「大奥」

2010-05-25 23:59:41 | Weblog
 もう何度も観た気がするのだけど、また観てしまったフジテレビの「大奥」。
 今日は将軍家茂公が京に上るも病を得て江戸城に戻ってくるあたりだった(しっかり観ていたわけではないのでうつろ)。こちらの和宮は安達祐実で篤姫は菅野美穂。安達祐実の御所言葉が妙に耳に残ったのと菅野美穂のたくましさが薩摩っぽいなあ、というのが初めて観たときの印象だった。
 今は、あの「篤姫」と比べて観てしまう。
 「大奥」は大奥そのものが焦点だしことさら陰湿さが際立って描かれているのだけど、今思い返すと「篤姫」はお花畑だったな~(笑)。悪役は滅多に出てこないし悪い人はわかりやすく悪いことが目立つようにするし、いい人に囲まれて栄養分をたっぷり吸収して、それは自信満々で前向きにもなるよな、なんてぼやいてみたりして(まあ演じる人の厚みとかいろいろ複数の要因が作用するとは思いますが)。
 物語や小説、漫画も含めてそういうものはどうしても所詮本の中の世界だから現実とは違うし、純粋な人ほど現実に適応できなくなる、というようなことを言った友人の言葉を思い出す。聞いたその時は意味をとらえきれなかったけれど、二つの同時代の作品を見比べて、改めてその言葉の意味を噛みしめる。
 実際は、「大奥」みたいな現実のほうが多いんじゃないか、と思えるようなところに自分がいるのかもね。