【J1:第27節 G大阪 vs 鹿島】レポート:残留を争う両者の対決は2-2の引き分け(12.09.30)
9月29日(土) 2012 J1リーグ戦 第27節
G大阪 2 - 2 鹿島 (16:03/万博/14,163人)
得点者:9' レナト(鹿島)、25' レアンドロ(G大阪)、38' ドゥトラ(鹿島)、90'+2 レアンドロ(G大阪)
ここ2試合、スタートからハイペースの、先手をとったゲームが続いていたG大阪だが、この日は立ち上がりから鹿島アントラーズの激しいプレスに手こずる展開。その勢いの差が結果に出る形で9分に鹿島FWレナトに先制ゴールを許してしまう。だが、この失点で目が覚めたのか、それ以降は、徐々にポゼッションを高めながらの早いパスまわしで、いつものG大阪らしい攻撃を仕掛け、積極的にゴールを目指す。23分にはG大阪が絶好の同点のチャンス。鹿島のGK曽ヶ端準のパスミスを奪い、そのGK曽ヶ端と1対1の状況を作り上げたFWレアンドロが好機を迎えるが、素早く体制を立て直したGK曽ヶ端を抜ききれずにチャンスをふいにしてしまう。
先制後、やや守勢にまわった鹿島は、G大阪のパスまわしに粘り強く対応しながら堅守を展開。4-2-3-1の布陣もG大阪の中盤に圧力をかけるという意味で効力を発揮し、攻守にバランスのいい形で試合を進める。だが、先に書いたレアンドロの決定的なシーンもなんとかやり過ごし、体制を立て直したかに見えた3分後、同点ゴールを許してしまう。決めたのはG大阪のFWレアンドロ。右サイドのDF加地亮からのスローインを受けたMF二川孝広がペナルティエリア付近でヘディングで後ろにそらしたボールを、FWレアンドロが狙い澄ましたボレーシュート。ボールはきれいにゴールへと吸い込まれ、試合を振り出しに戻す。余談だが、このゴール後には、2日前に誕生したFWレアンドロの長男、レアンドロ・フィリオくんの誕生を祝う“ゆりかごダンス”。その後もお祝いムードにも後押しされるかのように、G大阪の攻撃が加速し、追加点を狙いにかかる。だが、なかなかゴールがこじ開けられない。31分にはFWレアンドロがドリブルによる突破から抜け出し左足でシュートを放つも、鹿島守備陣にクリアされてしまう。それによって得た右コーナーキックのチャンスでも、ファーサイドにつめたDF今野泰幸のヘディングシュートはやや浮いてしまい、ゴールを捉えられない。「畳み掛ける攻撃を仕掛けなければいけない」。試合前、そう話していたのはG大阪のMF家長昭博だが、相手の堅守もあってそれがフィニッシュへと繋がっていかず、G大阪ファンにとっては焦れる時間が続く。
そんな中、均衡を破るゴールをこじ開けたのは鹿島だった。38分、FW大迫勇也のパスを受けたFWレナトがペナルティエリア付近からミドルシュート。一度はGK藤ヶ谷陽介が弾きかえすも、前に大きくこぼれたボールにFWドゥトラがすかさず詰めてゴールを決め、再びリードを奪う。
1-2のビハインドを負って迎えた後半。G大阪はMF阿部浩之に代えてケガから復帰したFW佐藤晃大を投入。前線を1トップから2トップに変えてポイントを増やし、反撃に出る。だが、リードを奪った鹿島の堅守は安定を増すばかり。しかもがっちりと引かれた守備を崩すための攻撃の策も乏しく、なかなか効果的な仕掛けが見られない。それはMF大森晃太郎、MF倉田秋を投入後も変わらずで、どこかちぐはぐで、噛み合ない攻撃が続く。
