想委員会で議論されることになっていますので、その推移を見守っていくとしましょう。
*アジアの主な国の中で春~秋制シーズンを施行しているのは、ウズベキスタン、タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、中国、韓国、日本で、このうち、インドネシアと中国は夏に中断期間を設けている。
犬飼の売名行為が続いておる。
7月にも書いたが、断固反対である。
確かに権力を新たに手中に収めたものが、歴史に名を残そうと躍起になるのもわからぬでもない。
しかしながら、悪しき改革に反旗を翻すことも必要と考え筆を執りたい。
上記の犬飼のコラムはダラダラした文章で読みにくいので箇条書きに訂正させてもらう。
・夏場開催においては落雷の危険性がある。
・秋-春開催のメリット
1.猛暑でなければ、レベルの高いプレイが見せられる。
2.夏に試合がなければ、選手が家族と旅行に行ける。
これだけである。
クリアすべき課題以降の文章には突っ込みどころが満載であるが割愛させて頂きたい。
代表に呼ばれぬ暇な家族持ちの選手以外幸せにならぬ改革である。
我等は力を合わせて犬飼を阻止せねばならぬ。
正義の力を見せつけるときである。
たまたま今年は豪雨が多かっただけなのに逆に冬は雪が降ったらみんな行けないのに。
もちろん秋春シーズン制は反対です
犬飼氏は、強引な上に安易ですよね。
浦和が日本代表で、ACL優勝させたいだけだろう。
協会も浦和、赤。
まずは、J2の日程や露出を改善して、地方の活性化と底辺の拡大のほうが未来があると思います。
満男と同じく、「やるだけ、この日程で勝つだけ」だけどね。
このくだりを読んだだけで、もう口あんぐりですよ。
犬飼にとっては絶好のタイミングでの豪雨でしたね。
豪雨が無くてもどうせ移行を訴えていたでしょうよ。
欧州でもロシアなどは春-秋開催です。
冬の方が怪我が多いですし、芝のことを考えたら人工芝になる可能性もあり、更に怪我が増えるでしょう。
本当に選手にもサポにもメリットのない案です。
そもそも、欧州が秋-春なのは社会のカレンダーが秋から始まるからでサッカーには無関係です。
もう少し考えて欲しいですよね。
うちが不利になるかは分かりませんが、
一部のチームしか有利にはなりませんね。
彼は日本サッカー協会会長なんだから、
Jリーグではなく、どうしたら日本代表が強くなるかを必死に考えてもらいたいものです。
三菱の犬会長は冬の寒さを知らないみたいなんで、
貴賓室ではなく、外で観戦してもらいたいですね。
①中位に位置するクラブのモチベーション維持(UEFAカップに匹敵するもの)
②ナビスコカップの有効活用(個人的には道州制レベルのエリア別に分けて、JFL、高校、大学の強い学校も含めた地域リーグを開催、トップの8チームがH&Aトーナメントがいいな、と思います。)
③豪雨豪雪をなるべく避けるスケジュール(犬飼氏のような欧州の猿真似は勘弁ですが、豪雨や酷暑の試合を避けるべきだと思うので、良い形で休止期間を作ったりして調整して欲しいです。)
④スケジュールの改善(クオリティの高い試合を見やすく、うまく調整して欲しいです。)