対する鹿島は、MF遠藤康の投入に始まって、残り15分強となったところでMF本山雅志とDF昌子源を同時に投入。リードを守り切ろうという狙いが感じられる選手交代によって、攻守のバランスを保ちながら安定した試合運びをみせる。そんな鹿島の堅守が光る中で迎えた4分のアディショナルタイム。残り15分を切ってから全くと言っていいほど効果的な攻撃を仕掛けられていなかったG大阪だが、92分を過ぎたところで右サイドでボールを受けたDF加地が、「巻いたボールではなく、伸びるボールを意識した」という狙いをもったクロスボールが、ニアの鹿島DF陣の頭をかすめてファーサイドへ。それを左ゴール前で受けたFWレアンドロが見事なトラップから左足でゴールを決め、土壇場で同点に追いつく。
結果、残留を争う両者の対決は2-2の引き分けで終了。ともに勝点1を積み上げるにとどまったが、今節の結果により『残留争い』はより混戦状態に。今後の戦いにおいて、この日積み上げた両者の『勝点1』がどんな影響を与えるのかも含め、ますます目が離せそうにない。
以上
2012.09.30 Reported by 高村美砂
今節の結果によりJ1残留争いは混戦状態と申すガンバ目線のレポートである。
これに関しては異論がある。
ガンバが勝ち点3を勝ち得ておれば、混戦であったであろう。
しかしながら、ホームの下位チームが勝ち点1を分け合った状況を考慮すれば、ガンバ的には残留に水を差されたと言っても過言ではなかろう。
鹿島としては危険な勝ち点に引き込まれるところを踏ん張り、逆にガンバは降格ゾーンに取り残されたという結果である。
それはさておき、鹿島としてはほぼ手中に収めておった勝利がアディショナルタイムの失点でこぼれ落ち、悔しい引き分けとなった。
とはいえ、中盤の守備を修正した結果、ガンバの攻撃を抑えることに成功した。
ピンチらしいピンチは遠藤ヤットのミドルくらいではなかろうか。
確かに2失点は喫したものの、それは不用意な事故であったように見える。
そして、前節は機能不全であった攻撃が、大迫の連動性が2得点を奪い取ることに繋がった。
この布陣を突き詰め、負けない戦いを今季は続けて欲しいところ。
ヒゲくんが90分持つようになり、中田コが戻る時を待てば、守備は更に安定するであろう。
今は耐える時。
それを実感した試合であった。
9月29日(土) 2012 J1リーグ戦 第27節
G大阪 2 - 2 鹿島 (16:03/万博/14,163人)
得点者:9' レナト(鹿島)、25' レアンドロ(G大阪)、38' ドゥトラ(鹿島)、90'+2 レアンドロ(G大阪)
ここ2試合、スタートからハイペースの、先手をとったゲームが続いていたG大阪だが、この日は立ち上がりから鹿島アントラーズの激しいプレスに手こずる展開。その勢いの差が結果に出る形で9分に鹿島FWレナトに先制ゴールを許してしまう。だが、この失点で目が覚めたのか、それ以降は、徐々にポゼッションを高めながらの早いパスまわしで、いつものG大阪らしい攻撃を仕掛け、積極的にゴールを目指す。23分にはG大阪が絶好の同点のチャンス。鹿島のGK曽ヶ端準のパスミスを奪い、そのGK曽ヶ端と1対1の状況を作り上げたFWレアンドロが好機を迎えるが、素早く体制を立て直したGK曽ヶ端を抜ききれずにチャンスをふいにしてしまう。
先制後、やや守勢にまわった鹿島は、G大阪のパスまわしに粘り強く対応しながら堅守を展開。4-2-3-1の布陣もG大阪の中盤に圧力をかけるという意味で効力を発揮し、攻守にバランスのいい形で試合を進める。だが、先に書いたレアンドロの決定的なシーンもなんとかやり過ごし、体制を立て直したかに見えた3分後、同点ゴールを許してしまう。決めたのはG大阪のFWレアンドロ。右サイドのDF加地亮からのスローインを受けたMF二川孝広がペナルティエリア付近でヘディングで後ろにそらしたボールを、FWレアンドロが狙い澄ましたボレーシュート。ボールはきれいにゴールへと吸い込まれ、試合を振り出しに戻す。余談だが、このゴール後には、2日前に誕生したFWレアンドロの長男、レアンドロ・フィリオくんの誕生を祝う“ゆりかごダンス”。その後もお祝いムードにも後押しされるかのように、G大阪の攻撃が加速し、追加点を狙いにかかる。だが、なかなかゴールがこじ開けられない。31分にはFWレアンドロがドリブルによる突破から抜け出し左足でシュートを放つも、鹿島守備陣にクリアされてしまう。それによって得た右コーナーキックのチャンスでも、ファーサイドにつめたDF今野泰幸のヘディングシュートはやや浮いてしまい、ゴールを捉えられない。「畳み掛ける攻撃を仕掛けなければいけない」。試合前、そう話していたのはG大阪のMF家長昭博だが、相手の堅守もあってそれがフィニッシュへと繋がっていかず、G大阪ファンにとっては焦れる時間が続く。
そんな中、均衡を破るゴールをこじ開けたのは鹿島だった。38分、FW大迫勇也のパスを受けたFWレナトがペナルティエリア付近からミドルシュート。一度はGK藤ヶ谷陽介が弾きかえすも、前に大きくこぼれたボールにFWドゥトラがすかさず詰めてゴールを決め、再びリードを奪う。
1-2のビハインドを負って迎えた後半。G大阪はMF阿部浩之に代えてケガから復帰したFW佐藤晃大を投入。前線を1トップから2トップに変えてポイントを増やし、反撃に出る。だが、リードを奪った鹿島の堅守は安定を増すばかり。しかもがっちりと引かれた守備を崩すための攻撃の策も乏しく、なかなか効果的な仕掛けが見られない。それはMF大森晃太郎、MF倉田秋を投入後も変わらずで、どこかちぐはぐで、噛み合ない攻撃が続く。
対する鹿島は、MF遠藤康の投入に始まって、残り15分強となったところでMF本山雅志とDF昌子源を同時に投入。リードを守り切ろうという狙いが感じられる選手交代によって、攻守のバランスを保ちながら安定した試合運びをみせる。そんな鹿島の堅守が光る中で迎えた4分のアディショナルタイム。残り15分を切ってから全くと言っていいほど効果的な攻撃を仕掛けられていなかったG大阪だが、92分を過ぎたところで右サイドでボールを受けたDF加地が、「巻いたボールではなく、伸びるボールを意識した」という狙いをもったクロスボールが、ニアの鹿島DF陣の頭をかすめてファーサイドへ。それを左ゴール前で受けたFWレアンドロが見事なトラップから左足でゴールを決め、土壇場で同点に追いつく。
結果、残留を争う両者の対決は2-2の引き分けで終了。ともに勝点1を積み上げるにとどまったが、今節の結果により『残留争い』はより混戦状態に。今後の戦いにおいて、この日積み上げた両者の『勝点1』がどんな影響を与えるのかも含め、ますます目が離せそうにない。
以上
2012.09.30 Reported by 高村美砂
今節の結果によりJ1残留争いは混戦状態と申すガンバ目線のレポートである。
これに関しては異論がある。
ガンバが勝ち点3を勝ち得ておれば、混戦であったであろう。
しかしながら、ホームの下位チームが勝ち点1を分け合った状況を考慮すれば、ガンバ的には残留に水を差されたと言っても過言ではなかろう。
鹿島としては危険な勝ち点に引き込まれるところを踏ん張り、逆にガンバは降格ゾーンに取り残されたという結果である。
それはさておき、鹿島としてはほぼ手中に収めておった勝利がアディショナルタイムの失点でこぼれ落ち、悔しい引き分けとなった。
とはいえ、中盤の守備を修正した結果、ガンバの攻撃を抑えることに成功した。
ピンチらしいピンチは遠藤ヤットのミドルくらいではなかろうか。
確かに2失点は喫したものの、それは不用意な事故であったように見える。
そして、前節は機能不全であった攻撃が、大迫の連動性が2得点を奪い取ることに繋がった。
この布陣を突き詰め、負けない戦いを今季は続けて欲しいところ。
ヒゲくんが90分持つようになり、中田コが戻る時を待てば、守備は更に安定するであろう。
今は耐える時。
それを実感した試合であった。